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Microsoft 365 の新プラン「リモートワーク スターター プラン」の提案ポイント

Microsoft 365 の新プラン「リモートワーク スターター プラン」の提案ポイント

2020年12月18日更新

Web会議に特化したMicrosoft 365の新プラン
「リモートワーク スターター プラン」が登場

ニューノーマルの日常下で、新しいデジタル変革の波に取り残されがちになるのが、IT人材が少ない中堅・中小企業だ。この連載でも紹介してきたように、社員数の少ない企業では、総務部などがIT導入や運用を兼務するため、高度なテクノロジーの導入は遅れがちになる。こうした課題を解決するために、マイクロソフトは中堅・中小企業向けにMicrosoft 365の新プラン「リモートワーク スターター プラン」の提供を今年の8月から開始している。

50名以下の小規模事業者に特にお薦め

 Microsoft 365の新プランであるリモートワーク スターター プランは、主要サービスとしてMicrosoft TeamsとOneDrive for Businessが提供される。1ユーザー当たり月額399円(参考価格)。最大ユーザー数は300名に制限され、OneDriveのストレージ容量は1ユーザー当たり1TBだ。

 マイクロソフトでは、国内でのリモートワークに関する実態調査やユーザーからのヒアリングを実施して、小規模事業者が求めるサービスをリサーチしてきた。その中で多かった声が、「Microsoft 365 Business Standard」や「Microsoft 365 Business Basic」よりもリモートワークに特化した安価なサービスのニーズだったという。

 Microsoft 365 Business Standardはデスクトップ版のOfficeアプリやMicrosoft Teams、OneDrive for Business、SharePoint、Exchangeが利用できるプランであり、Microsoft 365 Business Basicは、デスクトップ版のOfficeアプリはなく、Microsoft TeamsやOneDrive、SharePointやExchangeが利用できるプランだ。OfficeアプリはWebとモバイル版が利用できる。

 いずれのプランもリモートワークのエントリーサービスとして、これまでも需要は高かったが、小規模事業者では、デスクトップ版のOfficeをプリインストールしたPCを購入しているケースや、すでにOfficeのボリュームライセンスを契約していることも多く、これらのプランを導入すると、二重投資になる例も多かった。そこで、まずはリモートワークに必要なWeb会議環境を整えたいという事業者のために、Microsoft TeamsとOneDrive for Businessに絞ったリモートワーク スターター プランが整備された。リモートワーク スターター プランのサイトにも記載されているが、マイクロソフトでは50名以下の小規模事業者にとって、最適なプランだと推奨している。

リモートワークは働き方の標準に

 冬場に差し掛かり新型コロナウイルスの感染者がじわじわと増加しつつある。現時点でまだ十分なリモートワーク環境が導入できていない事業者も、Microsoft Teamsなどを利用したリモートワーク環境の整備の必然性が改めて生じてきそうだ。さらに、アフターコロナを見据えた働き方改革においても、リモートワークができる職場環境か否かは、組織や企業の競争力に関わる。

 こうした背景もあり、マイクロソフトでは、リモートワーク スターター プランをきっかけとして「フルクラウドへの移行を検討してほしい」と訴える。フルクラウドとは、オンプレミスからクラウドへのシステム移行を意味するだけではなく、出社しなくても業務を円滑に遂行できる労働環境の整備とも言える。

 例えば、コロナ禍で需要が急増したMicrosoft Teamsは、いまだに多くの人たちがWeb会議ツールだと認識している。それは間違いではないが、Microsoft Teamsにはフルクラウドでコラボレーションを実践していくための豊富な機能が備わっている。OneDriveを活用したファイル共有やチャットなど、ビジネスコミュニケーションを加速する機能が装備されているのだ。

 Web会議を導入するためのきっかけとしてリモートワーク スターター プランを提案するのもセオリーだが、導入後の働き方改革につながるフルクラウドのイメージを伝えることができれば、より提案が魅力的になり導入後も顧客とのつながりを維持できそうだ。

新たな商材として訴求できる関連デバイス

 リモートワーク スターター プランでMicrosoft Teamsが利用できるようになった小規模事業者には、新たなデバイスを提案する機会も生まれる。その一例が、以前の連載で紹介したレノボ・ジャパンのMicrosoft Teams専用端末「ThinkSmart View」だ。単体でMicrosoft Teams会議への参加とビデオ通話の受発信が可能なデバイスで、Exchange Online上の予定表とMicrosoft Teams上のボイスメール機能もサポートするので、PCを使わなくても自宅にいながら内線電話のような感覚で、Microsoft Teamsのコミュニケーションとコラボレーションを実践できる。

 ThinkSmart View for Microsoft Teamsのほかにも、レノボ・ジャパンでは小規模な会議室に向く「ThinkSmart Hub」などの専用デバイスを用意している。また、快適なWeb会議を実現するアイテムとして、ヘッドセットやWebカメラ、スピーカーなども商材になるだろう。さらに、これらを一体化させたデバイスなども提案できるだろう。

 リモートワーク スターター プランとWeb会議デバイスをセットにした提案は、50名以下の小規模事業者などにとって、明日からスタートできるテレワークの第一歩となるはずだ。

田中 亘(wataru tanaka)
東京生まれ。CM制作、PC販売、ソフト開発&サポートを経て独立。クラウドからスマートデバイス、ゲームからエンタープライズ系ITまで、広範囲に執筆。代表著書:『できるWindows 95』、『できるWord』全シリーズ、『できるWord&Excel 2010』など。

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