【特集】パートナー認定プログラム
民間と文教双方の特需に応える二つのパートナー制度

2025年10月14日のWindows 10のEOS(サポート終了)まで1年を切った。このEOSを契機としたWindow 11へのリプレースに向けて、今後PCの出荷量は3倍以上に増え、その出荷台数は2,000万台に上ると予想されている。また、NEXT GIGAでは900万台のデバイスが入れ替えられる予想だ。日本マイクロソフトでは、デバイスの展開や運用といったノウハウを提供できる販売パートナーの認定プログラムを提供することで、今後の特需に向けた体制構築を進めている。

モダンIT管理を提案できるパートナーを認定するプログラム

日本マイクロソフト
デバイスパートナーセールス事業本部
マーケティング戦略本部
デバイスマーケティングマネージャー
野添 紗椰

 第1期GIGAスクールで一気に進んだ1人1台の端末環境。一方で、急速に進んだ端末整備により深刻化したのが人材不足だった。日本マイクロソフトは、この反省を生かしNEXT GIGAと呼ばれる第2期GIGA スクールと、今後迫るWindows 10 EOSに向けたリプレース需要に備え、二つの認定プログラムを用意した。

 一つ目は、「Microsoft Intune」(以下、Intune)を活用したCloud経由でのデバイス運用提案や、「Windows Autopilot」(以下、Autopilot)を活用したゼロタッチ導入や展開を行うノウハウを有する「ゼロタッチデバイス管理パートナー」。二つ目は、学校環境に特化したモダンIT管理やゼロタッチ運用を提案できる「GIGAソリューションパートナー」だ。ゼロタッチデバイス管理パートナーは民間企業と文教市場を含めたモダンIT管理のノウハウを有するパートナーの認定プログラムであり、GIGAソリューションパートナーはそのノウハウにプラスして、学校環境に特化したモダンIT管理や運用を提案できるパートナーを認定するプログラムになっている。認定を受けるための要件は図1を参照してほしい。

 日本マイクロソフト デバイスパートナーセールス事業本部 マーケティング戦略本部 デバイスマーケティングマネージャー 野添紗椰氏はそれぞれの認定プログラムを取得する流れについて「まずは社内で、この認定に応募したいか十分に検討いただければと思います」と前置きした上で、ゼロタッチデバイス管理パートナー認定プログラムの流れを次のように説明した。

■ゼロタッチデバイス管理パートナー認定プログラムの流れ
1.マイクロソフトのゼロタッチIntune / Autopilot 紹介オンデマンド Webセミナー受講(約90分)
2.フォームから必要事項を記入し申し込み
3.エディフィストラーニングによるゼロタッチ認定トレーニング受講
4.エンドポイント管理者認定資格MD-102取得のための解説動画視聴(7時間)※
5.エンドポイント管理者認定資格MD-102取得
6.事務局に必要事項をメールで連絡の上認定
※必須ではないが資格受験勉強のための推奨項目

 これらの認定フローのポイントとして野添氏は「ダイワボウ情報システム(DIS)さまからご提供いただいたエディフィストラーニングさまによる研修が受講できる点です。Autopilotなどを実際に触ったことがないパートナー企業さまに対して、実際に手を動かして学んでいただくゼロタッチ認定トレーニングを提供しています。またこの認定トレーニングは、すでにAutopilotによる導入支援を行ったことのあるパートナーさまはスキップが可能です。MD-102というエンドポイント管理者の認定は結構難しい内容ですが、エディフィストラーニングさまから虎の巻のような試験対策講座を提供いただいています。Microsoft製品の技術やスキルをセルフラーニングできる『Microsoft Learn』と組み合わせて自己学習することで、合格率を向上できると好評です」と語る。なお、MD-102は9月17日に英語版の試験が更新されており、日本語版の試験も約8週間後となる11月中旬に更新予定だ。サービス終了となった製品やテクノロジーを削除し、Intuneクラウド管理にフォーカスした内容に変更される予定であり、更新に合わせて試験対策講座もアップデートされる。

