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全天球カメラ「RICOH THETA」シリーズのビジネス向けモデル

全天球カメラ「RICOH THETA」シリーズのビジネス向けモデル

2020年06月22日更新

不動産を中心としたビジネス利用に特化

RICOH THETA SC2 for Business

2013年11月に登場し360度という全方位を撮影できるユニークなカメラとして一世を風靡した「RICOH THETA」。リコーは新たにビジネス利用を想定した新モデル「RICOH THETA SC2 for Business」を発売した。これまでのRICOH THETAとは何が違うのか、その魅力とビジネスユースの可能性を探ってみた。
text by 森村恵一

動画や写真の全方位を見渡せる

 RICOH THETA SC2 for Businessは、RICOH THETAシリーズの最新ビジネスモデル。ベースとなっている「RICOH THETA SC2」は、360度撮影を気軽に楽しめる高性能なスタンダードモデル。本体の両面に搭載されたフロントレンズとリアレンズで全方位の撮影が可能で、本体に記録した画像や動画は、USBケーブルでPCに転送できる。Wi-Fi/Bluetoothでスマートフォンと接続して確認も可能だ。

 例えば、RICOH THETAで撮影したMPEG-4動画をPCに転送して、Windows 10の動画再生アプリ「映画&テレビ」で再生すると、マウスのドラッグ操作で360度全方位を閲覧できる。スマートフォンの専用アプリ「RICOH THETA」を使えば、転送した画像や動画を全天球で楽しめる。撮影した動画を再生しながら、画面をタッチしてぐるぐると周囲を見渡すことも可能だ。初めてRICOH THETAを利用すると、カメラやスマートフォンで撮影した二次元の画像とは違う、全ての周囲が映し出される全天球動画に感動するはずだ。

 そんなRICOH THETAのコンシューマー向けのモデルは、赤や青など4色のカラーバリエーションが楽しめるカラフルなデザイン。だが、ビジネスで使うユーザーには、色がポップ過ぎる印象だった。そこで、RICOH THETA SC2 for Businessでは、汚れの目立たないグレーを採用した。

上位モデルの機能を標準搭載

 RICOH THETA SC2 for Businessは、F値2.0の明るいレンズと最新のイメージセンサーを搭載し、約1,400万画素に相当する360度全天球イメージが撮影できる。

 動画は、4K(3,840×1,920ピクセル)相当の30fps(フレーム/秒)を最大で3分間録画が可能だ。屋内での撮影に威力を発揮するHDR撮影も強化されている。屋内と屋外の輝度差が大きいと生じる白飛びや黒つぶれを防ぐ。

 リコーでは、RICOH THETAシリーズのビジネス利用をリサーチし、その結果から不動産業で物件の室内撮影に活用されていると知った。しかし、一般向けに開発されたRICOH THETAシリーズでは、屋内に特化した撮影モードは用意されていない。特に撮影者が映り込まないセルフタイマーの利用や、明暗の多い屋内に適したHDR合成などの設定をマニュアルで操作しなければならない。そこで、RICOH THETA SC2 for Businessでは、新たに「Room」というプリセットモードを用意した。電源を入れると自動的にRoomモードで起動し、すぐに屋内での撮影に適したHDR撮影の設定で撮影できる。

 上位モデルの「RICOH THETA Z1」などでプラグインとして提供されていた「Time Shift Shooting」も標準で装備している。Time Shift Shootingとは、フロントレンズとリアレンズを片側ずつ時間差で撮影し、本体で360度の写真に合成する機能。通常の撮影では、一回のシャッターで360度を記録してしまうので、撮影者も映り込んでしまう。それを防ぐためには、離れた場所から人物が隠れてリモートでシャッターを切る必要があるが手間がかかる。

 RICOH THETA SC2 for BusinessをセットしてTime Shift Shootingを活用すれば、時間差をつけて二つのレンズで撮影が行われるので、撮影者はそのタイミングに合わせて撮影していない方のレンズ側に移動すればいい。不動産業者が室内を撮影するときに、手間をかけずに利用できる。まさに、不動産ビジネスに特化したビジネス向けモデルとなっている。

カーディーラーや建築現場でも使える

 RICOH THETA SC2 for BusinessのRoomモードは、不動産業だけではなく中古車販売業でも車内撮影で活用できる。リコーの実施したアンケートによれば、建築現場で工程の途中を記録したり、施主への報告などにも活用されている。さらに、Googleのストリートビューと組み合わせて、飲食店やショップなどがRICOH THETAで撮影した店内をリンクさせている例もある。

 ちなみに、RICOH THETAで撮影した360度の画像や動画を市販のVRビューアーと組み合わせれば、簡単にVRの世界を体感できる。アプリの表示形式をVRビューに切り替えて、VRビューアーにスマートフォンを挿入して覗き込めばいい。VRビューの映像は、頭の動きに合わせて移動するので、その場にいるような没入感を味わえる。

 360度撮影からVRソリューションとしての活用まで、RICOH THETAがあれば二次元の画像とは違う表現や臨場感を撮影できる。新型コロナウイルスの影響を受け、外出などが制限されている昨今の状況下においては、ネットを通した新しい体験や表現の方法として、RICOH THETAを活用したビジネス向けの全天球ソリューションがアピールできるだろう。Roomモードで屋内空間での表現力を強化したRICOH THETA SC2 for Businessは、そこに行った気にさせる魅力を提供できる新たなビジネスソリューションになる。

RICOH THETA SC2 for Businessは薄型・軽量設計で握りやすい。本体右側には電源ボタン、無線LANとBluetoothを切り替える無線ボタン、撮影モードを切り替えるModeボタン、セルフタイマーボタンを搭載する。
撮影写真はつなぎ処理の精度が高く、自然な360度画像や動画を記録できる。

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