
デルのワークステーションが出荷台数1位を獲得できた理由とは?
デルのワークステーションがNo.1に
モバイル需要に最新テクノロジーで応える
IDCの調査によると、2020年第1四半期、デルのワークステーションの国内出荷台数が1位を獲得した。グローバルでは2017年の第4四半期から出荷台数1位を継続※2してきているが、国内ではようやくトップの座にたどり着いた。その要因とデルのワークステーションの魅力に迫る。
国内でもモバイルニーズが高まる
「ワークステーションは、CADや映像編集といった従来の用途に加えて、ARやVR、そしてデータサイエンス、AIなどでの活用が増加し、市場が拡大しています」こう語るのは、デルでワークステーションのマーケティングを担当する湊 真吾氏だ。市場の拡大に合わせてデルのワークステーションの出荷も順調に伸び、2020年第1四半期の国内出荷台数1位の獲得につながった。
デルのワークステーションの販売が好調な理由について湊氏は次のように分析する。「モバイルのワークステーション需要が特に高くなっています。そうした市場において、7000シリーズ、5000シリーズ、3000シリーズの三つのラインアップをそろえる『Dell Precisionモバイル ワークステーション』の中でも、薄さと小ささを両立させた5000シリーズが販売を引っ張りました」
そもそも、モバイルワークステーションに対して、ユーザーはどのようなニーズを持っているのだろうか。「社内では自席、会議室、工場などさまざまな場所で利用する際の業務の効率性を求め、社外においては、外出先での打ち合わせやホテルなどの滞在先、そしてもちろん在宅勤務といったテレワークにおける業務の継続性が重視されます。すでにグローバルではワークステーションの4割程度がモバイルに移行している中で、日本においては2割未満でした。ただし、昨今の働き方改革や在宅勤務の需要もあって、モバイルワークステーションの伸び幅は非常に高まっているのです」(湊氏)
より薄く、より軽くをキーワードに
こうした市場環境の中で、デルはDell Precisionモバイル ワークステーションのラインアップを刷新した。目指したのは“ユーザーエクスペリエンスの向上”だ。ポイントは以下の三つ。
・没入できる作業性の実現(最新CPUやグラフィックス、ディスプレイを搭載)
・モバイル、携帯性、質感の向上
・多様化への対応(アプリケーションの組み合わせや個々人の使用方法への適応)
これらを念頭に、7000シリーズ、5000シリーズ、3000シリーズがそれぞれ新しくなり、さまざまな部分で強化が図られた。
例えば7000シリーズは、17インチ「Precision 7750」と15インチ「Precision 7550」があり、17インチはPrecisionのフラッグシップモデルだ。いずれも今回の強化では「より薄く、より軽く」をキーワードにPrecision 7750では、シャーシは約17%小型化し、フットプリントは約8%削減、Precision 7550は、シャーシを約19%小型化し、フットプリントを約9%削減している。
これまでのDell Precisionモバイル ワークステーションをけん引してきた5000シリーズは、15インチモデルに加えて17インチモデルを新たに用意し、画面の比率も変えた。従来までの16:9から16:10にしたのだ。「16:10にすることで作業領域の拡大を実現しています」と湊氏。17インチの「Precision 5750」と15インチの「Precision 5550」はいずれも4辺InfinityEdgeディスプレイを採用しており、画面占有率はPrecision 5750が94%、Precision 5550が89.3%。Precision 5550は、前モデルと比較して画面は6%拡大したにもかかわらず、シャーシは6%縮小させている。
AIベースのチューニングソフトが無償
デルが提供するモバイルワークステーションの優位点は、ユーザーの利用状況に応じてさまざまなチューニングをしてくれるAIベースのソフトウェア「Dell Optimizer for Precision」が搭載されている点にもある。
「アプリケーションやバッテリーの使用状況を学習し、パフォーマンスを最大化できるようにコントロールしてくれます。従来までは『Dell Precision Optimizer』の有償バージョンで提供されたAIベースの機能が、今回の新製品から無償で利用できるようになったのです」(湊氏)
魅力的な機能強化を果たしたDell Precisionモバイル ワークステーションは、ワークステーションとモバイルというそれぞれに高まる需要に1台で応える製品として、多くのビジネスチャンスを生みそうだ。