
DISわぁるどが3年ぶりにリアル開催!その様子を現地からリポート
DiS WORLD REPORT
DIS わぁるど in 越後にいがた
3年ぶりリアル開催のICT総合イベント
新潟から広がるITを通じた地方創生
2022年11月16〜17日に、ダイワボウ情報システム(DIS)によるICTの総合イベント「DISわぁるど in 越後にいがた with Digital Days」(以下、DISわぁるど)が朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターとオンラインで開催された。本年は約3年ぶりとなるリアル開催として、「デジタル変革で狙う、まち、ひと、しごと再活性。」をテーマとした最新ソリューションの展示や、ITによる地域課題解決に向けた講演・ディスカッションが実施された。本記事ではその講演やディスカッション、展示会の様子をリポートしていく。
SEMINAR REPORT Day -1-
組織づくりから地方のデジタル化まで
さまざまな視点から企業課題を解決
11月16日に開催されたDISわぁるどでは、特別講演に元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏による講演や、地域IT企業、大手IT企業によるセッションなどが行われた。オンラインも含め多数の聴講者が訪れ、地域のデジタル化や組織づくりに向けた取り組みに耳を傾けていた。
【特別講演】
“変革の時代に求められる大義とは?”
この時代に大切な組織づくりとリーダーシップ
これまでになく急激に環境が変化していく中、企業のチームや組織にはその変化に対応していく強さが求められている。その組織づくりに必要なのが、リーダーの存在だ。特別講演では、元ラグビー日本代表のキャプテンを務めた廣瀬俊朗氏と元フジテレビアナウンサーの田中大貴氏が、ラグビーとビジネスとの共通点を踏まえながら、そのリーダーとしての意識や姿勢についてのトークセッションを行った。
廣瀬氏はリーダーとして意識していたポイントとして「外国人選手と日本人選手が混在した多様性のあるチームだったからこそ、コミュニケーションを重視していました」と語る。特に自分の意見をチームメンバーに伝えるのではなく、チームメンバーの意見を聞くことを重視したと言う。「メディア界には、雑談の中にクリエイティブが隠されているという言葉がありますが、雑談の重要性についてはいかがでしょうか」と田中氏が訪ねると、「雑談は大きなポイントですね。コロナ禍で対面のやりとりが難しい中でも、オンラインのミーティングの前にLINEグループなどでどうでもいいやりとりをして、それをオンラインミーティングで触れるといったちょっとした工夫を行っていました」と廣瀬氏は話す。トークセッションの最後には参加者からの質問にも対応し「雑談を無駄だと感じる人もいますが、どう声掛けをすると良いでしょうか」という問いに対し「一番簡単な雑談は日常的な挨拶かなと思っています。見てもらえているという感覚や安心感が大切で、相手が興味関心のある範囲内で満遍なく声掛けをしていくことを意識していました」と廣瀬氏は答えてくれた。
【特別セッション】
新たなビジネスの創造へ!
地域のIT企業がデジタルで繋ぐ「まち、ひと、しごと」
本公演に登壇した株式会社スノーピークビジネスソリューションズは、アウトドアメーカーの株式会社スノーピークを親会社に持つITシステム会社だ。株式会社スノーピークは新潟県の三条市中野原に本社を構え、キャンプフィールドや直営店などを併設している。同社では「自然と人、人と人をつなぎ、人間性を回復する」を社会的使命として掲げており、株式会社スノーピークビジネスソリューションズではその人間性の回復をビジネス領域でソリューション展開している。「当社ではシステムを開発・提案するビジネスを行いつつ、キャンプ場などでミーティングをするといった、自然のある環境で働く『キャンピングオフィス』を提案しています」と語る株式会社スノーピークビジネスソリューションズの坂田真也氏は、焚き火を通じたコミュニケーションや、それによる製品提案の効果などについて語った。
熊本県に本社を置く株式会社システムフォレストでは、その株式会社スノーピークビジネスソリューションズのキャンピングオフィスを自社が展開するコワーキングスペース「osoto Hitoyoshi」(くまりばコワーキングスペース)で実践。「ワーケーションによる利用者が非常に増えています」と株式会社システムフォレストの富山孝治氏は語る。
