インテル Evo プラットフォームの認定取得で得た
開発、設計の新たなノウハウを他製品にも横展開
〜Dynabook〜

状況や効率に応じて在宅と出社を組み合わせて働くハイブリッドワークが定着している。そのため自宅と会社の行き来でノートPCを持ち歩く機会が増えており、軽さや薄さへの要求がさらに高くなった。同時に操作環境の快適さや性能の高さも求められており、これらを高次元でバランスさせたノートPCが求められている。インテル Evo プラットフォームに準拠したノートPCは、こうしたユーザーが求める要件を満たすグローバルスタンダードな指標となっている。ここではインテル Evo プラットフォームに準拠するDynabookの最新モデルの魅力を紹介する。

リプレースの直前まで高い生産性を維持
トータルコスト面にもメリットがある

(左)Dynabook 国内マーケティング&ソリューション本部 副本部長 荻野孝広 氏
(右)Dynabook 商品統括部 商品開発部 部長 古賀裕一 氏

 コロナ禍以前はビジネスでのPC利用環境は画一化されていて、ノートPCについては軽さ、薄さ、長時間といったモビリティ性能が優先された。しかし今はハイブリッドワークで1台のノートPCがあらゆる用途やシーンで利用されるため、モビリティ性能に加えて高い処理性能や拡張性、操作性が求められる時代になった。

 こうした要望に対して「インテル Evo プラットフォーム」に準拠したノートPCは、仕事においても学習においても、そしてエンターテインメントにおいても、あらゆる用途でユーザーの期待を超える体験を提供してくれる。

 Dynabook 国内マーケティング&ソリューション本部 副本部長 荻野孝広氏は「インテル Evo プラットフォームに準拠した製品は、お客さまが求める要件を備えた製品がどれなのかを分かりやすくしてくれ、お客さまが安心して選べるメリットがあります」と説明する。

 インテル Evo プラットフォームに準拠したノートPCはユーザーの実際の使用環境において高い性能と便利な機能を提供するため、トータルコスト面においてもメリットがあるという。荻野氏は「インテル Evo プラットフォームに準拠したノートPCはライフサイクルの期間中に生産性が低下することなく、リプレースする直前まで不満なく使うことができます。その結果、買い替えに伴うコスト負担や管理コストを削減できます。お客さまにインテル Evo プラットフォームに準拠したノートPCをお薦めすることは、結果的に顧客満足度の向上につながります」と語る。

筐体の設計を工夫して軽量化
バッテリー駆動時間と性能を両立

 インテル Evo プラットフォームに準拠したノートPCの魅力やメリットは数多くある。しかし実際にインテル Evo プラットフォームに準拠した製品を作り出すのは容易ではない。インテル Evo プラットフォームの認定を得るにはさまざまな要件を満たさなければならず、中でも長時間のバッテリー駆動と高い性能を両立するのが難しい。

 Dynabook 商品統括部 商品開発部 部長 古賀裕一氏は「インテルのCPUは世代の進化とともに省電力化が進んでいますが、マルチコア化などによる高性能化も同時に進んでいます。アイドル時のバッテリー駆動時間は伸びていますが、インテル Evo プラットフォームでは実用時のバッテリー駆動時間の要求を満たさなければならず、その要求に応えるためにバッテリーの容量を少しだけ増やして対応しています。そうするとバッテリーが重くなってしまいますが、インテル Evo プラットフォームに準拠した当社のdynabook Rモデルと同Vモデルは、ともに筐体の設計を工夫することでわずかな重量増に抑えています」と説明する。

 筐体には強度を高めることも求められる。昨今のノートPCでは液晶パネルのベゼルを狭額縁化することで、より大きな画面をより小さな筐体に収めている。DynabookのノートPCでも、例えば従来の13インチモデルの筐体に14インチの液晶パネルを搭載して大画面化している。すると液晶パネル周囲のベゼルが極細になるため、強度が落ちるという課題が生じる。さらに薄型化も加わり、筐体の強度の確保はより難しくなる。

 バッテリーの重量増を相殺する筐体の軽量化と強度の確保の両立という難題を、Dynabookは長年素材として使ってきたマグネシウム合金を使いこなすことで解決した。古賀氏は「マグネシウムは軽量化に有利な素材で、当社では長年にわたって使い続けています。素材を単純に薄くすれば軽量化できますが、強度が落ちてしまいます。そこで強度が求められる箇所は必要な厚みを確保し、強度に影響が出ない部分は製造上で許される範囲で厚みを削ることで軽さと強度を両立しています。ただしマグネシウムは加工がとても難しく、当社が培ったノウハウによって実現が可能となっています」とアピールする。

クーリングファンを適切に制御して
最新のCPUの性能を最大限に引き出す

 インテル Evo プラットフォームの認定には多様なベンチマークテストの評価も含まれる。古賀氏は「インテル Evo プラットフォームの認定で行われるベンチマークテストは、ユーザーの実際の使用環境を想定した条件で実施されます。これはメーカーを問わずノートPC全体の性能を底上げする効果が期待できます」と語る。

 ただしインテル Evo プラットフォームが要求する性能に応えるには、技術力とノウハウが求められる。古賀氏は「性能を上げるとCPUの発熱量と消費電力が増えます。特にCPUの冷却は筐体が薄くなるほど難しくなります」と説明する。

 そこでDynabookでは独自のクーリングモジュールを開発、進化させることでCPUの性能を引き出している。インテル Evo プラットフォームに準拠したDynabookの製品に搭載される最新のCPU、インテル Core™ Pプロセッサーのプロセッサーベース電力は28Wだが、アプリケーションの起動時は大きく超えることがあり、その際にCPUの温度が急上昇する。仮に常にクーリングファンを強力に稼働させて冷却するとCPUは冷えるが、電力消費が増えてノイズも大きくなる。ちなみにインテル Evo プラットフォームではノイズの大きさが制限されている。

 DynabookではCPUの消費電力をモニタリングして、クーリングファンが適切かつ効率よく稼働するよう制御することでCPUを冷却している。この仕組みを含むDynabook独自の「dynabookエンパワーテクノロジー」により、インテル Core™ プロセッサーの性能を最大限に引き出している。

 最後に古賀氏は「インテル Evo プラットフォームの認定を取得するために行った開発や設計で得たノウハウを、ほかの製品に生かすことで価値を向上させられるメリットもあります」と締めくくった。

Dynabookでは第11世代インテル Core プロセッサーと第12世代インテル Core プロセッサーを搭載するdynabook Rモデルおよび同Vモデルがインテル Evo プラットフォームに準拠している。写真はインテル Evo プラットフォームに準拠した最新モデルの「dynabook RJ74」。dynabook RJ74には画面が16:10で縦に広くなった14インチのモニターや、自然な色調を再現するブルーライトカット機能、操作のしやすい大型のクリックパッドなどが搭載されている。