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NECとDell Technologiesが考えるニューノーマル時代のIT戦略とは?

NECとDell Technologiesが考えるニューノーマル時代のIT戦略とは?

2020年07月06日更新

DIGITAL TRANS FORMATION
改めて問う 真のDX

新型コロナウイルスの感染拡大は、企業に対して事業形態の在り方、従業員の働き方の見直しを迫る大きな影響を及ぼしている。改めて今、求められているのは、業務の抜本的なデジタル化であり、従来から推進が図られているデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現だ。IT業界をリードする各社にこれからの企業システムについて聞いた。

ニューノーマル時代の四つの“T”

NEC

新しい生活様式の浸透で生じる変化に応えるため、NECはニューノーマル時代のキーワードとなる四つの“T”の側面から、ソリューションを提供していく。

デジタル化が急速に進む

「新型コロナウイルスの感染者が急増する中で、いかに事業を止めないか、提供するサービスを止めないかが、企業にとって大きな課題になりました。同時に、感染拡大の防止を目的とした新しい生活様式への変化などもあり、社会全体のデジタル化が従来の何倍もの速度で急速に進みつつあります」

 このように見解を示すのは、NEC IMC本部 シニアエキスパート 茂木 崇氏。国内でも外出の自粛などでオンラインの活用が進み、ネットワークの通信量が急増したのは、各方面の調査で明らかになっている。こうした中、顧客の変化に応じるため、企業自身も変化し、デジタル化、デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速していくとNECは考えている。

「新型コロナウイルスの影響で、働き方や顧客行動に変化が生じ、事業継続性の検討なども各所で着手されています。それらの変化や検討結果に対応するためのデジタル化が加速していくでしょう」(NEC デジタルビジネスオファリング本部 シニアマネージャー 藤戸靖久氏)

 働き方の変化は、テレワークやオンラインイベントの活用にもあらわれている。それらは、従来から指摘されてきた、いつでもどこでもオフィスと同じように業務ができる環境の整備へとつながる。顧客行動の変化では、オンラインでの購買などの増加に合わせた顧客との「接点改革」がデジタル化の方向性になるとNECは考えている。そして、事業継続性については、生産ラインや拠点の再配置、ロボットの導入・自動化、効率性の向上といった、デジタル化によるサプライチェーンの見直し・業務変革へと向かう。

NEC
茂木 崇 氏
NEC
藤戸靖久 氏

キーワードは四つの“T”

 ニューノーマル時代のデジタル化のキーワードとしてNECは四つの“T”を掲げる。それが、「Telework(テレワーク)」「Transformation(トランスフォーメーション)」「Transparency(トランスパレンシー)」「Touchless(タッチレス)」だ(下図参照)。これらのキーワードに関連したソリューションをNECは提案している。

 テレワークは、オンラインとオフラインの融合で実現する。「通勤はテレワークやオンライン会議で抑制」「出張はやむを得ない場合のみ」といった考え方が浸透していくと予測されるこれからの時代において、オンラインとオフラインの融合で、いずれの状態においても高い生産性を実現する業務環境を提供する。

 トランスフォーメーションは、従来のアナログな手作業による業務のデジタル化などを意味し、自動化や省力化、さらにはサブスクリプションなどの活用によるリソースの流動性の確保の実現などを指す。

 聞き慣れないトランスパレンシーは「透明性」などを意味し、デジタル化によってさまざまなリソースの可視化と管理の実現を可能にしていく。これは、「三密回避(ソーシャルディスタンス)」や「接触確認」などを念頭にしており、働く場所と人のつながりの可視化、オフィスや現場の三密の防止を可能にする。

 タッチレスは、非接触による感染の防止や安全確保が目的になる。「当社では顔認証の技術をベースにソリューションを提供していきます」(藤戸氏)

これからの時代に合わせた提案を推進

 NECが実際に提案するサービスは、下図のようになる。「現場、イベントを含めたオンライン・リアルのワークスペースを中心に、新しい生活様式に対応する四つのTをベースにしたサービスを迅速に提供してきます」と茂木氏はアピールする。

 図にあるような各種のサービスを用いて、例えばテレワークであれば、「会社環境へ安全にリモート接続したい」「離れていてもコラボレーションしたい」「従業員の健康と幸福を守りたい」「テレワークでも成果が見えるようにしたい」といったニーズに対応するソリューションを提案する。

 トランスフォーメーションでは、「紙文化から脱却したい」「AI・自動化で価値ある仕事にシフト」「デジタル化を徹底サポートしてほしい」といったニーズが想定されている。

「テレワーク環境の整備においては、セキュリティ対策も不可欠です。そこで当社では、導入時に必要な対策と、安全性を継続するために必要な対策の二つの観点から、最適なセキュリティソリューションを提案させていただくことも可能です。また、業務の自動化を実現するトランスフォーメーションでは、当社独自の技術を活用したAIチャットボットの提供で、高精度で高速な自動応答システムの構築なども可能にします」(藤戸氏)

