今回は、磁石で取り付けるタイプのモバイルバッテリーを紹介する。ケーブル不要で荷物が減るだけでなく、取り付けたままでも使いやすいメリットがある。iPhone以外でも利用可能なので詳しく紹介していく。

ややこしい充電規格

 スマホのバッテリー容量は年々増加しており、昨今では5,000mAh程度は普通になってきた。また、各メーカーは消費電力を下げる工夫を重ねていて、長時間駆動するモデルが増えてきている。

 とはいえ、実際に使っていると、バッテリー駆動時間に不満を覚えることは少なくないだろう。朝フル充電の状態で家を出て、夜自宅に帰るまで持たないケースもある。会社のスマホを使うとしても、出社後から終業時間まで持たないケースもある。
 仕事中にスマホをほとんど触れない事務職ならバッテリーは持つはずだ。ところが、日中も頻繁にメールをチェックしたり、情報を調べたりする営業職では持たないことが多そうだ。

 個人の利用でも、休日に1日中外出していたり、旅行先で長時間利用していたりすると充電が足りなくなる。

 そこで、モバイルバッテリーを持ち歩くことになるわけだが、おすすめなのは、磁石で取り付けるタイプの製品だ。

 今回は、ベルキンの「Magnetic Power Bank with Qi2 15W 10K」とエレコム「DE-C67-10000BK」を例として取り上げる。

 磁石で取り付けられるモバイルバッテリーの規格はややこしい。そもそも、このスタイルで先行したiPhoneは、MagSafeを採用している。また、Androidスマホは、汎用的な規格としてQiを採用している。そもそもQiはワイヤレス充電の規格で、最初は充電パッドに採用されていた。

 その後規格が進化し、Qi 2では、マグネットによる位置合わせができるようになった。

 ややこしいのだが、iPhoneもQi 2対応のバッテリーや充電器でワイヤレス充電可能だ。もちろん、磁石で取り付けることもできる。

 Qi対応のワイヤレス充電の出力にはいくつかの種類がある。現在主流なのは最大15Wのタイプで、多くの製品が対応する。また、少し前の規格で7.5W充電に対応した製品もある。さらに、最新規格では25Wの充電となる。

 現在選ぶなら、15Wでいいだろう。25W充電が最新規格だが、スマホ側の対応がまだ進んでいない。対応しているのは、iPhone 12以降のモデル(iOS 17.4以降)、Pixel 10シリーズのみとなる。

 ちなみに、今回取り上げた2モデルは15W充電対応だ。実際に使ってみると、15Wでも十分だと感じるだろう。

 磁石取り付けタイプのバッテリーは、スマホの背中に取り付けた状態で利用することが多くなる。つまり、充電しながら使うのが簡単なのだ。ケーブルで接続するバッテリーだと、小型モデルだとしても取り回しが良くないので、充電が終わってから使おうと思う場面も多いだろう。

 つまり、バッテリーが不足したら、背面にピタッと取り付けてそのまま使い続けられる。15Wで充電していれば、使い続けてもバッテリーが減ることは少ないので、困らないわけだ。

Magnetic Power Bank with Qi2 15W 10K(左)は、つや消しの白で高級感がある。DE-C67-10000BK(右)は、シンプルな黒のつや消し仕上げだ。
どちらもiPhoneの背面に取り付けられる。Androidスマートフォンは対応するケースを利用することで、磁石による取り付けが可能になる。
どちらのモデルもケーブルでも充電可能だ。

容量に注意

 今回紹介する2モデルはどちらも、10,000m Ahの大容量モデルだ。スマホのバッテリー容量は4,000〜5,000mAh程度が多い。そう考えると、2回以上充電できそうに思えるのだが、実際は、6〜7割程度の充電と考えるのが妥当だ。つまり、10,000mAhのモバイルバッテリーなら、スマホのバッテリー容量として6,000〜7,000mAh程度の充電ができると考えたい。つまり、5,000mAhのスマホなら、1.2〜1.4回程度の充電になるわけだ。DE-C67-10000BKの場合は、iPhone SE(第3世代)なら、約2.9回、iPhone 16は約1.6回、Google Pixel 9は約1.2回の充電に対応するという。GooglePixel 9のバッテリー容量は4,700mAhだ。5,000mAhの機種ならもう少し充電できる回数が減り、1.1回程度になるわけだ。

 実際に手にすると、10,000mAhのモバイルバッテリーは結構重い。

 DE-C67-10000BKはカタログ値で約210gで、Magnetic Power Bank with Qi2 15W 10Kは約223gだ。つまり、スマホ1台くらいの重さがあるので、ソコソコ負担になる。

 もし、スマホのバッテリーの50%程度を補完できれば良いなら、5,000mAhのモデルが頃合いだろう。他にも、8,000mAhのモデルなども登場しているので、自分の用途に合った容量を選んでほしい。

Magnetic Power Bank with Qi2 15W 10K(左)は221g。DE-C67-10000BK(右)は207g(いずれも実測値)だ。
Magnetic Power Bank with Qi2 15W 10Kは、スタンドを内蔵しており、スマホを立てて使える。バッテリーを充電器につないで、ワイヤレス充電パッドのようにも使える。

スタンドとして使える

 Magnetic Power Bank with Qi2 15W 10Kは、折りたたみ式のスタンドが付いている。スマホに取り付けた状態でテーブルの上などに立てられるので、長時間動画を見たいときなどに便利だ。

 また、DE-C67-10000BKは、USB Type-C端子とUSB Type-A端子の2ポートを備える。両方を使ってケーブルで充電すると合計15Wの出力となる。

 また、自宅や会社では、バッテリー自体に充電をしながらスマホにワイヤレス充電できる。ワイヤレス充電パッドのように使えるのだ。

 今回紹介の2製品は、ランプの点灯でバッテリーの残量が分かる。一部の最新モデルは、残量を表示するディスプレイを搭載しており100%で把握できるので、そのスタイルも便利だ。

 磁石で取り付けるタイプのバッテリーはiPhoneなら問題なく快適に利用できる。Androidスマホは、スマホ自体に磁石で取り付ける機能がない。磁石のリングが内蔵されているスマホケースを使うか、スマホケースに磁石のリングを貼り付けることで、バッテリーが取り付けられるようになる。

 使い慣れると、磁石取り付け型バッテリーは大変に便利なので、ぜひ使ってみたい。