Windows 11
オンラインブリーフィングに迫る!

10月5日に提供を開始した新OS、Windows 11はUIの大幅な刷新やアクセシビリティの向上を遂げた。注目度の高いWindows 11について、日本マイクロソフトは報道関係者向けのイベント「Windows 11に関連するオンラインブリーフィング」を11月18日に実施した。日本マイクロソフトが語るWindows 11の商機や、Windows 11にアップグレードした各メーカーのPCのこだわりなどをリポートする。

昨今のPC利用傾向から見る Windows 11端末の商機

日本マイクロソフト
執行役員 コンシューマー事業本部長
竹内洋平 氏

 イベントの冒頭で登壇した日本マイクロソフト 竹内洋平氏は、ノートPCを取り巻く環境の変化を次のように指摘した。「昨今のコロナ禍によってノートPCを取り巻く環境も大きく変化しています。個人のお客さまを対象とした利用調査では、ノートPCの利用時間は平均的に約30%増え、ビデオ通話時間は倍増しました。ノートPCを常にアクティブに使うユーザーは約20%も増え、ノートPCは従来よりもさらに生活に欠かせない存在になりつつあります。当社は、行動が制限され、ライフスタイルが常に変化する中でもユーザーのニーズに応えるOSを提供します。Windows 11は会社の所属部署のメンバー、友人や家族と容易につながり、趣味や仕事を行える環境に素早くアクセスできるOSで、そうしたコンセプトを『あなたの大切をもっと』というキャッチコピーに込めています」

 Windows 11の最大の特長は、刷新されたUIデザインだ。従来左端に配置していたWindowsアイコンを中央に配置するなど、スクリーンサイズやユーザーの利き手を問わず使えるよう配慮した。刷新点について竹内氏は「全てのUIの色味を刷新し、アイコンは丸みを帯びた形に変わっています。ライトモードとダークモードといったモードの切り替えにも対応しました。ユーザーが落ち着いてPCに向かえることを念頭に置き、UIの再構築を図りました」と話す。

 そのほか、複数のアプリケーションを並べて表示する場合の配置を提案する機能やコミュニケーションアプリのTeamsをタスクバーへ統合するなど、レイアウトのしやすさやアクセシビリティが向上している。従来からある仮想デスクトップ機能「タスク ビュー」も、デスクトップの拡張・切り替えが素早くできるよう改善された。Windows 11は、マイクロソフトが打ち出したキャッチコピーのコンセプトを実現し、多様なユーザーの利便性を考慮したOSと言える。

▼Windows 11にアップグレードした各社のノートPCを紹介▼

Dynabook

ノイズ除去性能アップ&マルチタスクに活用

Web会議での高性能な音声出力を実現する15インチのdynabook C。

 Dynabook 国内マーケティング&ソリューション本部の荻野孝広氏は、15インチノートPC「dynabook C」を次のように説明する。「『Windows 11を使うならdynabook』というキャッチコピーのもと、社員一丸となって商品化しました。dynabook Cシリーズの最大の特長は複数のアプリの処理速度を上げる『dynabookエンパワーテクノロジー』を搭載したことでマルチタスクを実現する点です。さらに、15インチの大画面でありながら本体サイズが幅約361.0×奥行き244.0×高さ19.9mmとスリムさも兼ね備えています。Windows 11ではコミュニケーション機能を強化していますが、dynabook Cの新機能の『AIノイズキャンセラー』でより快適に活用できます。本機能は、従来のノイズキャンセラーでは除去できなかった工事音、玄関のチャイム音、犬の鳴き声など突発的なノイズを除去します」

Dynabook
国内マーケティング&ソリューション本部
副本部長
荻野孝広 氏

荻野氏の機能説明の合間に、AIノイズキャンセラーのノイズ除去検証デモも行われた。デモでは、dynabook CのAIノイズキャンセラー機能をオンにすることで検証者が発生させたノイズがはっきり除去されていた。

「もう1つ、音声出力に関する機能として、マイクのオン/オフをワンタッチで行うボタン『ワンタッチマイクミュート』をキーボード上に備えています。また、立体感のある音声出力に対応するサウンドアプリ『DTS Audio Processing』に対応しました。臨場感のあるサウンドで発話内容を聞き取りながらWeb会議に参加できます。約200万画素のWebカメラを搭載しているため、Web会議の相手の表情を高精細に捉えたビデオ通話も可能です」(荻野氏)

