パロアルトネットワークスは8月26日、国内の民間企業・公共機関を対象に実施した、フロンティアAI時代のサイバーセキュリティ対策の現状や政府に期待する支援策に関する調査の結果を発表した。
調査結果から分かるサイバーセキュリティの実態には、大きく三つのポイントがある。一つ目は、企業単独での方針決定の難しさだ。予算・人材の不足に加え、多くの組織が運用面・技術的負債の対応に苦慮している。さらに、フロンティアAI対策への懸念について尋ねたところ、「何から着手すべきか不明」と回答した層が約2割を占めた。
二つ目は、内製化・自立への強い意欲だ。財政支援を求める対象について尋ねたところ、サイバーセキュリティ製品・サービス導入に対する補助金を求める声が最多で、内部人材の育成支援がこれに続いた。パロアルトネットワークス 政府渉外本部長 天野 宏氏は、調査結果から読み取れるサイバーセキュリティのニーズについて「フロンティアAIの登場を機に、内部のサイバーセキュリティ人材を育てつつ、サイバーセキュリティベンダーと協力し、適切なサービスやツールを導入するための強固な社内基盤を作っていきたいのだと考えられます」と語った。
三つ目は、ガイドライン・マニュアルの必要性だ。フロンティアAI対策に必要な支援策について尋ねたところ、補助金などの財政支援や税制優遇よりも、ガイドライン・マニュアルの策定を求める声が多かった。この背景として、多くの組織が単独での方針策定に限界を感じていることが挙げられる。
AIでAIに対抗し進化する
では、フロンティアAIのリスクに対して組織に求められるのはどのような対策だろうか。パロアルトネットワークス GTM Strategy & Execution 和田一寿氏は、対策の土台となる考え方について「全ての脆弱性を管理した上で、すぐにパッチを当てられる企業はないと思います。データを抜かれる前提で対策を講じ、瞬時に異変に気付き消せるか否かが重要です」と語る。まずは、AIやクラウド、SaaSにゼロトラストを拡張し、隙のない第一防衛戦線を構築することが重要となる。その上で、第一防衛戦線だけでは防げないサイバー攻撃へ即座に対応する第二防衛戦線を構築することが求められているのだ。
そして、防御戦線構築の先にあるのが、エージェンティックAIの活用である。今後ますます活用が進むとみられるエージェンティックAIだが、これを適切に管理・統制するためのスタンダードやテンプレートはいまだ存在しない。こうした状況の中で、パロアルトネットワークスはAIセキュリティプラットフォーム「Prisma AIRS」を通じて、AIの可視化やガードレールの適用といったガバナンス強化を支援している。AIでAIに対抗し、AIと共に進化することで、今後も支援体制を強化していく見通しだ。


