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セキュリティもクラウドネイティブの時代へ

セキュリティもクラウドネイティブの時代へ

2020年09月04日更新

ニューノーマル時代の
セキュリティフレームワークを検討する

新型コロナウイルスによって幕が開けたニューノーマル(新常態)時代は、仕事の仕方の変化とともにセキュリティの認識も改める必要がありそうだ。注目されるセキュリティの概念の解説と関連したソリューションの最新情報をリポートする。

ニューノーマル時代の変化
デジタル中心の世界のセキュリティ

Introduction

新型コロナウイルスの世界的な蔓延は、仕事を含めた生活全般に多大な影響を及ぼしている。顕著に表れているのが、デジタル化やオンライン化への移行だ。そうしたスタイルの変化は、セキュリティの考え方に対してもアップデートを迫っている。

日常やビジネスがオンライン化

 新型コロナウイルスは、従来までの世界から「移動」の自由を奪った。感染拡大を防ぐために、国内では3密(密閉、密集、密接)を避ける行動が推奨され、県をまたぐ移動が自粛されたり、国外への移動が大きな制限下にあったりする。国による緊急事態宣言が出された際には、多数の労働者が半ば強制的にテレワーク環境に置かれた。企業はテレワーク環境を整備するために関連サービスや製品の導入を急いだ。普段の生活においても、国や自治体から外出の自粛が要請されたことで、娯楽や買い物などをオンラインで済ませるケースが増えた。

 こうした状況について、シスコシステムズ 執行役員 セキュリティ事業担当の田井祥雅氏は「人の移動が制限される中で、デジタル化やオンライン化への意識が世界規模で加速しました。ビジネスの継続にとっても、それらはこれまで以上に重要な要素としてクローズアップされることになったのです」と話す。

 コロナ禍の中で、新しい生活規範などを示す「ニューノーマル」(新常態)という言葉が使われ始めた。実際に生じる変化についてシスコシステムズでは以下の図のように解説している。日常活動のデジタル化やオンライン化に伴って、働き方やビジネスモデルに変化が生じる。また、デジタル化やオンライン化を支えるインフラが従来にも増して存在感を強めていく。ビジネスにとっては、ネットワークやクラウドの活用が生命線となっていく――。

 このようなニューノーマル時代の変化については、日本アイ・ビー・エム セキュリティー事業本部 コンサルティング&システム・インテグレーション シニア・アーキテクトの吉田浩司氏もこう表現する。「全てがデジタル前提の価値観になるのがニューノーマル時代です。デジタルが中心となり、企業や家庭、学校の生活が形成されていくのです」

 デジタル化やオンライン化は、5Gへのシフトの加速、ビジネスモデルや産業構造の変革、事業継続やデジタル化対応のためのクラウド活用、そして、組織文化や制度の見直しにまで波及する。

セキュリティもクラウドネイティブに

 デジタル化やオンライン化がビジネスに与える影響は、業務の在り方だけにとどまらない。それはすでに全ての企業で経営課題として捉えることが迫られているセキュリティの考え方に対しても、アップデートを促している。

 従業員宅やサテライトオフィスなどさまざまな場所で仕事ができる環境が整備されることで、ネットワークや業務で使用するアプリケーションへのアクセス経路が多様化する。アプリケーションの提供場所も従来のように社内一辺倒ではなく、クラウドが積極的に活用されるなど流動的になる。

 こうした変化においてシスコシステムズの田井氏は、「クラウドネイティブが常態となり、さまざまなリソースがクラウド上に配置されるようになる中で、セキュリティに対して従来までと同じ考え方では安全を確保できません」と指摘する。

 すでに企業では、テレワークの導入などで新常態への移行が進んでいる。モバイルPCの配布やVPNの増強、BYODの認可と合わせて、在宅勤務ができるように持ち出しPCの申請を簡素化したり、個人所有のPCからの社内ネットワークへの接続許可なども行われているようだが、こうした急激な変化の中において、適切なセキュリティ環境が構築できているケースは少ないと日本アイ・ビー・エムの吉田氏は話す。

「事業を継続させるためにリモートワークへの移行は不可欠でしたが、セキュリティを考慮する猶予がなく、セキュリティレベルが低下しています。これからは働き方改革も踏まえて、リモートワークによる生産性の向上とセキュリティを両立していく必要があります。合わせて、デジタルトランスフォーメーションで変化を続ける企業のITシステムのセキュリティ対策や、複雑化するセキュリティへの対応も不可欠でしょう」

 このような変化、ニューノーマル時代が到来している今、企業セキュリティの最新の考え方として注目を集めているのが、「ゼロトラスト」や「SASE(Secure Access Service Edge)」だ。

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