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2020年の知覚拡張市場は5,560億円の予測

2020年の知覚拡張市場は5,560億円の予測

2020年12月03日更新

ビジネスチャット市場が大きく成長

Collaborative Application

 新しい生活様式や就業形態への転換が求められる中、従業員のナレッジ共有と企業の価値創造を支えるソフトウェア/サービスとしてコラボレーション・モバイル管理ソフト市場が拡大している。ミック経済研究所の調査によれば、2019年度のコラボレーション・モバイル管理ソフトの出荷金額は、前年比114.5%の1,266億円となり増加した。

 コラボレーション市場の内訳を見てみると、2019年度対前年比114.8%で、ビジネスチャットが成長を遂げている。ビジネスチャットの需要が拡大している理由には、情報を共有・可視化したりチームワークを醸成したりするツールとしての活用が進んだことが挙げられる。

 ビジネスチャットに次いで成長したのがワークフローとWeb会議ツールだ。Web会議ツールは、モバイルデバイスでも利用できることや企業内でのコミュニケーションツールとして全社採用されたケースなどが需要拡大の理由として挙げられ、市場拡大に大きく寄与した。グループウェアは、オンプレミス製品の需要の減少傾向が続いている状況を受け、大手ベンダーがSaaS/ASPサービスを軸に展開することで中堅・中小企業でシェアを拡大しているとミック経済研究所は分析している。

新常態を契機にモバイル管理製品が続伸

 モバイル管理ソフト市場を見てみよう。同市場は、2019年度対前年比113.3%の197.3億円となり、追加大型案件でテレワーク、営業、接客、作業報告といった活用シーンの多様化で利用が拡大しているという。

 同市場の中で、モバイルデバイスのセキュリティ管理を行う「Mobile Device Management」(MDM)ツールは、スマートデバイスの普及に伴うセキュリティや統合管理ニーズにより市場が拡大している。また、モバイル端末にインストールしたアプリケーションを管理する「Mobile Application Management」(MAM)ツールでは、企業・個人を切り離した業務アプリケーションと業務関連データを保護するニーズが増加したことが市場成長を押し上げた。

 2020年度のコラボレーション・モバイル管理ソフトの市場規模は、前年比118.0%の1,493億円と大幅に拡大する予測だ。理由には、コロナ禍を契機としたテレワーク/ニューノーマルの浸透を受け、ビジネスチャットやWeb会議ツールと併せてモバイル管理ソフトの需要が続伸することが挙げられる。同市場は、2024年度に年平均成長率11.31%の2,292億円を予測している。

2020年の知覚拡張市場は5,560億円

Augmented Reality

 政府は、労働人口の減少や自然災害、少子高齢化といった国内課題の解決を目指し、挑戦的な研究を推進する「ムーンショット型研究開発制度」の取り組みを2019年度から推進している。上記の課題解決をサポートする技術として、VRやAR、AIなどのテクノロジーにより認知能力及び知覚能力、身体能力などを強化する「人間拡張」技術に注目が集まっている。シード・プランニングは、そうした人間拡張技術市場を調査した。

 人間の五感に対して働きかけ、知覚を増強したり、ある知覚を別の感覚に変換したりすることを可能とする知覚拡張技術。知覚拡張技術の例としては、ユニバーサル・サウンドデザインの聴覚サポートスピーカー「comuoon」がある。comuoonは、聴覚に障害を持つ患者に対してだけでなくマスク着用時やアクリルパネルで隔離している状況でも活用できる製品として提供されている。

 このような製品を含む知覚拡張の市場規模について、シード・プランニングは2020年に5,560億円、2025年には8,600億円と予測している。

 2025年の人間拡張市場は、知覚拡張市場以外でも需要増加が見込まれる。例えば、イノフィスが提供するパワードスーツ「マッスルスーツ」などが対象となる身体拡張市場は183億円、旭エレクトロニクスの「VR塗装技能訓練システム」などを対象とする存在拡張市場は1,560億円に成長するとみている。超高齢化社会において、人間拡張技術を活用したビジネスは今後も成長していくだろう。

AI国内市場は2025年度に2兆円規模へ

Artificial Intelligence

 AIソリューションは、実証段階から具体的な業務課題の解消に向けて本格導入を検討する企業が増加したり、ベンダー側のノウハウの蓄積に伴い体系化が進んだりと市場が成熟してきている。今後は従業員が有する知識やノウハウに関係なく業務を遂行でき、その品質も平準化するソリューションや蓄積したデータを用いてビジネスの高度化を目的としたソリューションの活用も進んでいくとみられる。富士キメラ総研は、そうしたAIの国内市場動向を調査した。

 2020年度のAI市場は前年度比15.4%増の1兆1,084億円の予測だ。市場増加の背景には、新型コロナウイルス感染症が拡大する中リモートワークやITを活用した構造改革を積極的に進める企業が増えていることがある。これを踏まえ、今後もAIへの投資は企業競争力向上に向けて優先的に行われていくだろう。

 同調査では、AI投資予算についてのアンケートも実施した。2019年度のAI投資予算額については「1億円以上~5億円未満」の回答が最も多く、AIに1億円以上の投資予算を有する企業は全体のうち3割以上となった。2020年度のAI投資予算の増減については、6割以上が「増加した・やや増加した」と回答し、「減少した・やや減少した」という回答は1割未満。背景には、新型コロナウイルスの影響でAI投資予算が増加したことがある。上記を踏まえ、今後もAIビジネスの進展、AI関連市場の拡大が期待される結果となった。

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