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Wacom IntuosシリーズでChromebookをクリエイティブに使いこなす

Wacom IntuosシリーズでChromebookをクリエイティブに使いこなす

2022年03月25日更新

Chromebookをクリエイティブに使いこなす
~Wacom Intuosシリーズ~

ワコムの「Wacom Intuosシリーズ」は、コンパクトなペンタブレットだ。昨年、Chromebook対応を発表した。サイズはSmallとMediumの2種類があり、USB接続のベーシックモデルとBluetooth接続のワイヤレスモデルが選べる。カラーは「ブラック」「ピスタチオグリーン」「ベリーピンク」の3色をラインアップしている(USB接続のベーシックモデルはブラックのみ)。Chromebookといえば、低価格ながらタッチパネルを搭載したモデルも多く、ペンに対応した機種もある。ペンタブレットを利用するメリットをWacom Intuosシリーズを通して探ってみた。

Works With Chromebook認定取得

2in1 のChromebook と接続させて画像編集を行った。入力のラグもなく、快適な操作性だった。

 ワコムによれば、Wacom Intuosシリーズはイラスト・写真編集・マンガ制作などに活躍するペンタブレットとして、多くのユーザーから支持されているという。対応するOSもWindows、Mac、Chromebook、一部のAndroid端末と幅広い。Chromebookでシームレスに動作する互換基準を満たしていることをGoogleが認定する「Works With Chromebook」を受けた製品だ。

 タッチパネルやペン入力に対応していないChromebookでも、Wacom Intuosシリーズを使えば、手書き入力が可能になる。趣味でクリエイティブ制作を楽しむほかにも、オンライン授業やプレゼンテーションで図やコメントを書きながらの説明や、PDFへの書き込み、リモート会議での共同作業など、教育からビジネスまで幅広い用途で活用できる。マイクロソフトのクラウド版WordやPowerPointをはじめ、Google Meetで使えるホワイトボードの「Jamboard」や、「Adobe Acrobat Reader」などがペン入力で利用できる。もちろん手書きのメモアプリの「Noteshelf」や「Bamboo Paper」、イラスト制作ソフトの「CLIP STUDIO PAINT」などにも対応している。

ペンタブレットならではの利便性

 イラストレーターの作画やフォトグラファーの写真加工、書籍編集者のDTP作業の多くは、ペンタブレットを活用している。こうしたクリエイターがマウスではなくペンタブレットを使う理由は、手書きならではの創造性に加えて、ペンというポインティングデバイスの利便性がある。例えば、マウスによるポインターの移動では、物理的に本体を目的方向にスライドさせなければならない。そのため、広い画面で作画対象とパレットなどを交互に選ぼうとすると、マウスの移動頻度が多くなる。しかし、ペンタブレットであれば、ペンを動かすだけで、手早くポインターを移動できる。クリエイティブな作業の経験が少ないと、画面のメニューを選ぶだけならば、指でのタッチ操作や、Chromebookに付属のペンでも十分だと考えてしまうかもしれない。だが、作画や手書き入力となると、やはりタッチパネルよりも水平に置いたペンタブレットの方が安定するし、細かい作業も楽になる。

 こうしたペンタブレットの利便性は、イラストや写真加工といった目的だけではなく、プレゼンテーション用のスライド作りや文書作成での作図などにも効果を発揮する。例えば、先に紹介したクラウド版のWordでは、Webブラウザーで作画できるようになっている。〇や□といった図形を挿入するだけではなく、描画機能を使って、ペン書きに対応した作画も可能だ。こうした作画に対して、ペンタブレットが使えると手早く奇麗な絵を仕上げられる。ChromebookのデフォルトアプリであるGoogleドキュメントにも、フリーハンドでの図形描画がある。機能面では、まだクラウド版のWordには追い付いていないものの、将来的にはペンタブレットの活用に値するほど、進化するかもしれない。こうしたクラウドサービスの将来性を考えると、ペンタブレットを使いこなせるようになっておくと、ビジネスシーンでのChromebook活用の幅も広がるだろう。

接続は簡単で自然な書き心地

 実際にWacom IntuosシリーズをChromebookに接続してみると、USBであれば差し込むだけ、Bluetoothならばペアリングが完了すれば、すぐに使えるようになる。その簡単さは、まさにワコムがシームレスと表現するだけのことはある。ペンタブレットの読み取り可能範囲は、Smallが152×95mmで、Mediumが216×135 mmとなる。10インチ未満のChromebookならば、Smallでも十分に大きなストロークで描ける。また、本体の上部には、ペンを置けるペントレイを兼ねて、ショートカットキーを割り当てられる四つのエクスプレスキーと電源が並ぶ。ペンそのものは、本体にある専用のベルトに差し込んで持ち運べるようになっている。

 筆者は、3種類のChromebookを使っているが、ペンタブレットに適しているのは、クラムシェル型だと感じた。タブレット型のChromebookでは、画面を固定するための器具が別途に必要となり、使い勝手が良くなかった。クラムシェル型か2in1のChromebookであれば、画面の前にペンタブレットを置いて便利に使える。

 また、Chromebookのタッチ操作との比較だが、メニューを選ぶだけの操作であれば、あえてペンを使う必要はないと思う。だが、メニューを選び、描画画面で図形を描くとなると、タッチパネルでは思うように作業ははかどらない。画面の上に手を重ねてしまうと、下の図形が見えなくなる。かといって、クラムシェル型や2in1をタブレットのように平らにして使おうとすると、キーボードが邪魔になり、脱着の手間もかかる。それに対して、ペンタブレットならばマウスをつなぐような手軽さでペン入力が行える。Wacom Intuosシリーズは紙にペンで書くような質感を実現しているので、手元を見ることなく画面に集中してペンを動かせる。純粋な手書きの感覚と比べると、最初は若干の違和感を覚えるが、慣れてくるとむしろ視線を画面に集中したまま手を動かせるので、下を向いたままペンを動かすよりも作業の効率はよくなる。

 Wacom Intuosシリーズは、タブレットの画面にペンを置く操作とは、全く異なる次元のペン操作を提供してくれる。その使用感に慣れてしまうと、むしろ手放せなくなるだろう。特に、作図やプレゼンテーション用のスライドを多く作る人であれば、Chromebookでの作業効率をかなり改善できるはずだ。こうした使い勝手の良さを伝えられることができれば、Chromebookの商材として十分に魅力的な製品であり、クリエイティビティのある新しい働き方の提案にもつながるだろう。

田中 亘(Wataru Tanaka)
東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系ITまで、広範囲に執筆。代表著書:『できる Windows 95』、『できる Word』全シリーズ、『できる Word& Excel 2010』など。

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