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山梨のCATV局がAWSとオンプレミスをAWS Direct Connectでセキュアに接続

山梨のCATV局がAWSとオンプレミスをAWS Direct Connectでセキュアに接続

2021年11月02日更新

AWSとオンプレミスをAWS Direct Connectでセキュアに接続

山梨県のケーブルテレビ局である日本ネットワークサービス(NNS)では提供サービスの充実とともに、請求書の内訳が分かりづらいという意見が利用者から届くようになった。そこで利用者が自身で請求書の明細内容を確認できる「マイページ」の提供を検討し、AWSを利用してシステムを構築。さらにグループ企業のウインテックコミュニケーションズのデータセンターとAWS Direct Connectで接続し、セキュアな利用環境も実現した。

多種多様なサービスの利用状況を
確認できるマイページを提供する

日本ネットワークサービス
技術局情報ネットワーク室
副室長
林本雅之氏

 1970年に民間第1号のケーブルテレビ局として開局した日本ネットワークサービス(NNS)は、約18万世帯の加入者にテレビ番組の配信だけではなくインターネット接続サービスや光電話サービスなど多種多様なサービスを提供している。同社で技術局情報ネットワーク室の副室長を務める林本雅之氏は「提供サービスが増えた結果、お客さまから請求内容の内訳が分かりづらいというご意見をいただくようになりました。そこで請求書の明細内容をお客さま自身で確認できる『マイページ』をインターネットのWebサイトから提供することを検討しました」と説明する。

 NNSの顧客管理システムは同社のデータセンター内の、外部から隔離されたセキュアな閉域エリアにオンプレミスで構築されている。林本氏は「マイページはお客さまの個人情報を扱うシステムになるため閉域エリアの外側に構築する必要があり、それならばクラウドの利用も検討すべきだと考えました」と当時を振り返る。

 マイページの開発・構築は顧客管理システムを開発・構築した山梨ニューメディアセンターに依頼した。NNSは山梨日日新聞や山梨放送を中核とする総合情報メディアグループである山日YBSグループに参加しており、山梨ニューメディアセンターも同じグループでICT部門を担当する企業だ。

 NNSの林本氏からの相談を受けた山梨ニューメディアセンター 開発局開発部 副部長 日沼克彦氏はクラウドを利用するメリットについて意見が一致し、セキュリティの観点から国内で実績が豊富ないくつかのサービスを比較してAWSの導入に向けて準備を進め始めた。

AWSと外部をセキュアに接続する
AWS Direct Connectで付加価値を提供

山梨ニューメディアセンター
開発局開発部
副部長
日沼克彦氏

 AWSを選択した理由について日沼氏は「当社にAWSを提供した実績があり、開発中でもストレージやコンピュートリソースを増やすといった構成変更が容易に行えるなど、サービスの拡張性や柔軟性が高く、操作も容易で社内でも評価が高かったことが挙げられます。さらにリージョンやアベイラビリティーゾーン(AZ)で構成されたデータセンターおよびサービスの信頼性やセキュリティの高さも評価しています」と説明する。

 NNSのマイページをAWSに構築することを決めた両社だが、一つだけ検討事項が残っていた。それはAWS上に構築するマイページのシステムと、NNSのデータセンター内の閉域エリアで運用されているデータベースをいかにセキュアに接続するかという課題だった。

 ところで山日YBSグループにはICTインフラサービスを提供するウインテックコミュニケーションズも参加している。同社はIX(Internet Exchange)を運用してトランジットサービス(相互接続サービス)を提供するほか、山梨県内の自治体、大学などに自社のデータセンターで各種サービスを提供している。

 同社のデータセンターは甲府リージョンと東京リージョンを大容量の専用線で冗長構成によって接続しており、このセキュアな利用環境を活用して、需要が急増しているAWSを利用したビジネスの展開を検討していた。

 そして同社は東京リージョンとAWSを専用ネットワークで接続する「AWS Direct Connect」の接続を検討した。さらに同社を担当するダイワボウ情報システム(DIS)の甲府支店の担当者から、DISとAWSがパートナーシップを締結し、AWSのサービスをDISから仕入れて再販できることを知らされた。

ウインテックコミュニケーションズ
営業・サポートグループ
シニアマネジャー
田丸淳一氏

ウインテックコミュニケーションズ 営業・サポートグループ シニアマネジャー 田丸淳一氏は「AWSのさまざまなサービスとセキュアなネットワーク接続サービスを組み合わせた、付加価値の高いビジネスが展開できます。しかもAWSの各種サービスのサポートをDISから受けられることと、サービスの契約や請求に関する事務手続きをDISのiKAZUCHI(雷)で効率よく行えることで、AWSビジネスの成長に大きな可能性を感じました」と強調する。

セキュアな利用環境を活用して
自治体や学校にクラウド移行を提案

 ウインテックコミュニケーションズがDISと協業してAWSビジネスの拡大を進める中、偶然にもNNSと山梨ニューメディアセンターの両社が相談に訪れた。そしてAWSに構築されたマイページシステムは、Amazon VPC(Virtual Private Cloud)からAWS Direct Connectでウインテックコミュニケーションズの東京リージョンに接続し、さらに専用線を通じて甲府リージョンを経由してNNSのデータセンターの閉域エリアのデータベースとセキュアに接続できる環境が提供され、両社の課題は一気に解決した。

 現在、この環境を利用してNNSのマイページサービスが提供されている。林本氏は「AWSを閉域エリアで利用しているかのようなセキュアな環境が実現でき、今後はAWSのさまざまなサービスを利用して社内の業務システムを順次クラウド化したいと考えています」と今後の構想を語る。

ウインテックコミュニケーションズ
営業・サポートグループ
グループマネジャー
加賀爪 真氏

さらにウインテックコミュニケーションズ 営業・サポートグループ グループマネジャー 加賀爪 真氏は「既存のお客さまである山梨県内の自治体さまではクラウド利用が推奨されており、今回のAWSとのセキュアな接続環境を利用すればAWSのさまざまなサービスが有利に提案できます。さらに学校さまでもクラウド利用が推奨されており、SINETが小・中・高等学校にも接続されるとAWSの商機が拡大すると期待しています。企業さまではテレワークの安全性が課題となっており、AWSの仮想デスクトップサービスであるAmazon WorkSpacesの商機に期待しています」と意欲を語る。

Company Profile

ウインテックコミュニケーションズ
https://www.wintech.ad.jp/
本社:山梨県甲府市北口2-6-10
設立:1996年9月
社員数:14名 ※2021年4月1日時点

日本ネットワークサービス
https://www.nns-catv.co.jp/
本社:山梨県甲府市富士見1-4-24
設立:1970年2月
社員数:163名 ※2021年4月1日時点

山梨ニューメディアセンター
https://www.y-nmc.jp/
本社:山梨県甲府市北口2-6-10
設立:2005年4月(山梨文化会館ニューメディアセンター局から分社独立)
社員数:48名 ※2021年4月1日時点

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