シンギュラリティ
シンギュラリティ(Singularity)とは、AI(人工知能)が人間の知能を超え、社会やテクノロジーが劇的に変化する転換点を指す。「技術的特異点」ともいう。元々は数学や物理学で使われる言葉で、「通常の法則が当てはまらなくなる点」を意味する。アメリカの未来学者であるレイ・カーツワイル氏らによって、テクノロジーの未来予測を表す概念として広まった。
シンギュラリティが注目されるようになった背景には、テクノロジーが倍増を繰り返しながら指数関数的に進化し続けているという性質(収穫加速の法則)がある。AI自身がより優れたAIを設計・開発できるようになり、人間の理解を超えるスピードで自己進化が繰り返され、社会のあり方が根本から変わるというものだ。
シンギュラリティには、さらなるAIの進化が必要となる。現在の生成AIから、人と同等の知的活動ができる汎用AI(AGI)に進化し、シンギュラリティを迎えると考えられている。その後、人間を凌駕する知性を持ち自己進化する人工超知能(ASI)の段階を迎え、医療の飛躍的な進歩や深刻な環境問題の解決など、人類だけでは対応できなかった様々な問題にも対処できるようになると期待されている。一方で、既存の仕事が失われる雇用問題や、人間がAIを制御できなくなるリスクも懸念されている。AIが接続制限をすり抜けて外部システムに不正侵入したり、目的達成のために隠蔽工作を行ったりする事例もあり、開発企業側からは、AI開発の「減速」を求める声も上がっている。
カーツワイル氏はシンギュラリティが訪れる時期を2045年頃と予測しており、これは「2045年問題」としても知られている。しかし、AIの急速な開発スピードから、時期が早まるという考察もある。2026年現在、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏らは、「シンギュラリティ到来」を発言しており、大きな話題となっている。
