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テレワーク環境をサポートするデザインツールの最新機能

テレワーク環境をサポートするデザインツールの最新機能

2020年10月09日更新

ソフトウェアベンダーが教える
デザインツールの最新動向

クラウドでチーム作業を円滑に

アドビ

アドビ 古村秀幸氏

古村氏 新型コロナウイルスによって、改めて場所を問わない仕事・制作環境の確保の重要性が見直されました。テレワークの普及でクリエイターの在宅勤務も増えているようです。その際に、オフィスと同じ環境を在宅で構築する上で貢献しているのがサブスクリプションの仕組みです。

 当社が提供する「Adobe Creative Cloud」のサブスクリプションは、1ライセンスで2台のデバイスにインストールして使えるため、オフィスと自宅で使い分けられます。そうしたテレワークでの利用形態も踏まえて、Adobe Creative Cloudのライセンス販売が実際に増加しています。働き方の見直しに合わせて新規に購入されるユーザーも増えているようです。

 在宅勤務などのテレワークでは、チームのコミュニケーションが取りづらくなるデメリットがあります。そのため、クリエイティブツールにおいても、クラウドを介して共有作業ができる機能の積極的な活用が必要でしょう。例えば、Adobe Creative Cloudでは、クラウド上で素材のやりとりができる機能や、制作物の共同レビューができる機能が利用可能です。このような機能を使うことで、チームのメンバーが同じ場所にいなくても、業務を円滑に進められるようになるのです。

 Adobe Creative Cloudには100GBのクラウドストレージも付与されています。クラウドストレージを活用すれば、オフィスと自宅環境におけるデータのやりとりで、外付けHDDなどを持ち運ぶ必要がなくなります。

不確実な環境に対応できるツールを

オートデスク

オートデスク 加藤久喜氏

加藤氏 オートデスクでは、以前からクラウドに多くの投資をしてきました。当社が提供する製品はサブスクリプション体系で、ワンライセンスで3台までのデバイスにインストールして利用できます。オフィスや自宅で使用するマシンにそれぞれインストールして使えるため、働く場所や働き方を柔軟に選べるのです。

 AzureやAWSなどの仮想環境のマシンにもインストールして利用可能で、VDIでも稼働させられます。オフィスのワークステーション上での利用だけでなく、データをクラウドで共有したり、クラウド上に作業環境を構築するような環境が実現するのです。

 オートデスクが提供している「AutoCAD」は、建設土木や製造、メディア&エンターテインメントの分野で利用されています。例えば建設土木では、コロナ以前からモバイルデバイスやクラウドの活用は広がっており、現在は設計中のデータもクラウドで共有して作業するような状況に至っています。製造業ではVDIでAutoCADを稼働させるケースも増えています。

 これまでは、5年や10年の働き方を見据えてシステムが導入されてきました。しかし、今は企業を取り巻く状況が非常に流動的で、5年や10年といった長い期間を見据えたシステム導入が難しくなっています。これからの時代には、不確実な環境にも対応できるシステムやツールの利用が求められているのです。そうしたニーズに当社の製品は応えていきます。

DESIGN TOOL

コロナ禍の中、クリエイターの作業環境にも変化が生じている。
デザインツールはどう支えていくのか。

Adobe Creative Cloud

在宅環境でも共同作業できる機能を拡充

 アドビのAdobe Creative Cloudには、コロナ禍におけるテレワークでの作業を効率化させる仕組みや機能が用意されている。

 例えば、1ライセンスで2台のデバイスにインストールできるため、オフィスと自宅のPCにインストールしてそれぞれで作業が可能な状況を作れる。その際、データの移動が手間となるが、アドビでは「クラウドドキュメント」というクラウドのスペースを用意している。Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorで作業したドキュメントの保存先としてクラウドドキュメントを選択することで、そのドキュメントがアドビのクラウドに自動的にアップロードされ、オフィスと自宅のデバイスからいつでもアクセスして作業できるようになるのだ。

 クラウドドキュメントに保存したドキュメントはオフラインでも編集できる。オンラインになったときにドキュメントは自動的にアドビのクラウドにアップロードされる。

 指定したユーザーとライブラリやプライベートフォルダーを共有して、コンテンツを共同で編集できるようにする「Creative Cloud ライブラリ/フォルダー」も用意されている。「素材のやりとりや共同編集などに活用できます。例えばCreative Cloud ライブラリに保存された素材は、編集しているドキュメントに一気に反映させたりすることも可能です」(アドビ マーケティング本部 Creative Cloud執行役員 古村秀幸氏)

 Adobe InDesignには、共同レビューの機能が備わっている。Webのリンクでレビュー担当者とデザインの共有が可能になるのだ。レビューやコメントはオンラインで行え、レビュー担当者のコメントはInDesignに取り込まれる。コメントを参照しながら、アプリ内で必要な変更を実行できる。

 クラウドを経由した共同作業向けの機能の需要増に加えて、最近ではiPad用のアプリケーションのニーズも高まっているという。直近ではiPad用のドロー&ペイントアプリケーション「Adobe Fresco」の提供を開始しており、近日中にはiPad版のAdobe Illustratorもリリースされる予定だ。

 これらのアプリケーションが普及すれば、クリエイティブ分野におけるタブレット提案のビジネスチャンスも拡大しそうだ。

作ったドキュメントの保存場所としてクラウドの選択も可能。複数デバイスで作業する際に便利だ。InDesignでは制作物をレビューするための共有も行える。
AutoCAD

他社クラウドストレージと連携

 オートデスクが提供する「AutoCAD」は、PCやタブレット、スマートフォンなどプラットフォームを問わず利用できる柔軟性が特長だ。サブスクリプションメンバーであれば、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションも利用でき、状況に応じて広く使い分けが可能になる。テレワークやリモートワークといったさまざまな業務環境に適応しやすくなるだろう。また、25GBのクラウドストレージが付与され、「共有ビュー」機能によってクラウド経由で簡単に図面のチェックなども行える。クラウドストレージについては、他社のクラウドストレージとの連携も強化しており、他社のクラウドストレージサービス上に保存されたDWGファイルの表示と編集が可能になっている。

 i-Construction(国土交通省による建設現場のIT化施策)などの動きもあり、クラウドサービスやモバイルデバイスの利用が進みつつある建設現場では、クラウド環境でBIM(Building Information Modeling)データを扱える「BIM 360 Design」などの活用も広がっている。「設計段階からデータがクラウドでシェアされ、各段階でのフィードバックがクラウド経由で行えます」(オートデスク 技術営業本部長 加藤久喜氏)

 オートデスクは2012年ごろからクラウド化やモバイルデバイス対応に着手し、ライセンス形態も変化させてきた。「今後も、テレワークや在宅勤務など柔軟な働き方をサポートする機能の提供やチームコラボレーション機能を拡充するなど、時代に合わせた開発を進めていきます」(加藤氏)

AutoCADは、PCやタブレット、スマートフォンなど、プラットフォームを問わず利用できる。Webアプリやモバイルアプリも用意。30年以上前にAutoCADで作成された図面データが最新バージョンでも開ける互換性も魅力。

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