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BEENOSと本宿小学校が取り組む「はとの子オンライン教育プロジェクト」

BEENOSと本宿小学校が取り組む「はとの子オンライン教育プロジェクト」

2020年09月23日更新

コロナ禍でも学びを止めないオンライン教育プロジェクト

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、3月2日から春休みまでの期間を全国的に臨時休校とする要請があったことは記憶に新しい。そうした環境下でも学びを止めないため、オンライン授業の実施に取り組んだ学校現場もある。武蔵野市立本宿小学校もその一つだ。同校のICT教育整備をサポートしたBEENOSに、その背景を聞いた。

改めて見直されるオンライン教育

 3月2日から全国の小学校、中学校、高等学校で順次始まった臨時休校措置。当初は春休みまでの間とされていたが、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況の中、春休み終了後も休校期間を延長する自治体が相次いだ。

 そうした環境の中問題となったのが、児童生徒の学びの継続性だ。多くの学校現場では夏休みの宿題のようなスタイルで、子供たちが自宅での家庭学習に取り組むことで学びを継続できるようにしていたが、基本的に児童生徒の自主性に委ねられる自学自習の学びになってしまう点や、授業を通じて教員や友達から学びを得ることができなくなってしまう点など、課題は多く散見された。また、学校という場は授業を受けるためだけではなく、児童生徒同士で遊んだりコミュニケーションを取ることによる情操教育効果もある。机に向かって勉強するだけでは学びとして不十分になってしまうのだ。

 コロナ禍による教育現場の課題を解決するために注目されているのが、オンライン教育(授業)だ。多くの企業が対面での会議をオンライン会議に切り替えたように、学校現場でも対面の授業からオンライン授業にシフトすることで、学びの継続性を図れる。

 Eコマース事業やインキュベーション事業などを手がけるBEENOSは、これらの臨時休校の課題を解決するため、子供たちの学びの機会を守ることを目的としたCSR活動として、武蔵野市立本宿小学校(以下、本宿小学校)と連携して「はとの子オンライン教育プロジェクト」を共同で実施。BEENOSグループがこれまで培ってきたテクノロジーを生かし、本宿小学校に対して情報セキュリティ対策の知見の提供や環境設定を実施することで、オンライン教育の推進を図るための基盤構築を産学連携で行った。

教育現場にはエンジニアが不足

 BEENOSグループ BeeCruise 技術推進開発部 サブマネージャー 柴田 健氏は「当社からはオンラインで学習するための環境がない家庭へのタブレットの貸与や、教員へPCやルーターの貸与などを行いました。教員用の端末にはChromebook、児童用の端末にはAndroidタブレットを選定しています」と語る。本宿小学校ではGIGAスクール予算に基づき、自治体からのタブレットが配布されたが「学校で利用する上での制約が多く、オンライン授業を実施するには少々不十分な性能でした」と柴田氏は指摘する。

 BEENOSでは、オンライン授業を始める前にまずは教員に対するマニュアルの作成や、オリエンテーションを実施した。双方向型オンライン授業を実施するため、Web会議ツール「Google Meet」を採用。本宿小学校ではオンライン授業への取り組みは初めてとなるため、最初は「オンライン朝の会」でテストしながら、Google Meetの操作方法などに慣れていった。

「最初のうちは、先生以外の児童の声や周辺の音声をマイクが拾ってしまい、スムーズなコミュニケーションが取れないなどトラブルも発生しましたが、使い続けるうちに“発言者以外はミュートにする”などのルールを徹底することで改善していきました。オンライン朝の会は5月18日から、オンライン授業の実施は5月25日からスタートしており、段階的にオンライン授業への移行を進めました」(柴田氏)

 実際の授業では、3年生の図工の授業でお面作りを行い、Google Meetの画面マトリクスで作ったお面を学級全体で共有したり、社会科の授業で地図記号を教員が画面上に表示して、児童がそれを当てるといった学びも行ったという。

 柴田氏は「本宿小学校では4月に1度クラスメイトと顔を合わせただけで休校期間となってしまっていましたが、オンライン朝の会やオンライン授業によって、学校が再開した際もスムーズな学級運営が実現できたようです。また、不登校の児童もオンラインで朝の会や授業に参加できたなど、意外な効果も生まれており、本宿小学校の校長先生や教頭先生も感動していました」と語る。

 本宿小学校は13クラスあり、同時にオンライン授業を実施するとトラブルが発生することもあったようだ。それらのトラブルシューティングもBEENOSが対応した。「今回のプロジェクトを経て、教育現場には圧倒的にエンジニアが不足していると体感しました。テクノロジーに対する知見がある人も少ないため、弊社エンジニアがサポートしました。今回のはとの子オンライン教育プロジェクトは、弊社のCSR活用の一環のため別の学校へ横展開する予定はありませんが、プロジェクトの知見をもとに、産学が連携した地域社会のデジタルシフトを支援するモデルケースを構築し、オンライン授業を支援する後続のIT企業が増えてくれればうれしいですね」と柴田氏は締めくくった。

オンライン教育を実施する前に、本宿小学校の教員に対してオリエンテーションを実施。セットアップからマニュアルに基づいた授業の進め方をレクチャーした。
教員にとっても双方向型オンライン授業は初めての取り組みとなるため、はじめは「オンライン朝の会」からスタート。徐々に授業に取り入れていった。

オンライン教育導入は喫緊の課題
インテルの教育市場への取り組み

 インテルは、現在国内教育市場において、「1人1台教育PC実現」「次世代教育サポート」「教育DcX/New Tech推進」の三つの柱に基づき、教育のICT化を進めている。

 7月1日に開催されたオンラインプレスセミナーに登壇した同社 執行役員 パートナー事業本部 兼 クライアントコンピューティング事業統括 井田昌也氏は「コロナ禍によりオンライン教育の導入は喫緊の課題とされています。当社では1人1台に求められる1,700万台市場の早期実現を目指すほか、次世代教育サポートにおいてオンライン教育推進や、教員スキルアップのための研修開発、提供を進めていきます」と語る。

 オンライン教育においては、Withコロナの環境下において、通常授業とオンライン授業の併用を推進するため、教員向けにオンライン教材制作やWeb授業実施の導入推進を行う。また、効果的なオンライン教育を実現するため、授業デザイン研修などの教員研修も強化していく。

 オンライン教育を推進していくため、ダイワボウ情報システム(DIS)と連携したキャンペーンも実施。「教員がオンライン授業を実施しにくい背景には、教材作成に当たってPC環境が不十分であったり、オンライン授業に対する知見が蓄積されていないことが挙げられます。DISさまの協力のもと、『DISおてがる遠隔授業パック』の提供を実施すると同時に、モニター校での実証実験を実施します。遠隔授業に必要なインテルvPro搭載端末や周辺機器をパッケージ化することで、オンライン授業のハードルを下げ、簡単に実践できることを実感してもらえればと考えています」と井田氏は語った。

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