インテル、AI PCを促進するプロセッサーを発表

AI PC

 インテルは2023年12月14日、CPUとGPU、そしてAI処理に特化したプロセッサー「Neural Processing Unit」(NPU)を単一のパッケージに統合したモバイル向けプロセッサー「インテル Core Ultra プロセッサー」を発表した。

 インテルは同日に発表したニュースリリースにて、これからのPCには高いパフォーマンスとバッテリー、そしてAI機能の活用が求められると語る。そうしたニーズを捉えたPCとして同社が提唱するのが、AIサービスやアプリケーションをローカルで実行するPC「AI PC」だ。インテル Core Ultra プロセッサーは、AI PCを支えるプロセッサーとして発表された。

 インテル Core Ultra プロセッサーの特長は大きく分けて二つある。一つ目が、高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の2種類のコアが稼働するハイブリッド・アーキテクチャを継続採用したことだ。そのため、フォアグラウンド処理はPコアで効率的に、バックグラウンド処理はEコアで省電力に行える。加えて、低消費電力コア(LP Eコア)も搭載されている。新たにLP Eコアを搭載したことで、高速なマルチスレッド・パフォーマンスの提供を実現する。

 二つ目が、搭載されている新しいNPU「インテル AI Boost」だ。インテル AI Boostは、AIワークロードの消費電力を抑えながら処理することを目的に設計されている。CPUとGPU両方で行われるAI処理を補完することで、前世代と比べて2・5倍の電力効率を実現した。

 同社 上席副社長 兼 クライアント・コンピューティング事業部長 ミシェル・ジョンストン・ホルトハウス氏は、インテル Core Ultra プロセッサーを提供する同社の優位性をこう語る。「AI PCは今後4年間でPC市場の80%を占めるとされ、インテルはソフトウェアとハードウェアのパートナーから成る広大なエコシステムと共に、次世代のコンピューティングをけん引できる絶好のポジションにいます」

今回発表されたインテル Core Ultra プロセッサー(左)と、第5世代 インテル Xeonスケーラブル・プロセッサー(右)。

データセンター向けの製品も発表

 同社は同日、データセンター向けのプロセッサー「第5世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」も発表している。第5世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、全てのコアにAIアクセラレーションを搭載することで、効率的なAI処理をサポートする。

 同社 最高経営責任者(CEO)のパット・ゲルシンガー氏は、同社のAI製品の今後の展望を「インテル Core Ultra プロセッサーと、第5世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーにより、インテルのAIポートフォリオは一層強力になっていきます」と語った。