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日本MS 小柳津氏とレノボ・ジャパン 大谷氏に聞くデジタル化とDX

日本MS 小柳津氏とレノボ・ジャパン 大谷氏に聞くデジタル化とDX

2020年07月07日更新

日常的にビジネスを効率化

Microsoft

日本マイクロソフト
小柳津 篤 氏

緊急事態宣言などが発令されても、普段と変わらずに業務を続けられる。これがあるべき姿だと、日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター エグゼクティブアドバイザー 小柳津 篤氏は提言する。



小柳津氏_ツールがあるにもかかわらず、使えてこなかった。その結果が今回の新型コロナウイルスによって明るみになったのではないでしょうか。業務が滞った企業の経営者はものすごく後悔されています。

新型コロナウイルスの影響があっても普段と変わらずに業務が継続できている当社に対して、多くのメディアから「BCP、事業継続と言えばマイクロソフトですね」と取材が入りました。しかし、そもそもの観点で間違っています。当社は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出た後も全く業務は滞っていませんが、それは緊急事態に備えてツールやサービスを利用していたからではありません。日常的にビジネスを効率化するためにツールやサービスを使いこなしてきたからこその結果なのです。現在は、業務を変革するいいタイミングです。その際に言えるのは、BCPや事業継続といった緊急事態のためではなく、あくまでも毎日のビジネスの効率化、そして競争力の向上を目的とした投資であるべきです。経営者にとっても、そうした提案の方が断然受け入れやすくなります。

当社も最初からできていたわけではありません。この10年ほど生産性を高めるためにクラウドサービスなどを活用してワークスタイル変革を実践してきました。いつでも、どこでも、誰とでも仕事ができる環境を作るためです。その結果として、2010年から2019年の間に、時間当たりの生産性は+224%、一人当たりの生産性は+202%、事業規模は+180%を達成しています。一方で、従業員数は-7%、業務時間は-13%、年間総印刷枚数は-79%になりました。仕事の量を減らし、働く時間を減らし、儲かる仕組みに変えてきた結果です。

さらにここまでしても、グローバルと比べるとまだ生産性の低さを指摘されます。そこで会議などの仕方を見直しました。会議は基本30分、人数は多くて5人、ツールはTeamsを使用する。何でも会議にするなというメッセージも込められています。こうした取り組みも非常に成果を挙げており、従業員満足度の向上にもつながっています。

まだまだ多くの企業はこうしたワークスタイルに行き着いていません。阻んでいるものは二つあります。一つはデジタル化ができていないことです。業務のデジタル化はデジタルトランスフォーメーション(DX)やワークスタイル変革の土台とも言えます。もう一つは人です。つまり従来の価値観が邪魔をしているのです。現在のタイミングは、価値観を改める契機にもなるはずです。重要なのは実際に実践してその成果を伝えていくこと。販売パートナーの皆さまも、Microsoft 365などを活用したデジタル化の成果を体験とともに提示していくことが必要でしょう。そこから始まるエンドユーザーのデジタル化が、DXへとつながっていくのです。

環境面への戦略的な投資が必要

Lenovo

レノボ・ジャパン
大谷光義 氏

テレワークを自社でも積極的に実践してきたレノボ・ジャパンは、そのノウハウを背景にPC販売を伸ばしているという。同社 コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 部長の大谷光義氏に状況を聞いた。



大谷氏_当社は従来からテレワークを推奨してきました。これまでは全社員の2割程度による実施でしたが、緊急事態宣言後は9割以上がテレワークに移行しました。日頃の取り組みが功を奏し、ほとんどの従業員がテレワーク環境で業務を遂行している現在もうまくいっていると手応えを感じています。一方で、エンドユーザーや販売パートナーの皆さまは苦戦されたケースも多いようでした。緊急事態宣言のような状況に陥ることは予想に難く、本腰を入れたテレワークの運用を行ってきたケースが少なかったのでしょう。今回の事態は会社に行くことの意味やオフィスの必要性について考える契機にもなっています。

いかに場所を問わず働ける環境を整備するか、その中で生産性を高めていけるか、そしてデジタルトランスフォーメーションへとステップアップさせていけるか。ITシステム、社内制度、文化などを抜本的に変えるタイミングになるでしょう。こうした中でPCの販売状況はどうだったのか。顕著なのはノートPC販売の比率が増えていることです。もともと大企業はノートPCへのシフトが進んでいましたが、この3月以降、中小規模のお客さまのノートPC移行が顕著に表れています。特にモバイルタイプのノートPCの需要が高まっていますね。

PCの周辺機器も売り上げを伸ばしています。ヘッドセットやスピーカーなどです。ノートPCと併用して利用できるサブモニターの需要も高まっています。ノートPCだけだとデスクトップPCと比較してどうしても画面は小さくなりがちで、ストレスがたまりやすくなります。サブモニターを一緒に利用すれば、作業領域が広がり、そうしたストレスの軽減が可能です。これらは、テレワークを効率的に実施するために有効な製品であり、環境づくりに役立ちます。

当社では、テレワークを導入してきた4年半のノウハウをもとに、「テレワーク環境ガイド」という冊子を作成し、無償で公開しています。そのガイドにも記してありますが、効率的にテレワークを行うには、通常のオフィスと同様に環境面への戦略的な投資が欠かせません。そこで当社が提供する周辺機器の紹介も含め、「部屋」「通話環境」「通信環境」「ノートPC」「ディスプレイ」の五つの側面から、テレワーク環境構築時のポイントを解説しています。販売パートナーの皆さまにとっても、製品提案の材料になるはずです。

先にも少し触れましたが、これからはオフィスのあるべき姿も検討していくべきです。より効率的に働けるオフィスが業務を効率化させます。例えば、当社ではAIを搭載したIoT統合エッジウェア「Gravio」とThinkCentre Nanoシリーズを組み合わせたオフィス環境改善ソリューションを提供しています。在宅環境と合わせてオフィス環境も刷新できれば、仕事の効率をさらに向上させられるでしょう。

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