 これらのソリューションは比較的短期の導入が可能なラインアップだ。NECはこれらのソリューションと合わせてコンサルティングなどの提供で、これからの時代に即したシステム提案を強化していくという。

デジタル変革とその支援

Dell Technologies

従来の仕組みを抜本的に見直し、その上で、「デジタル」にもっと仕事をさせる。
Dell Technologiesは総合的なソリューションの提供でデジタル変革を支える。

気付いたら、変える

「今仕事ができているから大丈夫」「変革の必要性には気付いているからいつでも始められる」こうした意識の蔓延が、国内企業の労働生産性の低さにつながっていると指摘するのはDell Technologies(デル) 日本最高技術責任者の黒田晴彦氏だ。「彼、彼女が頑張れば何とかなるという人依存の意識や体制が、労働生産性において主要先進7カ国中で最下位※を走り続けている要因となっているのではないでしょうか。これは新型コロナウイルスの感染が拡大する前までのテレワークの導入率の低さにもあらわれています」

 テレワークは、緊急事態宣言の影響もあり自粛環境下で不可欠な勤務環境として3月ごろから国内でも急速に環境が整備されてきたが、心がけるべきは、緊急事態にならなくても常に最善の環境を構築していくことだ。黒田氏は、「常にベストを追求すること、そして気付いたらすぐに変えることが、結果的に企業の労働生産性を高めるのです」とアドバイスする。現状の枠組みを前提とせず、「従来の仕組み・ルールを抜本的に見直し、その上で、『デジタル』にもっと仕事をさせられる環境を構築すべきですね」と続ける。

 そうした環境の実現に必要な要素としてDell Technologiesが紹介しているのが右ページの内容だ。これらの要素を満たす製品やサービスとして、Dell Technologiesはエッジからクラウドまでの全領域で最新のテクノロジーを採用したソリューションを提供している。
※出所:日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2019」

Dell Technologies(デル)
黒田晴彦 氏
Dell Technologies(デル)
瀧谷貴行 氏
Dell Technologies(デル)
木村佳博 氏

課題はIT担当者数の不足

 企業におけるデジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)への実際の着手状況はどうか。Dell Technologiesの調査では、従業員が5,000人以上の企業は75%程度、1,000~5,000人未満の企業は48%程度がDXをスタートさせているが、100~1,000人未満の中堅企業では20%程度とかなり低い状況にある。

 Dell Technologies(デル) 上席執行役員 広域営業統括本部長 瀧谷貴行氏は次のように分析する。「米国などに比べて日本のDXが遅れている理由としては、企業内のIT技術者が圧倒的に少なく、経営とITが融合できていない点が挙げられます。中堅以下の規模の企業になると、さらに情報システム担当者が少なくなり、守りのITへの投資になりがちです」

 同社が昨年末から今年1月にかけて行った「中堅企業IT投資動向調査 2020」(有効回答社数1,300)によれば、全体の49%はデジタル化への積極投資を考えており、人材育成による内製化を重視する企業も73%だった。一方で、サーバーの仮想化が未実施の企業が31%存在するなどIT化の遅れを示すデータも出ている。また、IT基盤の運用を外部リソースに求める割合は64%になった。このような中で最も課題だと捉えられたのは、IT担当者の数だ。調査対象の72%が3名以下であり、今後の増減傾向について、現状維持が8割近くを占めている。

2020年を中堅企業のDX元年に

 これらの結果から導き出された中堅企業におけるデジタル化の障壁は、以下の五つ。「何から始めれば良いか、情報交換をする場が少ない」「具体的な技術を学ぶ環境が少ない」「最新のIT技術の実装に必要なスキルが足りない」「実現したい取り組みを実装することが難しい」「従来型IT資産の運用に時間を取られてしまう」

 そこでDell Technologiesは、中堅企業向けに「共有」「学習」「育成」「実践」「支援」という五つのキーワードをもとにした支援策を用意した。「まず中堅企業に必要な情報を全てまとめた総合情報ポータルサイトを立ち上げました。さらに、オープンオフィスやバーチャルオープンオフィスの開催で、直接相談していただける場を提供しています」(Dell Technologies(デル) 広域営業統括本部 デジタルセールス&広域営業本部長 木村佳博氏)

 そして、情報の共有と技術を学ぶ場として、「中堅企業DX分科会」や「中堅企業DX TECH PLAY」などを開催し、人材を育成するための「中堅企業DX エンジニア養成講座」などを7月15日から開講する予定だ。さらに、DXの実践を支援するために「中堅企業DX アクセラレーションプログラム」を用意し、NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)の研究員による実装・定着化の支援や、開発するインフラ環境の支援・助成などを提供していく。これらの取り組みでDell Technologiesは、2020年を中堅企業のDX元年にすることを目指す。

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