Web会議疲れを解消する
耳に優しいウェアラブルスピーカー

MM-SPBT4BK

サンワサプライが提供するBluetoothネックスピーカー「MM-SPBT4BK」は、音を「身に着ける」をコンセプトとしたウェアラブルデバイス」だ。首にかけて利用するため、イヤホンやヘッドホンとは異なる聞き心地になる。日々のWeb会議で左右両方を塞ぎがちの耳には、優しく利便性の高いスピーカーと言えるだろう。実機を借りて、着け心地と聞き心地を確かめてみた。
text by 森村恵一

首にかける軽量スピーカー

 MM-SPBT4BKは、Bluetooth 5.0対応のウェアラブルネックスピーカーで、首にかけて利用できる。充電はUSBケーブルで可能だ。

 MM-SPBT4BKは、セットアップから利用までがとても簡単だ。MM-SPBT4BKの電源を入れ、ノートPCなど接続する端末のBluetoothの検索モードをオンにして、MM-SPBT4BKの名称が表示されたスピーカーをペアリングすればいい。接続が確認できたら、あとは首にかければ音声や音楽などを再生できる。1.2インチの密閉型フルレンジスピーカーの出力は、左右1.5Wずつの3Wだ。無(全)指向性マイクも内蔵されているので、電話やWeb会議ツールなど双方向での会話もできる。

 本体の右側には、電源ボタンと音量ボタンを備えている。再生ボタンは、microSDカードによる音楽再生に役立つ。MP3音源を保存したmicroSDカードを本体に差し込むと収録されている音楽を再生でき、MM-SPBT4BKをMP3プレイヤーとしても活用できる。

 本体の中央部はシリコン製の伸縮素材になっていて、左右に広げられるので装着しやすい。プラスチック素材のようなゴツゴツした固い感触ではなく柔らかい着け心地だ。本体重量は約190gと軽量なため、長時間装着していても負担にならない。

ネック部分はしなやかに動かせるので装着がしやすい。
USBケーブルで充電が可能だ。
起動や音量調節などを手元で操作できる。

耳を塞がない自然な音声

 MM-SPBT4BKを実際に装着して音楽を再生してみると、スピーカーを耳元に置いているような自然な聞き心地だった。イヤホンやヘッドホンの場合、物理的に耳を塞ぐため周りの音を遮断してしまう。しかし、MM-SPBT4BKは、スピーカーで音を聞くのと同様に周囲の音が耳に届く環境でWeb会議や音楽再生ができる。音声や音楽が耳に的確に届くように、スピーカーの位置や角度を内向きに設計しているため、小さな音量でもクリアに聞き取れるのも魅力だ。

 毎日のリモートワークで、遮音性の高いヘッドホンやイヤホンを着け続けていると、外耳炎になったり首や肩に疲労を感じる人も多いと聞く。MM-SPBT4BKならば肩の上で利用するため、イヤホンやヘッドホンに比べて耳への負担が少なく、長時間でも活用できるという。

 また、周りの音を遮断しないので、ながら作業がしやすいといった利点もある。Web会議の議題によっては、聞き流すだけでいい場合もある。そうしたWeb会議にMM-SPBT4BKを使うと、Web会議を聞きながら仕事を進めるなど複数のタスクも同時進行しやすくなる。

 もちろん、マイクも搭載しているので会話にもすぐに参加可能だ。リモートワークの長期化を考えると、手元に1台あると便利だろう。

新しい通話スタイルの提案

ウェアラブルネックスピーカーというガジェットは、それほど新しい存在ではない。数年前から、オーディオマニアを中心に需要はあった。しかし、すでにウェアラブルネックスピーカーを使っている人ほど、その利用を否定的に捉えている。

 何故だろうか。その理由は、初期のウェアラブルネックスピーカーにあった。例えば、4年前に登場したウェアラブルネックスピーカーは、スピーカーの出力が1W + 1Wで、重さは約335gあった。小型なスピーカーを肩に乗せているような感覚だったため、長時間のテレワークなどには向かない面もあったのだ。こうした旧製品をすでに体験しているユーザーは、ウェアラブルネックスピーカーではWeb会議をこなすのが難しいと結論づけてしまう場合が多い。

 そうした誤解を解いてくれるのが、MM-SPBT4BKの軽さと聞き心地になる。「イヤホンにはない解放感とスピーカー以上の臨場感」と表現されるMM-SPBT4BKの「音」は、日常的な通話や会話に適している。もちろん、microSDを入れてオーディオ機器としての利用もできるが、テレワークでの利用を中心に考えると、会話ときどき音楽、という使い方が予想される。

 誌面でMM-SPBT4BKの軽さや聞き心地の良さを完全に伝えきるのは難しいが、ニューノーマルを見据えた新しい通話スタイルを推進するガジェットになり得るだろう。軽量で疲れないウェアラブルネックスピーカーは、新しいコミュニケーション用ガジェットとして、注目と提案に値する。