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戸田覚がポータブルSSDの魅力を解説

戸田覚がポータブルSSDの魅力を解説

2020年06月16日更新

データのやり取りを快適に

テーマ:ポータブルSSDは自宅作業にも最適

今回は、持ち歩けるストレージ「ポータブルSSD」を紹介する。自宅作業が増えている人も多いと思うが、会社とのデータのやりとりにはマストだ。クラウドストレージでもこと足りているかもしれないが、1台あればとても安心で便利に使える。

テレワーク環境を考慮

 一昔前まで、持ち歩けるストレージといえば、USBメモリーかポータブルHDDだった。USBメモリーは今も使われているが、容量が少ないので、今回の用途には合わない。なお、用途については後述する。

 ポータブルHDDももちろん購入できるが、2TBを超えるような大容量をお薦めする。500GBから1TB程度の容量なら、ポータブルSSDが便利だ。ポータブルSSDは、HDDより小さく軽量で、大きさは名刺程度。PCを入れるケースなどに一緒に収めることができるはずだ。SSDは、HDDよりも衝撃に強いので安心して使える。多少ラフに持ち歩いても、まず壊れることはないだろう。

 テレワークでは、多くの企業が自宅でも使えるPCを支給している。そのPCを会社で使うケースもあるし、会社には別途メインマシンが用意されている場合もある。また、自宅では個人所有のPCの利用許されている会社もみかける。

 1台のPCを自宅と会社で使う場合には、使用するデータはクラウドストレージにアップロードするのが一般的だ。複数のPCを使い分けるとしても、やはりデータはクラウドストレージを使うことになる。

 そのやり方でまず問題ない。だが、実際に使ってみるとたまにトラブルが発生する。よくありがちなのが、「データがうまく同期できない」ケースだ。理由はいくつか考えられるが、同期中にPCをシャットダウンするなどして、そもそも同期ができていないことがある。また、同じファイルが複数できてトラブルになることも。

 実はこれが一番多いのだが、自宅ではインターネットの回線が遅くて、同期が進まないことが少なくない。特に、集合住宅で回線を共有しているようなケースでは、巣ごもりなどの影響もありトラフィックが重なり過ぎている状況も考えられる。

 こんな、さまざまな事象で仕事が進まないのは、本末転倒だ。本来ならパフォーマンスを発揮できる時間に、イライラしながらファイルのダウンロード・アップロードが完了するのを待っていなければならないのだ。

SSPB-USC500Kの本体はラバーにくるまれていて、衝撃に強そうだ。非常に軽量なので安心して使える。USB 3.1 Gen 2対応のケーブルと、USB-A端子用のケーブルが付属する。

ポータブルSSDで全て解決

 ポータブルSSDなら、ファイル転送は高速なのですぐさま完了する。1台のPCを自宅と会社で持ち運んで使っている方は、「ローカルに保存しているから大丈夫」と思うかもしれないが、これこそ逆だ。PCの持ち歩きには、落下などによる故障の可能性がつきまとう。データが失われて、数時間かけた仕事が飛んでしまうリスクがあるのだ。

 仕事の内容によっては、大きなファイルを扱うケースもあるだろう。僕は、プレゼンのファイルや動画ファイルが大きく、完成したファイルのアップロードに時間がかかる。デスクトップで作成したファイルを、出先のモバイルノートで開こうと思っても、やっぱり重いのだ。こんな用途でも、ポータブルSSDが1台あれば全て解決する。

 例えば、日本サムスンの「T7 Touch」は、USB 3.2 Gen2対応で最大転送速度が1,050MB/s、500GBモデルで約2万円程度。アイオーデータ機器の「SSPB-USC500K」は、USB 3.1 Gen2に対応し、最大転送速度は530MB/s、500GBモデルで約1万5,000円程度だ。

 ただし、これらの高速なSSDを利用するには、PC側の対応もチェックする必要がある。例えば、T7 Touchを利用する場合、性能を最大限に引き出すには、USB 3.2 Gen2に対応している必要がある。利用にあたっては手元のPCとの互換性や対応を確認して欲しい。動画など特に大きなファイルを利用しなければ、SSPB-USC500Kで十分だ。逆に、4K動画を扱うなら、間違いなくT7 Touchがお薦めだ。

 手元でテストしたところ、USB 2.0接続のUSBメモリーで1時間20分かかる約22GBの動画の転送が、T7 Touchでは2分程度で完了した。仕事が終わって動画ファイルを持ち出そうと考えても、USB 2.0接続のUSBメモリーでは1時間20分待たされるのだ。もちろん、クラウドストレージへのアップロードはもっとかかるはずだ。

T7 Touchには、USB 3.2 Gen2対応のケーブルと、USB-A端子用のケーブルが付属する。
スマホやタブレットとも接続できる。

指紋センサーを搭載

 T7 Touchは、転送速度だけでなくセキュリティ機能に魅力がある。ハードウェア暗号化のパスワードだけでなく、本体搭載の指紋センサーでロックを解除できるのだ。スマホのように指紋センサーに指を当てれば利用可能で、普段使い慣れている方式なので違和感がない。

 パスワードは頻繁に使わないと忘れてしまう可能性が高いだけにリスクもあるが、指紋センサーならそんな心配はない。T7 Touchは最大4名までの指紋を登録できるので、部や課で使い回す際にも便利だ。

 T7 Touchは、スマホやタブレットとケーブル接続させて利用可能な点もいいところだ(対応機種はメーカーのWebサイトを確認していただきたい)。PCで作った動画を持ち出してiPadで見せる――といった使い方もできる。こちらも、クラウドストレージを使えば良いのだが、やはりファイルのアップロード、ダウンロードに時間がかかるので、T7 Touchを使うのが手っ取り早い。

 今回取り上げた2製品以外にも、ポータブルSSDは色々なモデルが発売されているので、利用を考えてみてはいかがだろうか。クラウド全盛の時代に、ちょっと古いデバイスと思うかもしれないが、実は案外便利なのだ。ただし、利用の可否は情シスなどに確認する必要がある。

T7 Touchは本体に指紋センサーを搭載している。
指紋センサーの利用もスマホと同じような感覚で行える。設定はPCのアプリで行う。

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