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EOSを契機とした提案をMM総研、日本マイクロソフト、ヴイエムウェアに聞く

EOSを契機とした提案をMM総研、日本マイクロソフト、ヴイエムウェアに聞く

2022年11月09日更新

WINDOWS SERVER 2012/R2 の次は
REPLACE OR CLOUD?

Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2(以下、Windows Server 2012/R2)の延長サポートが、2023年10月10日に終了する。EOSまで365日を切った現在でも、同OSを搭載したサーバーは数多く残っている。実際、MM総研が2021年12月末に調査した結果を見ると41万3,335台がいまだ稼働しており、販売店にはそれらの移行先の提案が求められている。しかし、移行先としてはどのようなプラットフォームが最適なのだろうか。さまざまな企業に取材を進める中で、オンプレミスとクラウド、その2択にとどまらない移行提案が見えてきた。

残る中小企業サーバー円安や
半導体不足で移行スピードがダウン

MARKET▶▶

Windows Server 2012/R2の延長サポートが、2023年10月10日に終了する。EOSまで1年を切った現在、ユーザー企業の対応はどのように変化してきているのだろうか。「国内Windows Server2012を中心とするマイグレーション状況調査」を継続的に行っているMM総研に、その現状を取材した。

中小企業に残存する物理サーバー

MM 総研
執行役員 研究部長
中村成希 氏

 ICT市場専門の調査会社であるMM総研は、Windows Server 2012/R2に関するマイグレーション状況調査を定期的に実施している。最新の2021年12月実施調査の結果を見ると、2021年12月末のWindows Server 2012/R2搭載サーバー稼働台数は41万3,335万台の予測。この台数は段階的に減少し、EOSとなる2023年10月時点では20万2,597台が残る予測だ。

 この稼働台数予測について、MM総研 執行役員 研究部長 中村成希氏は「過去に調査したWindows Server 2008の稼働台数推移と比較すると、EOSの21カ月前の稼働台数は56万2,623台と差がありましたが、日本マイクロソフトをはじめとした移行の施策や、消費税10%への引き上げに伴う駆け込み需要もあり、EOS時には8万398台まで減少しました。一方、昨今のトレンドを見てみると、半導体不足による物理サーバーの不足や、円安の影響によって、移行がスローダウンしている印象です」と指摘する。

 では、現在稼働している41万3,335万台のWindows Server 2012/R2サーバーのうち、移行中および移行を検討している台数はどれくらいだろうか。MM総研の調査によると、EOSを知らずに使っているサーバーは全体の8%となる3万1,985台、移行見通しがないサーバーは全体の30%となる12万4,920台だ。一方、移行調査中の企業は全体の29%となる11万9,418台、現在移行中の企業は全体の33%となる13万7,012台と、全体の62%が今後Windows Server 2012/R2サーバーから移行する。また、大企業(従業員数250名以上と定義)ではWindows Server 2012/R2サーバーが稼働している割合が極めて低く、逆に中小企業(従業員数249名以下と定義)では、移行調査中と移行中と合わせると57%と高い割合を占める。「この差の背景には、大企業は物理サーバーを所有している台数が少ないことも挙げられます。つまりWindows Server 2012/R2搭載のオンプレミスサーバーを運用している企業は中小企業がメインであり、今後はこれらの企業をうまく移行させていくことが重要になるでしょう」と中村氏は指摘する。

仮想化の影響で需要に変化?

 現在稼働しているWindows Server 2012/R2サーバーのうち、ワークロード別の稼働台数比率を見るとファイルサーバーが最も高く21.9%、次いでデータベースが20.0%、アプリケーションサーバーが18.6%となっており、2021年6月調査時点と比較するといずれも移行が進んでいる。「意外と『移行見通しがない』と回答されるのがアプリケーションサーバーで、インフラを変えると動かなくなるリスクがあるため移行しない選択をとる企業が少なくありません」と中村氏。

