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Nutanix環境を補う独自機能を搭載したHYCUのデータ保護ソリューション

Nutanix環境を補う独自機能を搭載したHYCUのデータ保護ソリューション

2020年12月14日更新

HYCUが日本市場に向けて本格展開を開始
Nutanixに特化したデータ保護ソリューション

「HYCUシリーズ」HYCU

2019年9月、ソフトウェアベンダーのHYCU(ハイク)はダイワボウ情報システム(DIS)とディストリビューター契約を結んだ。HYCUが提供するのは、Nutanixを中心とするオンプレミスバックアップソリューションや、Microsoft Azure、Google Cloud Platform向けのマネージドバックアップサービスといったデータ保護ソリューションだ。世界70カ国に展開しており、約1,400社以上の導入実績を誇る。そしてさらなる販路拡大を目指し、日本市場への本格展開を開始した。今後のビジネス展開や意気込みなどを伺った。

Nutanix開発者と密な情報交換
バージョンアップも迅速に対応

HYCU
吉田幸春氏

 次世代インフラとしてハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の基盤技術を作り上げたニュータニックス。ニュータニックスは中規模企業や大企業向けに「Nutanix Enterprise Cloud Platform」を提供し、HCI市場をけん引している。そのニュータニックス製品に焦点を当てたデータ保護ソリューションが「HYCU Data Protection for Enterprise Clouds」である。バックアップ、リカバリー、モニタリングといったデータ保護ソリューションの開発を25年以上手掛ける米国のComtrade Softwareが2017年6月から提供している製品だ。2018年にComtrade Softwareは分社化し「HYCU」を設立。以降、製品の開発や提供などはHYCUが担っている。

 なぜHYCUはニュータニックス製品に焦点を当てたのだろうか? HYCUでシステムズエンジニアを務める吉田幸春氏は次のように話す。「NutanixはHCI市場を切り開いた草分け的な存在と言えます。サーバーとストレージを一つのハードウェアに統合し、仮想機能を集約させたインフラとして仮想化基盤の運用管理の負担を大幅に解消させた革新的な製品です。企業のデジタル化の波を捉え、次世代の仮想化基盤として導入が進むだろうと見込みました。当時はHCI専用のデータ保護ソリューションがありませんでした。当社がNutanixに特化したデータ保護ソリューションを開発することで顧客に対してデータ保護の価値を提供できると考えました」

 Nutanixに特化した製品を開発するためには、ニュータニックスとの密な連携が必要だ。HYCUとニュータニックスの開発者はチャットツールを活用して常に情報共有を進めている。互いの開発環境にはNutanixとHYCUが導入されており、開発時の互換性のテストに利用するなど協力体制も取れている。これらの体制により、Nutanixの製品リリース後にHYCUが開発を行うのではなく、ほぼ同時並行で製品の開発が進められるため、HYCUのリリース対応も早い。「Nutanixの新バージョンや新機能がリリースされると、HYCUも1週間以内にアップデートをリリースするといった迅速な対応ができています。バージョンアップの対応に何カ月もユーザーを待たせるといったことがありません」(吉田氏)

Nutanix環境を補う独自機能
AzureやGCP向け製品もラインアップ

 自然災害やシステムの故障など予期せぬトラブルはいつ起こるか分からない。万が一のトラブルに備えてデータのバックアップは重要だ。Nutanixにも仮想マシンのイメージバックアップとして利用できるスナップショット機能「Time Stream」やスナップショットを異なるNutanixクラスターに転送する非同期レプリケーション(複製)機能「Async DR」などデータ保護の機能が搭載されている。しかし、Nutanix環境以外のシステムやデータの保護、ユーザーの重要なアプリケーションレイヤーの保護など対応できない部分もある。それをカバーするのがHYCUの製品だ。

 例えば、HYCU Data Protection for Enterprise CloudsはNutanixのHCIクラスター環境のアーキテクチャを構成するコンポーネント「AHV」において「エージェントレス・アプリケーション・バックアップ」に対応している。エージェントを使用することなく、OS内のアプリケーションを自動的に検索し、アプリケーションのバックアップを実行する。Nutanix環境の仮想マシンのみならず、VMware環境や物理Windowsマシンに対しても同様にエージェントレスのバックアップが可能だ。「エージェントレスでVM内のデータベースの認識やスクリプトを実行できるため、規模が大きくなるにつれてエージェントの展開やメンテナンスで手間のかかるIT管理者の負担を低減させられます」(吉田氏)

 Nutanix環境で、VMwareのハイパーバイザー(ESXi)を利用するケースもある。その場合、スナップショットを取得するとVMware側のスナップショット機能を利用するため、仮想マシン(VM)のパフォーマンスが大幅に低下してしまう。するとバックアップ中にVMが停止したかのように見られる「VMスタン」という事象が発生するケースがある。データベースやアプリケーションのバックアップ実行中に起これば、データ損失の恐れもある。HYCUではNutanixのスナップショットを活用することでVMスタンを回避できる。こうしたさまざまな機能により、Nutanix環境のデータを保護している。

 HYCUが提供するのは、Nutanixに特化したオンプレミス製品だけではない。Microsoft Azure向けの「HYCU Data Protection as a Service for Azure」やGoogle Cloud Platform向けの「HYCU Data Protection as a Service for GCP」などのSaaS型のクラウドデータバックアップソリューションを用意している。設計、構築、アップグレードなどの保守が不要で、拡張や縮小も動的な自動スケールが可能だ。導入規模を意識せずに運用できる。

DISとの協業で販促を強化
セミナーで認知度向上を目指す

 HYCUが提供している製品に共通することは、シンプルかつ容易な操作性である。「HYCUという社名は、五・七・五の十七音で表現する日本の詩である『俳句』が由来となっています。短い詩の中で心象を伝える俳句のように、HYCUが提供する製品は、シンプルな操作や短い時間で優れたデータ保護環境を提供するという意味が込められています」と吉田氏は話す。

 そのシンプルさや操作性が世界で評価され、HYCUは現在70カ国に展開している。今後は日本語対応などにも力を入れ、日本市場に本格展開していく考えだ。「HYCUは開発をメインとしており、営業部隊は少数しかいません。DISさまとディストリビューター契約を結んだことで、地方への展開を含め、販売店さまを通して全国をカバーできるのではないかと期待しています。ジョイントセミナーなど販売パートナーさまにHYCUの製品を周知する機会も予定しています。開発に関する要望に応えていく体制も万全です。DISさまとともにお客さまを全力でサポートしていきます」(吉田氏)

 日本市場での目標について、「3年以内にNutanix向けのデータ保護ソリューションを提供するベンダーの中でトップを目指します」と吉田氏は展望を語った。

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