Dell Technologies

カメラシャッター+スマホ連携

Inspiron 13は狭額縁化したことでQHD+モニターを広く使える。

 デル・テクノロジーズ コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部の田尻祥一氏は、同社の提供する「Inspiron 13」について「ユーザーの生活にど真ん中なPC」だとアピールする。「お薦めする理由は大きく分けて三つあります。一つ目は、4辺のベゼルが薄い点です。狭額縁化したことで、QHD+のモニターの作業領域を広く確保できます。二つ目は、Inspiron 13の細いベゼルの中にカメラを搭載し、その部分に物理的なプライバシーシャッターを設けた点です。メニューからカメラのオンオフを行う場合、Web会議の前後に誤動作が起きて意図しない映像が流出してしまうケースもあり得ますが、物理シャッターでそうした事態も防げます」

デル・テクノロジーズ
コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部
本部長
田尻祥一 氏

 三つ目の特長として、同社が以前から提供しているモバイル連携ソフトウェア「Dell Mobile Connect」を実装した点があるという。田尻氏は、本機能の必要性を次のように提唱する。「オンライン化が進んだ新しい生活スタイルの中では、新たな弊害も発生し得ます。例えば、Teamsで会議している時、スマートフォンに緊急の電話がかかってきても気が付かず、対応できない可能性があります。気が付いたとしても、一度会議を退席してイヤホンを取って電話に出るまでに電話が切れてしまうリスクもあります。非対面のコミュニケーションでビジネスを進めていく中では、こうした二度手間も改善していきたいところです。Dell Mobile Connectでは、スマートフォンへの着信通知などをInspiron 13に転送できるので、マイクをオフして、通知をクリックすれば電話を受けられます」

HP

セキュリティ重視の3in1 PC

事務作業や描画・動画制作に最適なHP ENVY x360 13-bd。

 日本HP パーソナルシステムズ事業本部の沼田綾子氏は冬商戦向けのコンバーチブルPC「HP ENVY x360 13-bd」のポイントについて同社ブランド「ENVY」のコンセプトを紹介しつつ次のように説明する。「ENVYは、上品なゴールドの色味を採用したスタイリッシュな13インチノートPCで、Windows 11搭載PCもその特長を踏襲しています。コロナ禍でノートPCが生活に不可欠となる中で、当社はユーザーの生活に寄り添って、安心して使えるノートPCを目指しました。一つ目の特長としては、コンバーチブルという点があります。通常のPCスタイルでの仕事や自宅での勉強にはもちろん、タブレットスタイルで操作するなど好きな形態で使えます。ペンもセットで提供していますので、描画やメモ取りなど多くの用途に対応します」

日本HP
パーソナルシステムズ事業本部
コンシューマービジネス本部長
沼田綾子 氏

 また、出先での利用を想定したセキュリティ機能も紹介した。「ボタン一つでパッとフィルターがかかり、正面のユーザーだけがモニターを閲覧できる『のぞき見防止機能』を搭載したため、出先で利用する際の周りからの盗み見を防げます。また、マスク装着時にPCを利用する際も、指紋認証によってマスクを外さずパスワードレスでスムーズにログインできます」(沼田氏)

 動画制作などクリエイティブソフトは少々価格が高く、導入に不安を抱えるケースも想定される。沼田氏は、「アドビのIllustratorやPhotoshop、Premiere Proなどを備える『Adobe Creative Cloud』の1ヶ月間の無料トライアルも付属しているので、じっくりソフトを試用してから導入を検討できます」とメリットを語った。

FUJITSU

軽量さと使いやすさを追求

カーボンで軽量化&端子の充実を図ったFMV LIFEBOOK UH90/F3。

 富士通クライアントコンピューティング コンシューマ事業本部の高嶋敏久氏は、モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK UH90/F3」について次のように説明する。「Windows 11モデルであるFMV LIFEBOOK UH90/F3は、軽さを追求しながら使いやすさを諦めないという、当社が目指す『人に寄り添うものづくり』に基づいて設計しました。例えば、筐体にカーボンを採用し、極限まで重量を削減しました。重量は818gと軽量ながら、22.5時間の長時間駆動に対応しております。各種インターフェースの搭載も妥協せず、USB端子から有線LAN、SDカードスロットなどを豊富に搭載しました」

