映像・クリエイティブ業など負荷の高いデータを扱う業務では、複数のメンバーで同時に共同作業を行うケースが多い。例えば、大容量の外付けHDDやファイル転送速度の速いポータブルSSDなどを保管場所とする選択肢があるが、複数のユーザーが同時にアクセスするような運用は難しい。また、ストレージの不具合などでデータが破損・消失するリスクもある。そこで、ストレスのないデータ運用の共同作業に役立つ、エレコムが取り扱うQNAPのオールフラッシュNAS「TS-H1277AFX/F」を提案したい。

重いデータの処理に対応

「TS-H1277AFX/F」は、AMD Ryzen 7 9000 シリーズプロセッサーを搭載したSATAオールフラッシュNASだ。SSDを搭載できるベイ数は12ベイとなっている。ZFSベースの「QuTS hero オペレーティングシステム」と組み合わせることで、高度なデータ整合性、システム信頼性、および高度なSSD最適化を実現する。

 標準で10GBASE-Tを2ポート装備し、さらに拡張ボードで25GbEにも対応できるので、大容量のファイルでも高速なデータ転送が可能だ。PCIe Gen 3の2倍のI/O性能を実現するPCIe Gen 4スロットを三つ備えており、多様な拡張オプションを提供する。例えば、10Gb/25GbEのネットワーク拡張カードを活用すれば、大容量ファイルへのアクセス、バックアップ、仮想化のための帯域幅を最大化し、SMBマルチチャンネル接続の集約を通じて転送速度をより向上させる。GPU拡張としてはグラフィックスカードを追加可能だ。ビデオ編集およびトランスコーディング機能を強化したり、GPUパススルー(VMがホストマシンのGPUを直接利用できる技術)を活用してVMのグラフィックス処理を高速化したりできる。

 低遅延の4K/8Kビデオ編集、ビジュアルエフェクト(VFX)ワークフロー、チームコラボレーション、大容量ファイル転送などの業務に役立つ。映像編集やクリエイティブ業務に適しており、クリエイターは技術的な障壁を気にすることなく、制作業務に集中できる。最大192GBをサポートするDDR5 ECCメモリーを搭載し、要求の厳しい作業負荷に対して優れた安定性を提供する。

 また、本製品はほぼ無音で動作する高度な冷却機能を備えており、気になる騒音を抑えながら効果的に冷却する。通常モードでのノイズが32dBA程だが、「スタンバイモード」のノイズは19dBA程に抑えられる。

データ移行も手厚くサポート

 データのバックアップ/リカバリーソリューションの「Hybrid Backup Sync」にも対応。本ソリューションを使用してTS-H1277AFX/Fをさまざまなクラウドサービスのクラウドストレージにバックアップすることで、安全で効率的なデータ管理を実現する。Hybrid Backup Syncはクラウドストレージだけでなく、同じQNAPのNASに対してバックアップやデータレプリケーション(一方向/双方向/アクティブ同期)の運用が行える。

 バックアップ/同期作業はわずか3ステップで作成する。ユーザーフレンドリーなWeb GUIを使って、データリカバリーが素早く容易に行える。障害が発生した際にはサービスのダウンタイムを最小限に抑えられる。

 データの安全性を確保する「3-2-1-1-0 バックアッププラン」にも対応している。バックアップジョブをスケジュールするだけで、以降の作業はHybrid Backup Sync側に任せられるのだ。

 負荷の多い業務やデータを抱える企業には、TS-H1277AFX/Fがお薦めだ。