SLM(小規模言語モデル)
SLM(小規模言語モデル)とは「Small Language Model」の略称で、データ学習数やパラメータ数が少ない軽量なAIモデルを指す。パラメータ数はLLM(Large Language Model/大規模言語モデル)より少ないものの、医療や法律、金融など特定の分野に特化した言語モデルで、各分野の事例など専門知識が豊富。
SLMはLLMに比べてGPUの性能やエネルギー消費は低めで、短時間かつ低コストで開発・運用ができ、トレーニング時間も短い点が特徴。パラメータ数が少ない分、計算リソースの限られた環境でもスムーズに利用しやすい。性能が限られたパソコンやスマートフォンでも動作可能で、ローカルのPCでも無理なく起動できる。また、特定の分野や目的に絞って学習するため、ハルシネーションの防止にもつながる。
一方で、デメリットもある。SLMは特定の分野に特化したモデルのため、汎用的なタスクには向かない。LLMは専門知識がなくても簡単に利用できるが、SLMはデータサイエンスや業界の専門知識が求められることが多い。汎用性を求めるならLLM、専門分野で活用するならSLMを選ぶという使い分けが必要だろう。
(青木逸美)
