人事労務業務のデジタル化と
人事データの可視化による組織改善を実現

入退社や年末調整などの手続きを紙で運用している企業はいまだに多く、工数削減やデータの一元化が喫緊の課題となっている。また労働人口の減少や採用単価の上昇により、優秀な人材の確保が難しくなる中で、人事データを統合的に管理し、マネジメントに生かす重要性がこれまで以上に高まっている。こうした背景の下で注目されているのが、SmartHRが提供するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」だ。

人的資本経営が求められる現在で
タレントマネジメント領域までカバー

 SmartHRが提供するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」は、紙中心で行われていた入社手続きや年末調整などの業務をデジタル化し、担当者のリソースを削減することからスタートしたソリューションだ。現在では、業務プロセスの中で自然に蓄積されるデータを人的資本として活用し、組織改善や経営判断につなげるタレントマネジメント領域までカバーするサービスへ進化している。

 SmartHR パートナービジネス事業本部 執行役員 事業本部長 瀬沼 悠氏は、SmartHRがタレントマネジメントまで領域を拡大した背景を次のように語る。「市場が成熟し、データの価値がより重視されるようになったためです。以前は効率化やペーパーレス化が中心でしたが、今は蓄積したデータを経営や事業にどう生かすかという、SaaS本来の価値が求められる段階に進んでいます。また、人的資本経営が社会全体で重要視され、上場企業を中心に対外的な評価軸になってきました。こうした市場ニーズと、SmartHRがこれまで蓄積してきたデータが非常にうまくマッチしたんですね。さらに少子高齢化により労働人口が減少する中で、限られたリソースを効率化し、一元管理されたデータをタレントマネジメントに生かして良い人材を確保・活用することが急務になっています。こうした変化も、領域を拡大した理由の一つです」

 SmartHRはこうした価値提供が評価され、サービス開始から10年で、導入社数は7万社に達した。加えて労務管理クラウド市場では、7年連続でシェアナンバーワンを維持している※。

日々の手続きを行うだけで
正確な人事データが蓄積される

パートナービジネス事業本部
執行役員
事業本部長
瀬沼 悠

 SmartHRが提供する機能は大きく二つに分けられる。一つが「SmartHR 労務管理」だ。この機能は、入社から退社までに発生する保険申請や給与関連手続き、年末調整など、どの企業にも共通する紙業務をデジタル化し、情報を一元管理するものだ。従来必要だった紙のやりとりが不要となり、担当者の負担軽減につながる。例えば入社手続きは、従業員がスマホ上で必要事項を入力するだけで完了し、紙の配布や回収、情報の再入力といった手間を省ける。年末調整も、アンケート形式で回答を進めるだけで完結できる。従業員の負担軽減と担当者への問い合わせ削減につながり、双方が本来の業務に集中できる環境を整えられるのだ。

 もう一つが「SmartHR タレントマネジメント」だ。従業員のスキル、評価、経歴などを可視化し、個人の感覚に頼らない配置判断や組織体制の構築を支援する。経営課題に応じた分析にも柔軟に対応し、離職率や男女比などの基本指標に加え、ハイパフォーマーの離職兆候の分析も行える。組織を可視化することで、制度面の不備や育成の課題を発見し、企業の健全化を促す機能だ。

 SmartHRの優位性として、自然とデータが集まる仕組みが挙げられる。ユーザーが日々の手続きを行うだけで正確な人事データが自動的に蓄積され、そのデータをタレントマネジメントなどの領域にそのまま活用できる。そもそも人事データの一元管理が行えている企業は多くなく、部門ごとにデータが分断されているケースが一般的だ。そのためタレントマネジメントツールの導入に際しては、まずデータを集め直すこと自体が大きな負荷になってしまう。しかしSmartHRでは、日常業務の中でデータが自然にそろっていくため、こうした初期負担を軽減可能だ。

 瀬沼氏は、ユーザーから寄せられる評価について次のように語る。「最も多くいただく声は『誰でも使いやすい』です。当社も使いやすさを最重要視して開発を進めています。7万社以上の導入企業さまから頂いたフィードバックを基に、UIはできるだけシンプルにしています。ITリテラシーは企業によってばらつきがありますし、業種や業界によっても差があります。ITリテラシーの高い人しか使えないサービスでは意味がないので、現場の方でも迷わず使えることを強く意識しています。さらにSmartHRでは、外国籍の従業員の方にも配慮し、『年末調整』などの情報入力画面の表示言語を、日本語と『やさしい日本語』のほかに七つの言語(英語・ベトナム語・韓国語・中国語簡体字・中国語繁体字・ポルトガル語・インドネシア語)から従業員自身が選択できる『多言語対応』機能を提供しています。やさしい日本語では、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解可能な『N3』レベルでも分かりやすい表現を用いることで、言語の壁を感じることなく利用できます。『いかに使いやすくし、働く人の負担を減らすか』にこだわってサービスを強化しています」

分かりやすいUI/UXを備え
ITが苦手な現場にも提案可能

 それでは、そうした特長を持つSmartHRを、販売パートナーはどのように提案するとよいのだろうか。「『人事労務は難しそう』『専門知識がないと提案しづらい』という声もありますが、もっとシンプルに捉えてほしいと思っています。専門的な法解釈を語る必要はありません。まず、どの企業にも共通するアナログ業務の苦労を、デジタルで解決する本質から入ることが大切です。例えば、郵送や回収、データの手入力といった、紙によって非効率になっている業務はどの企業にも存在します。こうした業務の負担を、クラウド化で大幅に削減可能な点を伝えることが重要です。また『ITが苦手な現場では使えないのでは?』という懸念に対しては、SmartHRの強みである使いやすさを示すとよいでしょう。デジタル化が進んだ後は、蓄積されたデータをどう生かすかという課題が出てきます。日々の業務の中で従業員データが自然と蓄積するSmartHRを活用すれば、ハイパフォーマーの離職兆候の分析や最適な人員配置など、経営に直結するタレントマネジメントを実現できるでしょう」と瀬沼氏は話す。

 続けて瀬沼氏は、今後の展望を次のように述べる。「SmartHRはこれまで人事労務・タレントマネジメント領域に注力してきましたが、昨年からは給与計算、勤怠管理、情報システム部門向けのID管理など、バックオフィス全体を効率化するサービスを提供しています。人事・給与・勤怠などの基幹業務をSmartHR一本でカバーすることで、正確なデータが自然に、かつリアルタイムに蓄積されます。このデータを一元管理することで、より精度の高いタレントマネジメントを実現できます。当社が最も大切にしているのは、使いやすさと分かりやすさです。この軸をぶらさず、バックオフィス全体の負担を減らす機能拡張を続けます」

 最後にダイワボウ情報システム(DIS)への期待について、瀬沼氏は次のように語った。「当社は東京のほか、大阪、名古屋、広島、福岡にも拠点があります。ですが、当社単独で全ての企業にサービスを届けるには力不足を感じています。この課題を解決するため、全国に販売網を持つDISさまとの連携に大きな期待を寄せています。また、製品の販売だけでなく、市場を共に創る姿勢を重視しています。共同プロモーションを通じて、多様な業種・規模のお客さまにSmartHRの価値を伝えていきたいです。まだ紙で運用している膨大な潜在顧客に対し、デジタル化の第一歩を提示し、日本全体のバックオフィスDXを加速させたいですね」


※出所:デロイト トーマツ ミック経済研究所「HRTechクラウド市場の実態と展望 2024年度版」労務管理クラウド市場・出荷金額(2024年度見込)