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スーパーシティ・スマートシティにおけるシスコシステムズ、ラックの取り組み

スーパーシティ・スマートシティにおけるシスコシステムズ、ラックの取り組み

2020年11月11日更新

行動変容を起こさせる体験・街のデザイン

ベンダーの取り組み シスコシステムズ

グローバルでスマートシティのプロジェクトを進めているシスコシステムズは、都市OSのプラットフォームソリューションとして「Cisco Kinetic for Cities」を用意している。

シスコシステムズ
白川智之氏

 シスコシステムズは、日本の重点戦略としてカントリーデジタイゼーションを進めている。具体的には、Society 5.0を実現するために、トラベル、ツーリズム&トランスフォーメーション、デジタルワークプレース、パブリックセーフティ、インダストリー4.0、デジタルスクールといった分野に注力することを表明している。

 10月8日には、東京都のデータハイウェイ構想によるスマートポールの実証実験を11月から東京都と共同で開始することを発表した。データハイウェイ構想は、東京版のSociety 5.0を実現する基幹インフラの位置付けとなる。スマートポールは、データハイウェイ構想の基本戦略に位置付けられている新たな地域サービスインフラだ。

「5Gのアンテナ基地局やWi-Fiを必須機能とし、双方向のサイネージや各種センサーを搭載した多機能ポールです。東京都と協力して開発し、西新宿エリアで実証実験を開始します」(シスコシステムズ 業務執行役員 会長室 デジタルトランスフォーメーション事業部長 白川智之氏)

 スマートポールの実証実験では、双方向の特性を活用した新たな利用者向けサービスの可能性の検証や、環境センサーと人流センサーのデータを都市OSに連携・可視化し、都市運営のデジタル化の検証などを行う。「市民サービスのフロントエンドのデバイスとしてスマートポールがあり、バックエンドで都市OSが稼働するイメージです」(白川氏)

ポイントは住民向けのサービス

 都市OSソリューションとしてシスコシステムズが提供しているのが「Cisco Kinetic for Cities」だ。オープンなデータプラットフォーム、オペレーション管理、そしてセキュリティまで、スーパーシティやスマートシティの都市OSに求められる中核機能をカバーしている。さらに、スマートシティなどの標準のネットワークアーキテクチャとして開発されている「Cisco Connected Communities Infrastructure」で、各ネットワークの接続性を確保する。

「ポイントは、こうした都市OSの上で動く住民向けのサービスになります。スーパーシティやスマートシティによる街や社会のDXでは、人々の暮らしや体験がどう変わるかが重要です。新しい体験の提供を実現するためのエコシステムやビジネスを、パートナーの皆さまと一緒に作り上げていきたいですね」(白川氏)

「成功させるには、ひとびとの暮らしや街自体のデザインが不可欠です」

東京都と協力して実証を行うスマートポール。

サイバー空間から街のセーフティへ展開

新規事業の創出に挑む ラック

セキュリティの分野で存在感を示しているラックが、スーパーシティやスマートシティの街づくりに関わっている。どのようなビジネスチャンスを見いだしているのか。

ラック 高橋 亮氏(左)、又江原恭彦氏(右)

 セキュリティ関連のトータルソリューションを提供するラックは、新たなビジネスチャンスをスーパーシティやスマートシティに見いだしているようだ。関わっているのは、同社の新規事業開発部である。同部 部長の又江原恭彦氏は次のように話す。

「当社の新規事業開発部は、2018年に発足しました。すでにあるシステムインテグレーションサービス事業とセキュリティソリューションサービス事業に続く第三軸の事業の創出を目的としています。新たな事業の場として外せないのがスーパーシティやスマートシティでした」

 スーパーシティやスマートシティを対象としてラックの新規事業開発部が取り組んでいるのが「town」構想だ。従来まで対象だった情報システムから、ターゲットは街にまで広げられている。「各種のセンサーを搭載したモビリティやデバイスが街中に配置される中で、これまで提供してきた情報システムにおけるサイバーセキュリティでの安心・安全を、街のセーフティへ展開しようとしているのです」(又江原氏)

地域の事業者との共創が重要

 具体的に想定しているのがIoTの統合管理プラットフォームの提供だ。街中で配置・利用されるIoTデバイスのデータを収集・分析し、正常稼働の確認や統合分析による予兆検知などを実現させるのが目的だ。交通機関や移動する住民、健診・介護環境の安全、単身者を中心とした生活者などの見守りと異常検知時のサポートの実現が想定されている。実際の運用を担当するのは、各地域の自治体や事業者になる。

「town構想で実現するIoTプラットフォームを活用して、地域に根ざしたさまざまなサービスの創出が期待できます。地域の事業者の皆さまとの共創が重要な要素になるでしょう」(又江原氏)

 ラックの新規事業開発部は、town構想とは別にSmartXという事業も走らせている。これは、スーパーシティやスマートシティを含む街のデジタルトランスフォーメーションを促すような新たなサービス創出への挑戦だ。同社 新規事業開発部 GLの高橋 亮氏はこう説明する。「例えば、カメラを搭載した物理的なモノを遠隔で操作できるようにして、その場に行かなくても作業やコミュニケーションがとれるような仕組み作りにトライしています。全てのモノがつながる街を想定したサービスであり、town構想ともコアの部分は共通しています」

 すでにラックは、各自治体や大学などと協力して実証事業などを進めている。「town構想は3年を目途に、SmartX事業は随時のサービス提供を目指します。ラックの新たな挑戦に期待していただきたいですね」と又江原氏と高橋氏は声をそろえる。


SUPER CITY

地域 × 事業者 × 国

日立製作所
「スーパーシティは、各地域の事業者と一緒に作り上げていくことになります。地域連携と協調を重視して取り組みます。」

NEC
「FIWAREの利用ケースではすでに多くのサービスが開発されていますが、それらは地域に根ざした事業者が生み出しています。」

富士通
「地域の課題は地場の事業者が把握されているはず。地域のパートナー事業者はこれから鍵になるでしょう。」

シスコシステムズ
「新しい体験の提供を実現するためのエコシステムやビジネスを、パートナーの皆さまと一緒に作り上げていきます。」

ラック
「town構想で実現するIoTプラットフォームを活用して、地域に根ざしたさまざまなサービスの創出が期待できます。」

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