 それでは、企業がWindows Server 2012/R2サーバーの移行先として選択するのは、どのような環境が多いのだろうか。前述した移行調査中・移行中と回答した25万6,430万台のうち、ベアメタル(オンプレミスサーバー)に移行するのは2万7,047台で全体の7%、仮想化環境に移行するのは16万9,467台で全体の41%、クラウドへ移行するのが5万9,916台で全体の14%となった。中村氏は「ここでの仮想化環境は、自社でプライベートクラウドを構築してその上で仮想サーバーを運用するような活用です。そのため、リプレース先のサーバーを購入せずに、すでに自社で運用しているサーバーを増強し、その上に仮想サーバーを構築してWindows Server 2012/R2サーバーからの移行を行う可能性も考えられます。別途実施しているクラウドの調査でも、プライベートクラウドの投資比率が高まっており、サーバーを新規に提案する場合は想定よりもハイエンド帯のサーバーを手配することが、今後のユーザー企業におけるシステム利用の可能性を広げるかもしれません」と指摘する。

販売店の支援がより重要になる

 一方で、Windows Server 2012/R2の移行について、具体的な行動を起こせていない企業の理由を見ていこう。まず最も回答が多いのが「社内の人手不足」で全体の31.4%。次いで「予算の確保、経営層への上申理由、理解」「全般的に情報や時間が不足、検討に必要な情報を集めにくい」「アプリケーションの改修コスト、追加開発費などが高い」「移行の必要性は分かるが、自社に合ったサービスがどれかよく分からない」といった回答が続く。オンプレミスサーバーやクラウド、仮想環境など移行先の選択肢が増えている中で、ユーザー企業だけでは自社に最適なサービスや、必要な情報を判断しにくくなっている可能性が指摘された。また割合は低いものの「情報システム構築業者(SIer)、販売代理店などの提案、説明の不足」(11.2%)、「情報システム構築業者(SIer)、販売代理店などの対応が遅い、人員が割けないといわれた」(9.6%)という回答もあり、Windows Server 2012/R2サーバーからの移行には販売店からの一層のサポートも重要になりそうだ。

 中村氏は「目的に応じた最適な提案も必要です。例えばファイルサーバーのクラウド化を進める企業も多いですが、従業員のごく数人が外部からファイルサーバーにアクセスするならば、わざわざクラウド化する必要はないでしょう。一方で、テレワークが進んだ企業などは誰がいつどこからファイルサーバーにアクセスするか分かりません。そうした柔軟な働き方に応える環境を構築するならば、ファイルサーバーの機能はクラウドに移行したほうがいいでしょう。しかし、合わせてゼロトラストセキュリティ対策などの提案も進める必要があります。こうした企業の必要に応じた話を、ある程度整理して提案することが肝要です」と指摘する。

 一方で、クラウド化を進める中でボトルネックとなりそうなのが為替相場の影響だ。急激な円安が進む中で、外資系企業が提供するドルベース料金のクラウドサービスのコストが増大しており、クラウドシフトへの足かせになる可能性が指摘されている。そのため、オンプレミスのサーバーの需要が一時的に向上する可能性もある。しかし、円安の影響はクラウドのみならずハードウェアの部品にも広がることが予想されており、長期的に見ればあまり大きなコスト差とはならなそうだ。短期的にはWindows Server 2012/R2サーバーからのリプレース先としてHCIを選択し、そこからクラウドへシフトするような動きも予想されており、長い目でみれば企業のファイルサーバーなどのインフラはSaaSへとシフトしていく可能性が高い。

Azureへの移行が実現する
サーバーの延命と日本企業のDX

CLOUD▶▶

マイクロソフトが5年間のメインストリームサポートと、5年間の延長サポート、合計約10年のサポートを提供してきたWindows Server 2012/R2のサポートが、いよいよ終了する。マイクロソフトでは最新のサーバーOSとして「Windows Server 2022」を提供しており、それを搭載したサーバーへリプレースを検討する企業も多いだろう。しかし同社はその欠点を指摘し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための新しい移行提案を行っている。