 また、オンラインコミュニケーションの利便性を高めるアプリケーションも備えていると高嶋氏はアピールする。

富士通クライアントコンピューティング
執行役員
コンシューマ事業本部 副本部長
高嶋敏久 氏

 「一つ目は、独自のAIエンジンによってテレビやキーボードを叩く音など、周囲のささいなノイズを分析して自動的に削除する『AIノイズキャンセリング』機能です。これにより、周囲やユーザー自身から発生するノイズを気にせずにオンラインコミュニケーションが実現できます」(高嶋氏)

 また、オンラインでコミュニケーションをとる際の資料共有に役立つ機能も備えるという。「二つ目はノートPCに内蔵したカメラとスマホカメラを連携して高画質なカメラを活用することが可能な『スマホカメラ転送』機能です。例えば、オンライン授業などで手元の資料を即時に共有したい場合、PCのカメラでは画質が低くすぐに資料を共有できない可能性があります。本機能では、画質の高いスマートフォンのカメラに資料を映せば素早くコンテンツの共有が行えます。これらのアプリケーションによって、FMV LIFEBOOK UH90/F3は快適なノートPCライフをサポートします」

NEC × lenovo

高音質PC&取り外し可能なファーストPC

Web会議をより快適にする機能を備えたLAVIE N14。
Lenovo IdeaPad Duet 350iは柔軟に活用できる2in1型だ。

 NECレノボ・ジャパングループ コンシューマ事業の河島良輔氏は、14インチノートPCの「NEC LAVIE N14」シリーズを紹介した。「14インチノートPCは法人市場では主流ですが、コンシューマー市場ではあまり普及していません。しかし、ステイホームやオンライン授業が増え、LAVIEのターゲット層に含まれる個人市場でも今後主流になることが見込まれています。一番のこだわりはWeb会議上の通話相手と自分の音声が均等に聞こえる『ミーティング機能』です。さらに、周囲の雑音を遮断して音声を聞こえやすくする『ノイズサプレッサー』やWeb会議を行っている室内の残響を抑える『ルームエコー抑制』といった機能により、快適なWeb会議を行えます。また、PCを開くとキーボードがせり上がる『リフトアップヒンジ』も従来製品から継承しました」

NECレノボ・ジャパングループ
コンシューマ事業
プレジデント
河島良輔 氏

 続いて、レノボ・ジャパンの「Lenovo IdeaPad Duet 350i」を河島氏は次のように紹介した。「Lenovo IdeaPad Duet 350iは、児童や学生が一番初めに使うPCとして価格が手頃でかつ学習に必要な機能をそろえている10.3インチのコンパクトな2in1PCです。モニターとキーボードが外せるデタッチャブル型で、モニターはマルチタッチに対応しています。キーボードはBluetooth接続で利用できるため、ほかのタブレットに接続するなど利用スタイルの自由度も高い点が特長です。インターフェースにはPower Delivery対応のUSB Type-Cなどを備え、外部モニターとの接続が可能です。ユーザビリティを追求した本製品は、児童・学生が『マイファーストPC』として使い始めやすいPCとして提案できます」

Win11 NEWS

ベネッセと教育向けイベントを実施

 オンラインブリーフィングの最後に、竹内氏はマイクロソフトの教育向けの取り組みについて説明した。「国内では、児童生徒1人1台による学校でのデバイス活用が進んでいます。当社としても未来を担う子供たちが最新のWindows 11を手にすることで、より多くのことを達成することを期待しております。より多くの子供たちにWindows 11搭載PCを使ってもらうため、ベネッセさまと協業して教育向けのデジタルイベントを二つ開催しました。一つ目は、東大クイズ王の鶴崎修功さん、林 輝幸さんを講師に迎えた『こども大学』というセミナーを実施しております(画像:左)。PC利用の楽しさや将来に向けてPCなどがどのように役立つかを分かりやすく学べるイベントです。二つ目は、進研ゼミのバーチャルティーチャーである『なるり先生』と一緒にPCを使ってオリジナル楽曲、ミュージックビデオを作るワークショップ『なるり Music Video 作らナイト』です(画像:右)。今後も、教育分野のデジタルトランスフォーメーションをマイクロソフトだけでなくパートナーの皆さまと一緒に促進していきます」