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Chromebookで個別最適化の英語の学びを実現した京都小中学校

Chromebookで個別最適化の英語の学びを実現した京都小中学校

2022年01月25日更新

GIGAスクール構想を契機とした端末導入で
生徒の習熟度に合わせた英語教育を実現

Case:京都教育大学附属京都小中学校

2017年4月1日より、国立大学の附属学校で最初の「義務教育学校」に移行した京都教育大学附属京都小中学校。9年間の教育の中で使用する端末として、同校が選択したのがデタッチャブルタイプの2in1Chromebookだった。その選定の理由と、導入により実現できた教育について取材した。

デジタル教材で洋書多読の学びを

 京都教育大学附属京都小中学校(以下、京都小中学校)の図書兼語学教室を訪れると、中学2年生にあたる8年生の生徒たちが英語の本を黙々と読み進めていた。紙の本を読んでいる生徒もいれば、Chromebookに表示された電子書籍を読んでいる生徒もいる。同校ではスカラスティックのデジタル教材「BOOKFLIX」「Literacy Pro LIBRARY」を導入し、洋書多読の学びを実践しているのだ。

 京都小中学校の英語教諭を務める今西竜也氏は「本校のChromebookはGIGAスクール構想を契機に2021年度から導入した端末です。この端末導入により、個別最適化の学びが一気に実現できました。例えば英語の授業では、毎時間授業の最初に5〜10分の読書タイムを設けています。以前は紙の書籍のみしかないため、複数の生徒が同じ本を借りられなかったり、興味関心や英語力に最適な書籍がなかったりしました。そこでChromebookでデジタル教材をサブスクリプション契約し、生徒個人の興味関心に基づいた洋書多読が実現できるようになったのです」と語る。

 授業では電子黒板なども活用し、直近のトピックスなどを英語の動画で再生して、その理解度を選択式に問題で測ったり、その授業で学んだ単語や文法をもとに生徒自身が文章を考え、それを読み上げて録音したデータを提出したりと、積極的なICT活用がなされている。メインで利用されているツールは、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」だ。2021年度からの端末活用ながら、その授業では驚くほどChromebookを使いこなし、学びに生かしていた。

「本校は小学校6年間と中学校3年間の学びを一体的に行う義務教育学校のため、端末選定で非常に悩みました。低学年の児童のことを考えると、直感的に操作できて使いやすいiPadが適していますが、高学年になるとキーボードなどが使えてより高度な活用ができるWindowsがよいと考えていました。しかし、各家庭に事前調査を行ったところ、多くの家庭でChromeブラウザーなどのGoogleサービスを利用していたこと、今後Webアプリの利用がスタンダードになっていくだろうことを考え、Chromebookを学習者用端末として選定しました」と語るのは、同校の教務主任・研究主任を務める野ヶ山康弘氏。

8年生の英語の授業。
授業の始めに5〜10分程度の読書タイムを設けており、生徒は自分の好きな英語の本を読む。
英語の本は、電子書籍(デジタル教材)でも、紙の書籍でもよく、生徒個人の習熟度と書籍の好みに合わせた読書で学べる。

録音機能で話す能力も測れる

 2020年度の時点で、グーグルから70台のChromebookを借り受け、教員が授業で使えるよう事前準備を行ったという。学習者用の端末は2020年度の冬休み明けから段階的に整備され、2021年4月から全校的にChromebookが整備された状態での学びがスタートした。

 ネットワーク環境もほぼゼロの状態から、校舎全域でWi-Fiがつながるように整備を行い、Chromebookで円滑に授業を実施できる環境を整えた。

 授業では、低学年ではロイロノート・スクールをメインに使用し、高学年ではグーグルの教育機関向けクラウドサービス「Google Workspace for Education」を使うケースが多いという。「生徒との相互でのやりとりにはロイロノート・スクール、レポート提出などはGoogle Workspace for Educationなど、用途や教員の判断でツールを使い分けています」と野ヶ山氏。

「英語の授業で言えば、音声を回収できるようになったことが端末導入の効果として大きいですね。話す能力を評価したい場合、授業時間の関係で以前であれば数人に発表してもらうことしかできませんでしたが、録音機能などを活用して、実際に英語を話してもらい、提出してもらった音声にフィードバックを返せるようになりました」と今西氏は喜びを語る。

 授業でChromebookを、あくまでノートや鉛筆のような文房具の一つとして取り扱い「必ず使わなくてはいけない」という意識はせずに、学びのシーンで必要に応じた活用を進めている。それだけに、今後は現在の学校からの端末貸与スタイルではなく、児童生徒の家庭が端末を購入し、学校の授業で活用するBYODスタイルにしていきたい思いがある。

 野ヶ山氏は「まだまだ検討段階ですが、BYOD端末はChromebookにそろえることで、管理を円滑に進めたいと考えています。ただ、Chromebookは現状Chrome OS上で使えるプログラミング学習向けのWebアプリが少ない印象です。今後は企業の方に協力してもらい、プログラミング教育向けのWebアプリ開発などに、連携して取り組んでほしいですね」と企業へのメッセージを送った。

京都小中学校が選定したChromebookは、レノボ・ジャパンの「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」。Surfaceのようにキーボードとタブレット本体が脱着する点に利便性を感じ、選定したという。
授業では選択式の問題で理解度を把握したり、録音機能を活用して話す力を測ったりと積極的に活用されている。

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