企業のDXを実現するクラウドシフト

日本マイクロソフト
Azureビジネス本部
カスタマーソリューションマーケティング部
部長
田中啓之 氏

 2023年10月、Windows Server 2012/R2の延長サポートが終了する。サポートが終了した後もこれらのサーバーを使い続けるリスクについて、日本マイクロソフト Azureビジネス本部 カスタマーソリューションマーケティング部 部長 田中啓之氏は次のように語る。「よく知られていて最も重要なのが、セキュリティリスクが増大する点です。サポート終了後は修正パッチなどの提供がなくなりますので、万が一脆弱性などがあった場合、そこがセキュリティホールになってしまいます」

 加えて、Windows Server 2012/R2搭載サーバーはハードウェアの老朽化も進んでいることが予想される。コロナ禍で保守パーツの手配にも時間やコストがかかることから、古いサーバーを使い続けることは大きなリスクが付きまとう。Windows Server 2012/R2のサポート終了を契機に、新しいサーバーへのリプレースや、クラウドへの移行といった対応を進めていく必要があるだろう。

 そうした中で、日本マイクロソフトが推奨しているのが、これまでのオンプレミスサーバー環境をクラウドへ移行する対応だ。「古いオンプレミスサーバーを使い続けることは、リスクが大きいことはもちろん企業のDX化の阻害要因になりかねません。もちろんWindows Server 2012/R2搭載のオンプレミスサーバーから、Windows Server 2022搭載のオンプレミスサーバーへの移行でも、セキュリティリスクやハードウェア老朽化への対処は可能ですが、今後求められる企業のDX化に対応していくためにはユーザー企業のニーズに合わせた迅速な開発に対応できるプラットフォームへのシフトが重要になるでしょう」と田中氏。

ESUを活用したクラウドでの延命

日本マイクロソフト
Azureビジネス本部 GTM マネージャ
間瀬千里 氏

 そこで日本マイクロソフトが提案しているのが、これまでのオンプレミスサーバーからAzureへのクラウド移行だ。マイクロソフトではWindows Server 2012/R2向けに、サポート終了後も最大3年間のセキュリティ更新プログラムを提供する「拡張セキュリティ更新プログラム」(Extended Security Updates:ESU)を用意している。このESUは、オンプレミス環境には有償での提供となるが、同社が提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」では無償で提供される。つまり、既存のWindows Server 2012/R2サーバーを仮想化してAzure上に移行し、ESUを併用することで、最大3年の延命が可能になるのだ。この延命期間にユーザー企業は、サーバーのPaaS化などクラウドへのシフトを進めていく必要がある。

「Azureに対するESUの無償提供を知らないユーザー企業はまだまだ多くいます。オンプレミスサーバーの場合は有償となるため、既存のWindows Server 2012/R2の延長サポートを希望するユーザー企業は、是非Azureへの移行を選択してもらいたいですね」と日本マイクロソフト Azureビジネス本部 GTM マネージャ間瀬千里氏。

 ESUの無償提供は、「Azure Stack HCI」も対象だ。企業のコンプライアンス上の理由などにより、クラウドへの移行が難しい場合は、既存のWindows Server 2012/R2サーバーを仮想化してAzure Stack HCIに移行することで、Azureと同様に既存環境の延命が可能になる。

 マイクロソフトでは、このようなサーバーのクラウドへの移行をさらに進めていくため、「令和のサーバー移行支援キャンペーン」(キャンペーンサイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/cloud-platform/server-migration.aspx)を実施する。「ビジネスの未来につながるインフラを」をキーワードに、変化が激しい社会状況に迅速に対応できるインフラ構築をAzureで進めていくための、移行準備にまつわるキャンペーンを実施するものだ。

 具体的には、同社が認定する移行支援パートナーと連携し、最大350万円相当の移行支援プロジェクトを実施する。三つの移行支援サービスがパッケージ化された「Azure Everywhereパッケージ」が新たに用意されるのだ。

移行の準備を包括的にサポート

 間瀬氏は「Azure Everywhereパッケージは移行に関する準備段階を包括的にサポートします。その中で『アセスメント』『クラウド導入(CAF)ワークショップ』『PoC』の三つのサービスを提供しますが、最初のステップではアセスメントをお勧めしています。アセスメントでは、お客さまの現在のオンプレミスの設計思想をもとに、Azureへ移行する場合どの程度のコストメリットが出るのかを可視化します。実際にこのアセスメントを実施したユーザー企業はほぼ100%、オンプレミスで環境を維持するよりもAzureに移行する方がコストメリットが高いと判断します。クラウド移行に当たっての社内稟議の材料にも活用できるため、スムーズな移行準備が可能になります」と語る。