図1.二つのパートナー制度の認定要件

学校環境に特化した運用ノウハウを身に付ける

 ゼロタッチデバイス管理パートナーに認定されたパートナー企業は、次のステップとして、GIGAソリューションパートナーの認定に進める。

■GIGAソリューションパートナー認定プログラムの流れ
1. GIGAソリューションパートナー向けWebセミナー受講(約90分)
2.自己学習トレーニング(ハンズオンを含めた課題提出あり)
3.事務局に必要事項をメールで連絡の上認定

 野添氏は「ゼロタッチデバイス管理パートナーでもIntuneについて学びますが、学校環境に特化した『Intune for Education』はよりシンプルなUIで、生徒や教員のデバイスのセットアップや管理を行えます。自己学習トレーニングではこうした学校環境に特化したトレーニングを、実際にMicrosoft 365 Educationのテナントを作成して学びます。デバイスの展開や運用管理を手を動かして学んでいただくことで、現地にエンジニアが出向いて作業を行う負担やコストを減らせます。これにより、エンジニアの働き方改革はもちろん、営業面でもその分の見積金額を下げられるというコストメリットを得られます。また『Learning Accelerators』をはじめとしたAIを含めたマイクロソフトの最新教育ソリューションの提案が行えるようになりますので、先生方の授業の提案を含んだ幅広い提案ができるようになった、といううれしい声もいただいています」と語る。

 これらのゼロタッチデバイス管理パートナーおよびGIGAソリューションパートナーは、認定されると認定パートナー検索サイト(https://aka.ms/certified-reseller)に掲載される。本サイトでは、認定技術者が在籍している認定パートナーの検索が可能で、エンドユーザーが信頼できる販売パートナーを探す際に役立てられている。

未来を見据えた整備を進めるパートナー企業を全国に増やす

 認定後のサポートも充実している。認定パートナーが参加できるTeamsのチームから、常に最新情報を発信することに加えて、定期的なWebセミナーも開催している。またパートナー限定のイベントの開催も予定しており、疑問点を解消しやすいコミュニティ作りを進めていく予定だ。

 GIGAソリューションパートナーの認定資格を取得したパートナーは、「GIGAモダンマネージメントインセンティブプログラム」に参加しインセンティブを受けることも可能だ。インセンティブ対象となるのは第2期GIGAスクールの補助金で購入されるWindows PCの販売台数(Surfaceを除く)を対象とした「デバイスインセンティブ」に加え、これらのデバイスの内Intuneに登録・管理設定した台数を対象とした「Intuneインセンティブ」だ。Intuneインセンティブは初回GIGAから登録台数増加分のみが対象となる。

iDATEN(韋駄天)内のゼロタッチ特集ページでも認定プログラムについて紹介中!
iDATEN(韋駄天) ゼロタッチデバイス管理パートナー認定取得支援プログラム

 野添氏は「Windows 10 EOSとNEXT GIGAという二大需要に向けて今回の認定プログラムを活用いただき、販売パートナーさまのビジネスチャンス拡大に寄与できればと考えております。また、目先の需要のみならずAutopilotやIntuneによるモダンIT管理が一般的な形になることで、働き方改革も進んでいくでしょう。導入して終わりではなく、未来を見据えた整備を進めていけるパートナーさまを全国に増やすことが私の目標です」と力強く語った。

日本マイクロソフトはクラブ活動が盛んで、私は軽音部に所属しています。現在、女性6人で構成された当社初のガールズバンドでボーカルとして活動しています。10月に四ッ谷のライブハウスでライブも行いました。生のバンド演奏で歌うことも楽しいですし、現在4歳の子供も観客としてライブに来てくれて「ライブのママ、かっこいい」と言ってくれることがうれしいです。