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行政DXを支援する日本マイクロソフトの取り組み

行政DXを支援する日本マイクロソフトの取り組み

2021年02月15日更新

デジタル庁の重点プロジェクト
行政DXの現場リポート

短期連載:1回目

Microsoft Cloudが支援する行政機関のデジタル変革

コロナ禍において、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は大きく進んだ。それは中央省庁や自治体などの行政機関も同様だ。2021年9月には、省庁を横断して社会全体のデジタル化を進めていくデジタル庁(仮称)の創設が予定されており、今後ますます行政のDXは進む。本連載では、そうした行政機関のDXをいち早く支援してきた日本マイクロソフトの取り組みから、行政DXの今をリポートしていく。

デジタル庁の創設で何が変わる?

 2020年9月に発足した菅義偉内閣。同内閣が看板政策として打ち出したのが、デジタル庁(仮称)の創設だ。社会全体のデジタル化を速やかに推進することを目的に、異例のスピードで設置が決まり、2021年9月1日の発足を予定している。

 その社会全体のデジタル化を進める上でまず取り組むべきが、行政機関のデジタル化だ。2020年12月25日に発表された「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」内のデジタル庁の業務においては「国の情報システムの基本的な方針の策定」や「全国規模のクラウド移行に向けた地方共通のデジタル基盤の企画や総合調整」などが含まれている。また、マイナンバー関連の企画立案を一元的に行う体制を構築すると同時に、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のマイナンバー関連業務に関する体制を抜本的に強化し、国民が行政手続きをオンラインでワンストップで行える環境を整えていく。

 これら行政機関のDXを、いち早く支援しているのが日本マイクロソフトだ。同社は2019年にデジタル・ガバメント統括本部を設立し、政府機関や自治体のDX推進をサポートしてきた。同社の行政デジタル変革戦略については2020年11月に報道関係者向けの戦略説明会が開催されており、本記事ではその内容を基に同社の行政DX支援について解説していく。

コロナ禍で進む行政DX

 日本マイクロソフトでは、過去1年間の取り組みの中で、行政機関の職員に対する勉強会や、海外エキスパート人材の配備と連携を行い、具体的な実行方法までの支援を実施している。特に行政がDXを推進するきっかけとなったのが、新型コロナウイルス対策だ。同社の業務執行役員でパブリックセクター事業本部 デジタル・ガバメント統括本部長の木村 靖氏は「当社では新型コロナウイルス対策として、自治体職員のテレワーク環境提供やWeb会議実施支援を進めてきました。また、新型コロナウイルス関連の市民向けサービスの開発が非常に短期間で求められ、アジャイル開発の技術支援も行いました。それらの取り組みの中から内閣官房や神戸市など、政府・行政機関との連携協定もいくつか締結されています」とその取り組みを振り返る。

 例えば内閣官房の事例では、2020年5月20日に新型コロナウイルス感染症対策推進室と「新型コロナウイルス感染症対策官民連携プロジェクト」の協定を締結している。新型コロナウイルス対策の関連業務におけるIT技術利用拡大の推進や、国民の不安を解消するための広報活動と現場機関との連携、チャットボット拡充支援などに取り組んでいる。

 神戸市では、新型コロナウイルス対策を契機とした「働き方改革」「スマートシティ実現に向けたデータ連携基盤の推進」「デジタル人材育成・交流」「子供や青少年の学びの支援」の計4項目において、2020年6月4日に日本マイクロソフトと包括連携協定を締結した。新型コロナウイルス対策としては、健康相談チャットボットや、新型コロナウイルス関連のダッシュボードの公開、特別定額給付金の申請状況等確認サービスなどのアプリケーションを、日本マイクロソフトの統合型クラウドサービス「Microsoft Power Platform」を活用して開発し、市民に提供している。

Azure Baseで地方と地方をつなぐ

 木村氏は「厚生労働省の『新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム』(HER-SYS)開発を、Microsoft Cloudをフル活用したアジャイル型開発とDevOpsの適用で行うなど、中央省庁のDXも本格化しています。今後求められるのはコロナ禍以前に戻さない行政デジタル変革です。当社では『オンラインでの行政へのアクセス』『縦割り行政打破のためのコラボレーション』『信頼されたセキュアな環境の提供』といった三つのソリューション分野に注力しており、SaaS、PaaS、IaaSの幅広いクラウドプラットフォームをニーズに合わせて提供していきます」と語る。

 これらの支援を進めていく中で、パートナーとの連携も不可欠となる。「注力分野において、パートナーとの連携施策を進めていきます」と木村氏。GitHubや地方のAzure Base Networkを通じた「GovTech」プログラムにより、パートナー間の協働活動の促進も進めていく。

 Azure Baseは、ニューノーマルを見据えた全ての組織・個人の新しい働き方、およびDXの実現を支援するプロジェクトで、代官山をフラッグシップとする物理拠点を全国に展開している。2021年春ごろまでを目処に全国12拠点と、インターネット上のAzure Base拠点「Virtual Azure Base」を稼働させる。「第1弾として、福岡市のLINE公式アカウントをモデルに、自治体による市民サービスに適した基本機能を全国の自治体が利用できる『LINE SMART CITY GovTechプログラム』のAzureへの実装をサポートします。今後もAzure Baseを通じて、地方と地方をつなぎ、行政DXを推進していきます」と木村氏。

 説明会では、平井卓也デジタル改革担当大臣による激励のビデオメッセージも公開された。平井大臣は「日本はコロナ禍の中で、従来のデジタル化の問題点が顕在化しています。2021年にデジタル庁がスタートする中で、学びながらDXを進めていきたい。これは国だけではできない取り組みですので、これまで培ってきたノウハウを企業の皆さまからご教授いただきながら、ともに日本のDXに取り組んでいきましょう」と、日本のデジタル変革に強い意欲を示した。2021年はIT化により、行政が大きく変化する年となりそうだ。

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