 そのほか、クラウド移行の計画を立てるためのワークショップや、本格的な移行の前に、いくつかのワークロードをAzure上に移行する検証作業を行うPoCも提供し、これまでオンプレミス環境でシステムを運用していたユーザー企業のクラウドシフトを強力に後押ししていく。

「これまで、ビジネスのDX化をオンプレミスのシステムが阻害していました。今回のAzure Everywhereパッケージの施策は、過去最高のマイグレーション移行プログラムとして全世界で展開しています。もちろんオンプレミスのシステムはなくならないでしょう。一部のシステムやデータはオンプレミスで動かさなければならない制約があり、全てがクラウドに移行していくわけではありません。しかし、これまでオンプレミスで利用していたデータやシステムをクラウドに移行することで、柔軟性や可用性を確保して新しい価値を生み出すシステムへと変化できる可能性があります。企業のビジネスを拡大していくためにも、販売パートナーさまとともにクラウドシフトを進めてほしいですね」と田中氏はメッセージを送った。

仮想化環境へのシフトで
クラウドとオンプレミスのセキュアな統合管理を実現

VIRTUALIZATION▶▶

Windows Server 2012/R2からの移行先として、Windows Server 2022が搭載されたオンプレミスサーバーを選択する場合、今後もEOSのタイミングで移行コストや手間が発生することが想定される。一方で、特定のクラウドに移行する場合も、異なるプラットフォームのSaaSなどを追加した場合、情報がそれぞれのSaaSに蓄積されるといったサイロ化による管理の問題が発生する可能性がある。ヴイエムウェアでは、そうした移行の際に懸念される可用性や運用管理をカバーする仮想化ソリューション「VMware vSphere」シリーズを推奨する。

増築コストや運用効率の見直しを

 Windows Server 2012/R2のEOSに伴い、各ハードウェアメーカーが多様な選択肢を用意している。そうしたデバイスを選ぶ際の指標は何だろうか。昨今の国内のシステム運用を見ると、日本企業のブラックボックス化した基幹系システムがDX推進を妨げる要因になったり、クラウドによるシステムのサイロ化が進んだりすることが問題視されている。

 こうした課題を踏まえると、IT資産を扱う企業ではまず、システムの統合管理や運用の効率化を進めることが重要だ。統合的なサーバー運用手段の一つであるサーバーの仮想化は、EOS対策だけでなく従来のシステム運用を見直す契機にもなり得るだろう。

 まずは、サーバー仮想化ソリューションの概要を改めて押さえよう。従来のオンプレミスシステムの仕組みは、1台のサーバーにつき一つの環境を構築するものだった。したがって、オンプレミスサーバーを継続的に保守・運用したり、増築時に逐次初期設定が必要だったりとシステムの運用効率が低い点が課題であった。

 そうした中で、物理的な構成に縛られずにリソースの増減が可能なサーバー仮想化ソリューションは堅調に市場を拡大している。インフラ基盤を提供するベンダー各社がサーバー仮想化を一つの選択肢として薦める中、サーバー仮想化ソリューションを強く押し出しているのが、ヴイエムウェアだ。

Windows Server 2022の保護対策も増強

ヴイエムウェア
パートナー第二営業本部
ディストリビューション統括部
統括部長
岡 津由 氏

 同社の代表的な仮想化プラットフォーム「VMware vSphere」(以下、vSphere)は、サーバー仮想化ソフトウェアであるハイパーバイザー「VMware vSphere ESXi」、複数のコンピューターを通じて監視・管理するクラウド型管理コンソール「VMware vCenter Server」、仮想環境を操作するためのGUIのクライアント環境「VMware vSphere Client」などで構成される。IDC Japanが調査したネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場でも、提供形態別で分類した「Network Virtualization Overlay」(NVO)ソフトウェア市場でヴイエムウェアが2019年に71.8%を占めるなど市場をリードしている状況だ。今回のEOSを契機として、vSphereが企業に与えるメリットとは何なのか。ヴイエムウェア パートナー第二営業本部 ディストリビューション統括部 統括部長の岡 津由氏は次のように語る。

