
アセスメントにより実使用に即した適正構成でHCI製品を提供
サーバー、ストレージを最新のHCI製品にリプレース
アセスメントにより実使用に即した適正構成で提供
~製造業・化学工業・医薬品~
[Case-04] 高田製薬株式会社
高田製薬は小児科およびアレルギー疾患領域で高い評価を受けている後発医薬品(ジェネリック医薬品)メーカーだ。後発医薬品は先発医薬品の有効成分や効能・効果、用法・用量を原則同一とするが、高田製薬では独自の工夫を施すことで使いやすさ、飲みやすさを追求して差別化を図っている。同社は基盤系や業務系、セキュリティ系など異なるさまざまなシステムを運用するサーバーの保守期限に伴い、HCI製品である「HPE SimpliVity 380 Gen10 Small」を導入した。
保守期限までのわずかな期間で
サーバーのリプレースを実施
高田製薬では売上情報BIやID管理、SMTPやNTP、社内開発ツールなど基盤系、業務系、セキュリティ系など多岐にわたるシステムを合計8台、12U分のサーバーやストレージで運用していた。
高田製薬における情報システム部門の役割について同社のコーポレート本部 情報システム部 部長 永翁千寿氏は「事業展開におけるITの役割は『インフラ維持』『システム安定稼働』『障害対応』『セキュリティ管理』などの従来業務に加えて、『クラウド化』『アウトソーシング』『自動化』『仮想化』『情報可視化』などを進めることで戦略実現に貢献していくべきだと考えています。またビジネス部門とのコラボレーションをさらに進め、単なるIT担当からよき相談相手となり、ビジネス遂行の一翼を担い、頼れる、なくてはならない存在になることです」と説明する。
2015年3月に導入した従来の環境はサーバー障害によるシステム停止もなく、安定性という観点においては問題なかった。ただしスロットの空きなどの問題でCPUやメモリーの拡張ができないなど、システムのパフォーマンス向上やシステムの新規導入においては課題を感じていた。
また保守期限も迫っていた。従来の環境の保守期限は2020年3月であったが、高田製薬は延長保守を検討していた。ところが保守期限を更新することはできなかった。そのため2020年3月の保守期限までにサーバーおよびストレージをリプレースしなければならなくなった。延長保守が受けられずリプレースの検討を開始したのが2019年5月ごろと、保守期限まで1年を切るわずかな期間しか残されていなかった。
リプレースの検討を始めた同社は新しい環境に対してハードウェアの拡張性とシステムの運用性に優れた機器の導入を要望し、以前より取引のある2社のパートナーと取引実績のない新規の1社、合計3社に提案を依頼した。その新規の1社がディーアイエスソリューション(以下、DSol)が担ぐパートナーだった。
技術力と誠意を評価して選定
初めてのHCI製品導入を託す
今回のリプレースを依頼した経緯について高田製薬 コーポレート本部 情報システム部 IT戦略課 課長 柴崎拓人氏は「実は提案を依頼したのは2回目でした。2018年に生産系基幹システムのサーバー基盤を再構築したのですが、その際にDSolを含むパートナーに提案を依頼しました」と説明する。
そして「DSolとの接点は展示会での名刺交換で、その際の会話で技術力の高さがうかがえたため提案を依頼しました。残念ながら前回のプロジェクトでは提案を最後まで検討しましたが他社に依頼しました。その際も提案の内容と会話からDSolの技術力の高さを確信しました。そこで今回も提案をお願いしようと依頼したのです」と話を続ける。
さらにDSolの誠実な姿勢も高く評価したという。高田製薬 コーポレート本部 情報システム部 IT戦略課 青木 啓氏は「前回のプロジェクトでは取引に至りませんでしたが、その後も定期的に当社に来社してサーバーやネットワーク、Office 365関連の情報提供や提案をしてくれました。取引実績のない当社に積極的に情報提供や提案をしてくれる姿勢に誠意を感じました」と話す。
高田製薬は今回のプロジェクトでHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー)製品を導入した。同社にとってHCI製品の導入は初めての試みだ。柴崎氏は「一般的な3層構造の仮想基盤の方が当社の経験値を含めてリスクは少ないと感じていましたが、現在はパートナーの導入実績も増え、ノウハウもたまってきたことからHCI製品を前提とした検討にチャレンジしました」と説明する。
高田製薬の依頼に対してDSolは提案に先立ちHCI製品のサイジングをするために既存環境の仮想サーバーのアプリケーションごとの割り当てリソースと物理サーバーのリソースを調査するとともに、実利用リソースを把握するためにアセスメントを実施した。
アセスメントによるサイジング
適正構成で過剰投資を抑制
DSol ネットワークソリューション部 ネットワークソリューション2課 課長代理 寺嶋俊雄氏は「アセスメントツールを利用して既存環境の実利用リソースを調査し、その結果をもとに「HPE SimpliVity」を2台構成とする環境を提案しました」と説明する。
提案を受けた高田製薬の永翁氏は「他社が移行元のサーバーのリソースの100%を使用した場合のサイジングをしたのに対してDSolはアセスメントを実施して実使用に基づく現実的なサイジングでの構成を提案してくれました。適正な構成で拡張も可能なため過剰投資にならない提案内容を高く評価しました」と説明する。
さらに柴崎氏は「他社の保守がハードウェアのみなのに対してDSolはさらにベンダー側での保守も対応可能なことと、構築と保守の対応要員が別なため構築担当に依存しない保守体制も評価しました。実際にDSolの保守チームと構築担当が連携して、当社の問い合わせや要望に即座に対応してもらっています。実は以前の環境では構築担当が保守も行っており、構築担当が出張などで不在の際は対応が遅延するという不満がありました」と話を続ける。
実際の構築、移行はトラブルもなくスムーズに完了した。高田製薬の青木氏は「設計に問題がなければ、設計通りに構築することですんなり進むものです。しかしパラメーターを漏れなく設計するには、十分なコミュニケーションが必要です。DSolとは初めての取引にもかかわらず当社の環境や業務を理解していただき、問い合わせや要望に的確かつ即座に対応してくれたおかげでコミュニケーションが円滑に行えました。その結果、保守期限切れの前に無事にシステムを新しい環境に移行することができました」と喜ぶ。
DSol ネットワークソリューション部 ネットワークソリューション2課 係長 柴田英昭氏は「初めてのお取引という点において、コミュニケーションミスによるトラブルには特に注意しました。仕様を詰めるためのメールや電話、打ち合わせを欠かさず認識合わせを行ったほか、HPE SimpliVityの日本語ドキュメントの提供や、構築時のQ&Aを作成して説明させていただくなどして構築を進めました」と説明する。
永翁氏は「今後はHCIの得意分野と言われるVDIや、より業務に直結した基幹系システムも新しい環境で運用可能か検討を進めていきたいと考えています。またクラウドの活用を含めた検討も進めて、互いにビジネスパートナーとして成果を出していくことを期待しています」と今後の展望を語った。
※取材は「Cisco Webex Meetings」と「Cisco Webex Room Kit」を使ってリモートで実施し、モニターの画面を撮影しました。
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