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スーパーシティ構想とは? 内閣府 地方創生推進事務局 担当者に聞く

スーパーシティ構想とは? 内閣府 地方創生推進事務局 担当者に聞く

2020年11月06日更新

2030年に向けた社会のDX
スーパーシティ構想

コロナ禍の中、今年の5月に「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」、いわゆるスーパーシティ法が成立した。スーパーシティとは、地域の課題を最先端の技術で解決するために、地域と事業者と国が一体となって目指す取り組みを指す。具体的な構想と地域事業者なども含めたビジネスチャンスを探る。

大胆な規制改革で社会のDXを推進

スーパーシティ構想とは

内閣府 地方創生推進事務局
阪本 悟氏(左)、井上貴至氏(右)

政府が推進するスーパーシティとは何か。すでに取り組みが進められてきたスマートシティとの違いはどこにあるのか。「スーパーシティ」構想を管轄する内閣府 地方創生推進事務局の担当者に聞いた。

 スーパーシティは、AIやビッグデータなどを活用して社会の在り方を根本から変えるような都市設計の取り組みだ。一から新しい街を作り上げる「グリーンフィールド」型と、既存の街を作り変える「ブラウンフィールド」型の二つのアプローチがある。日本国内では活用できるテクノロジーはほぼそろっているが、実践する場がない。そこで国家戦略特区制度を生かして、住民と競争力を持った事業者の協力のもとにスーパーシティを実現させようとしている。これが5月に成立した「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」の背景にある。スーパーシティ構想では、移動や物流、支払い、行政などの領域を広くカバーし、分野間のデータ連携によって住民が抱える課題の解決を目指す。

 以前から取り組まれているスマートシティは先進的なテクノロジーの活用で、都市や地域の機能・サービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るのが目的だ。快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する取り組みとして、Society 5.0の先行的な実現の場と見なされている。スマートシティは、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省などがそれぞれプロジェクトを推進している。

 スーパーシティとスマートシティは何が違うのか。内閣府 地方創生推進事務局 参次官補佐の井上貴至氏と阪本 悟氏はこう説明する。

「スマートシティでは、移動や物流などの分野ごとの取り組みを徐々に広げていく構想であったのに対し、スーパーシティでは最初から複数の分野を広くカバーし生活全般にまたがるという点と、大胆な規制改革を実施することが想定されているという点に違いがあります。これまでは、事業計画案の検討時に各省庁で調整が入り、その段階で事業が断念されるケースもありました。しかし、スーパーシティでは内閣府が加わって規制改革を含む事業内容を一体的に検討します。その内容を各省の調整前に公表することで、各省の検討が同時・一体・包括的に進められるように後押しします」
 スーパーシティは、国家戦略特区の特性を生かしたより大胆な取り組みとなるのだ。

KEYWORD:国家戦略特区制度
成長戦略の実現に必要な、大胆な規制・制度改革を実行し、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出することを目的に創設された。国家戦略特別区域法は2013年12月に成立。

KEYWORD:Society 5.0
内閣府の第5期科学技術基本計画で、日本が目指すべき未来社会の姿として提唱された。サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムで、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会。

地域事業者のビジネスチャンス

 スーパーシティ構想を実現するための国家戦略特別区域法の一部を改正する法律が今年の9月1日から施行されたのを受けて、12月を目途に各自治体にスーパーシティの公募が行われ、来年3月ごろまでに公募の締め切りと各応募の自治体の評価を実施し、春ごろにスーパーシティの区域が指定される見込みだ。

 すでに地域の課題解決のアイデアを持った自治体と事業者とのマッチングを推進するための「スーパーシティ・オープンラボ」が設立されており、ホームページ上では、スーパーシティ構想における自治体アイデアの公募に応募した自治体の状況と、事業者などからの情報提供の希望分野がある場合にはマッチング希望分野が表示されるようになっている。スーパーシティ構想は、地域と事業者と国が一体となって目指す取り組みであり、地域の課題を理解している地域に根ざした事業者のビジネスチャンスにもなる。「スーパーシティの推進で、新型コロナウイルスの感染拡大で浮き彫りになった問題などを解決するお手伝いをしていきたいですね」と井上氏と阪本氏は声をそろえる。

スーパーシティ構想では、上記のような領域(少なくとも5 領域以上)を広くカバーし、生活全般にまたがることが求められる。住民参画、住民目線がポイント。
内閣府のホームページ上で各自治体のマッチング希望分野を公開し、事業者との具体的なマッチングを促進している。

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