「vSphereは、WindowsやLinuxといった異なるサーバーOSを同一環境上に構築するなど、多様な動作環境を統合的に構築できる点が一番のメリットです。この点が評価され、『VMware Workstation』を発表以降、当社の仮想化ソリューションはユーザー企業からの高いシェアを獲得しています。また、vSphereベースでクラウド環境を構築しているクラウドベンダーも多数いることから、クラウドとの親和性も高いのです。昨年ダイワボウ情報システム(DIS)が提供を開始した中堅中小企業向けIaaSソリューション『DX仮想クラウド基盤』にも当社の基盤が使われています。そのベース基盤がCPU、ストレージ、ネットワーク機能などを分離して仮想化する『Software-Defined Data Center』(SDDC)であり、DISのクラウド事業強化を下支えしています。ユーザー企業がWindows Server 2022に移行する場合も、vSphereを導入することで、幅広い領域にわたって迅速にシステムを再構築できます」と、vSphereの優位性を岡氏は挙げる。

 新しいサーバーOSのWindows Server 2022は、従来OSと比較してセキュリティが強化されている。Windows Server 2022の保護対策機能にプラスアルファする形で、さらにセキュリティを強化できる対策について、岡氏はこう語る。「当社では、仮想基盤のワークロードを可視化して脆弱性を測定し、vSphere上の仮想マシンを保護する『VMware Carbon Black Cloud Workload』を提供しています。vSphereのカーネル側にアタッチするプロダクトで、EDR機能をvSphereの基盤の上で活用可能です。これにより、通常対処が難しいウイルスの動作の検知・アラート発信・排除といった一連の対処が可能です。現在は、管理サーバーではなくエンドポイント端末向けに本サービスを提供しているため、エンドポイントのセキュリティ体制は整っている状態です。当社は、今後本サービスを管理サーバー側に対しても提供し、サイバー攻撃対策の領域もサポートしていきます」

多様なインフラ基盤を統合

 今後ITインフラ基盤は、SaaSを筆頭としたクラウド提案が増えていくことが見込まれる。一方で利用するクラウドが乱立してサイロ化することは、運用の煩雑化につながる。せっかく運用しやすい基盤を導入しても、その管理がバラバラでは本末転倒だ。

 これを踏まえて岡氏は、システム運用について次のように提唱している。「SaaSの利用が増えると、IT管理者の工数もどんどん増えていきます。ユーザー企業が複数のクラウドサービスを導入した場合、並行して統合的に管理できる仕組みの構築も必要になります。当社のvSphereは、さまざまなクラウドも統合的に管理し、制約なく運用できる基盤として活用可能です。複数のクラウドが混在し、管理が煩雑なクラウドカオスな状況から、統合的な管理が可能なクラウドスマートの状態にシフトしていきましょう」

 ヴイエムウェアは、サーバーの仮想化やデータセンターの仮想化をリードするフェーズを経て、今後さらにビジネス領域の拡大を図る。「プライベートクラウド、パブリッククラウド、エッジクラウドを含めたマルチクラウド、働き方などをユーザー企業の重要要件として捉え、それらを包括的にカバーするITインフラ基盤を目指します」(岡氏)

 最後に岡氏は、同社の方向性を次のように打ち出す。

「当社の提案ターゲットは、Windows ServerをはじめITインフラ基盤を活用するユーザー企業であれば業種業態、企業規模を問いません。例えば、大企業向けだけでなく小規模企業向け仮想化ソリューション『VMware vSphere Essentials Plus Kit』も提供しています。サーバー仮想化は、従来のWindows Serverの運用課題の解決を推進します。システムの統合管理や運用の効率化を目指すユーザー企業にとって、当社のvSphereなどの仮想化ソリューションが提供できるバリューは多いと考えています」

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