
Magic Keyboardとも相性抜群な新型「iPad Pro」
iPad初のデュアルカメラを搭載
iPad Pro
AppleのiPadシリーズが発売されて10周年を迎えた。シリーズ最新モデルとなるのが2020年3月に発表された「iPad Pro」だ。背面に備えるデュアルカメラや「LiDARスキャナー」、従来以上に高速なパフォーマンスを実現する「A12Z Bionic」チップの搭載。さらにトラックパッドを備えたiPad Pro専用の「Magic Keyboard」も登場した。新型iPad Proの魅力とその可能性を探った。
text by 森村恵一
写真や動画の編集が快適に
新型iPad Proに搭載されているA12Z Bionicチップは、CPU、GPUともにApple独自設計のコアを採用している。CPUは、高性能コア(Vortex)を4基と高効率コア(Tempest)を4基組み合わせた構成で、1基のみの動作から、8基をフル稼働させる動作まで負荷状況に応じて変動制御できる。GPUのコア数も、前世代のiPad Proに搭載されていた「A12X Bionicチップ」の7基から8基に増強されており、グラフィック処理の高負荷状態でも高い性能を維持できる。4Kビデオの編集や3Dモデルのデザインなど、高度なグラフィック処理が求められるアプリの利用で高いパフォーマンスを発揮できるだろう。
液晶画面は、11インチと12.9インチの両サイズともに、画面の端から端まで広がる「Liquid Retinaディスプレイ」を採用している。リフレッシュレートを最大120Hzで切り替えられる「ProMotion」や自然な色彩を実現する「True Tone」などさまざまなテクノロジーを搭載し、写真や動画、ゲームなどの映像を色を鮮やかに再現する。
精度の高いLiDARスキャナー
iPad Proが最新のApple製品だと実感できるデザインが、背面のカメラだ。「iPhone 11/11 Pro」と同様に、四角い枠で囲まれたデザインに複数のレンズが並んでいる。しかし、iPad Proのカメラ構成は、iPhone 11/11 Proと異なる。メインのカメラは、12MPの広角レンズで4K動画が撮影できる。もう一つのレンズは10MPの超広角カメラで、より広い視野角の写真や動画を撮影できる。そして、iPhone 11 Proの望遠レンズの代わりに装備されたのが、最大5メートル先の対象物をレーザーで計測できる「LiDARスキャナー」だ。
LiDARスキャナーは、自動運転や三次元測量などで活用されている高精度な計測装置。iPadOSに、深度フレームワークが用意されたことで、LiDARスキャナーが計測した深度ポイントや二つのカメラとモーションセンサーからのデータを組み合わせて、被写体の距離や位置、動きを正確に測定できる。高精度な計測機能を備えたことで、iPad Proには新たな進化が期待できる。
例えば、ゲームアプリでは、カメラで撮影した現実の背景の中で、キャラクターを移動させられるようになる。ほかにも家具などを仮想空間に配置してインテリアを組んだり、アスリートのパフォーマンス測定にも活用できる。LiDARスキャナーは、平面的な動きだけではなく、腕の前後の動きなど深度のある動作も高い精度で計測できるため、フォームの診断などでより詳細な運動データを収集できるようになるだろう。
最新のiPad Proは、ノートPCのリプレースから、LiDARスキャナーを活用した新たな計測ソリューションの提供まで、幅広いビジネス用途の可能性を広げている。
相性抜群のキーボード
iPad Proを魅力的なタブレットにする周辺機器の一つが、新開発のMagic Keyboardである。最新のiPadOS 13.4には、タブレットに特化した機能が強化されており、その一つがトラックパッドやマウスによるポインター操作への対応だ。Magic Keyboardには、トラックパッドが装備されており、ディスプレイのタッチ操作で行っていた操作をトラックパッドの上で指を動かすジェスチャー操作で実現できるようになった。テキストのコピー&ペーストや表計算アプリのセルの選択などトラックパッドを使うことで操作が格段に容易になる。
トラックパッドだけではなく、Bluetooth対応のポインティングデバイスでも操作できるので、動画編集やグラフィックデザインなどの細かい作業も便利になる。iPad Proを本格的なビジネスガジェットとして活用したいならば、Magic Keyboardの組み合わせは必須と言えるだろう。
キーワードから記事を探す
-
第 1 位
Windows 10サポート終了の特需はない
-
第 2 位
戸田覚が教えるExcelやWordでの手書き機能の使い方
-
第 3 位
戸田覚が伝授「スマホでパワポのスライドを作ろう」
-
第 4 位
USB Type-Cを軸にしたノートPCと外付けモニターの活用法を戸田覚が伝授
-
第 5 位
「オフィス作業では大画面モニターを使って仕事をさくさくこなそう」by戸田覚
-
第 6 位
Blue Yonderと四つのハードウェア分野に事業を集中
-
第 7 位
戸田覚が「Microsoft To-Do」を利用したセルフ働き方改革を伝授
-
第 8 位
PCやスマホ活用時の目に優しい画面設定について戸田覚が伝授