「地域のIT企業が、地域住民の方々のウェルビーイングをデジタル活用で創造することで、地域にとってなくてはならない存在になります。まずは全体の2割の時間を生み出すためのITによる業務効率化を目指して、その2割の時間で地域全体の幸福度がアップするようなビジネスモデルの創造につなげてもらえたらと思います」とモデレーターを務めた一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会の森戸裕一氏は締めくくった。
【特別セッション】
中小企業が2023年に始めるべき「デジタル変革」
〜Microsoft、Adobe、マネーフォワード、DISが語り尽くす!〜
中小企業に求められるデジタル変革について、日本マイクロソフト株式会社、アドビ株式会社、株式会社マネーフォワードの各社とDISが語り尽くした本セッション。日本マイクロソフト株式会社の鈴木 哉氏は「DXの始めの一歩として『Microsoft 365』は非常に優れたツールです。最新のOfficeアプリケーションが使えるだけでなく、ファイル共有が行える『SharePoint Online』などと組み合わせ、自社を強化するデータ活用が行えます」と語った。アドビ株式会社の岩松健史氏は、鈴木氏の「ドキュメントの電子化」というテーマを引き継いで同社の「Adobe Acrobat」と「Adobe Sign」の組み合わせを紹介。「紙を単純にPDF化するだけではなく、電子サインソリューションとしてAdobe Signを活用することで、契約行為にまつわる社内外の業務プロセスを大きく変革できます」と活用のメリットを話した。
株式会社マネーフォワードの栗本賢人氏からはバックオフィスのDXを推進する「マネーフォワード クラウド」が紹介され、「2023年10月からスタートするインボイス制度導入後も紙での運用は可能ですが、請求書の保管義務が送付側にも課されるようになるため、紙の量は2倍に増加するなど負担が増加します。こうした問題を解決するため、また経理業務の人件費負担を削減するために、当社のマネーフォワード クラウドを活用してほしいですね」と語った。
DISの塚本小都は最後に「社会の変化に合わせてコストと収益のバランスを取る上で、デジタル変革は非常に大きな力になるでしょう。DISわぁるどの中ではそうしたヒントを見つけてもらえたらうれしいですね」とセッションをまとめた。
【特別講演】
中小企業がデジタル化に
取組む本質と今後の政策について
中小企業のデジタル化について、中小企業庁の視点からの現状や支援策、今後の政策の方向性などを経営支援課 課長補佐の村山 香氏が講演した。
村山氏は講演の中で、三つのトピックスに触れた。一つ目は中小企業がデジタル化を進めていく意義。二つ目はデジタル化が産業構造に与える影響。三つ目はDXに取り組む上での政府からの支援策だ。
まず中小企業がデジタル化を進める意義について、村山氏はデータを示しながら「デジタル化を推進している事業者の方が、業績によりプラスの影響があります。また労働生産性も高い状態にあります」と解説した。加えてデジタル化に取り組むことで、業務が効率化されて省人化するなど人材確保にも良い影響が出ている事例もあるという。
デジタル化が産業構造に与える影響について村山氏は「デジタル産業」という枠組みを示し、「2022年の世界時価総額ランキングを見ると、1989年から時価総額10倍以上に増え、上位がデジタル企業に入れ替わっています。デジタルで桁違いに成長する企業がいる一方で、この成長領域に日本企業は進出できておらず、新たな市場の開拓・獲得による収益向上を実現するためにも、DX推進が必要と言えるでしょう」と指摘した。
政府では、企業のDXを進めるためさまざまな支援を講じている。村山氏はデジタル化診断事業「みらデジ」やIT導入補助金などを紹介し「これらの支援策を活用いただきながら、DX化、デジタル化への取り組みを進めていただければ」と締めくくった。
SEMINAR REPORT Day -2-
中小企業のデジタル化最前線とは
地方移住やストレージトレンドも解説
DISわぁるど2日目となる11月17日では、中小企業庁の村山 香氏が講演。中小企業がデジタル化に取り組む上での意義や支援について解説された。特別セッションでは実際に新潟に移住したフラー株式会社の渋谷修太氏を交えたディスカッションや、革新的なストレージソリューションを解説するGal Naor氏の講演などが行われ、来場者がITトレンドの最前線を知る機会となった。
【特別セッション】
アフターコロナにおける地域DX戦略
〜ローカルテレワークとスマート行政の2軸で考える地方発展〜
コロナ禍により普及したテレワークを活用し、地方に移住して働く動きが広がっている。本特別セッションに登壇したフラー株式会社の渋谷修太氏も2020年のコロナ禍を契機に、故郷の新潟県にUターン移住した1人だ。「新潟に戻ってきた時に、最初に感じたのがデジタル化の遅れでした。そこで当社では、地方のデジタル戦略に力を入れたい企業さまと、アプリを中心としたデジタル化を推進しています」と渋谷氏。
ものづくりの町として知られる燕市の市長を務める鈴木 力氏は燕市の紹介をした後、コロナ禍から早期に回復させた独自の取り組み「フェニックス11+」や、アフターコロナを見据えたクラウドシステムの導入事例、イノベーション拠点としてのシェアオフィス設置について語った。リモートでモニター越しに登壇した武蔵大学の庄司昌彦氏は地域DXに必要な要素について、認識やインフラや端末などに加え「人に優しくデジタルを使うことが重要です。デジタルって冷たいイメージがありますが、優しく使うこともできるはずで、文字を拡大するとか読み上げるといったサポートなど、デジタルの恩恵をみんなが受けられるようにしていきたいですね」と語る。
最後にモデレーターを務めた株式会社フィラメントの角 勝氏は「コロナ禍を通して、浮き彫りになったのは人間に寄り添うことの大切さです。これまで物理的でしかなかった寄り添いが、デジタルを通しても行えるようになったというこれからの可能性がみえるセッションでしたね」と締めくくった。
【特別セッション】
ストレージインフラの簡素化とコスト削減を同時に実現!
グローバルリーダーが描くストレージソリューション
DISわぁるど最後の特別セッションでは、革新的なストレージソリューションをリードするStorONEのCEO兼共同創設者Gal Naor氏が来日して講演を行った。
Naor氏は、「StorONEは8年間研究開発に投資し、ハードウェアとのイノベーションギャップを埋めた唯一の企業です」と語る。講演の中では三つのグローバルトレンドとして、「ランサムウェア」「ソフトウェア」「低コスト」を挙げた。StorONEが提供するストレージエンジンは、これらのトレンド全てを網羅しており、強固なセキュリティ対策に加えてランサムウェアからのデータ復元にも対応している点や、革新的なストレージアーキテクチャーとして「Virtual Storage Containers」(VSC)を採用し、多様なストレージメディア上で仮想マシンを稼働できる点、そして本来の20%ほどしか引き出せていないハードウェア性能を90%引き出し、ROIを追求した運用を実現している点などを紹介した。
Naor氏は販売パートナーに向けて「当社のストレージプラットフォーム『S1 Enterprise Storage Platform』を提案いただくことで、より多くの収益機会を得ることが可能になります。三つのバラバラな製品ではなく、たった一つの製品によってお客さまに最高の結果を提供致します」と、同社のストレージソリューションを提案するメリットを語った。
DiS WORLD EXHIBIT DIGEST
203社が新潟から発信する
地域にフィットしたITソリューション
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターの展示ホールで開催された「DISわぁるど in 越後にいがた with Digital Days」の展示会では、203社の出展社が自社の製品を展示し、「デジタル変革で狙う、まち、ひと、しごと再活性。」のテーマに沿った、地域にフィットするITプロダクトやソリューションの紹介を行っていた。当日は2日間合わせて2,759 人が来場し、地方創生や地域貢献を促進する製品について出展企業の担当者から紹介を受けたり、意見を交わしたりしていた。また一部企業の展示ブースでは製品展示のほか、ミニセミナーも開催されており、来場者は足を止めて講演に耳を傾けた。
キーワードから記事を探す
-
第 1 位
USB Type-Cを軸にしたノートPCと外付けモニターの活用法を戸田覚が伝授
-
第 2 位
戸田覚が教えるExcelやWordでの手書き機能の使い方
-
第 3 位
戸田覚が伝授「スマホでパワポのスライドを作ろう」
-
第 4 位
Windows 10サポート終了の特需はない
-
第 5 位
PCデータをバックアップするSSD・HDDの選び方を戸田氏が指南
-
第 6 位
「オフィス作業では大画面モニターを使って仕事をさくさくこなそう」by戸田覚
-
第 7 位
PCやスマホ活用時の目に優しい画面設定について戸田覚が伝授
-
第 8 位
戸田覚が「Microsoft To-Do」を利用したセルフ働き方改革を伝授