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防災・災害情報の配信での利用が増えているデジタルサイネージ市場

防災・災害情報の配信での利用が増えているデジタルサイネージ市場

2020年06月03日更新

災害対策への活用進むデジタルサイネージ

Digital Signage

 矢野経済研究所は、国内のデジタルサイネージ市場動向・参入企業動向を調査し、将来展望を分析した。

 2019年度のデジタルサイネージ市場規模は、前年度比122.4%増の2,840億円で、今後も増加傾向が続くと予測している。背景としては、東京近郊で都市の再開発・街づくりが活発化したことや、新たに建設された商業施設やオフィスビル・ホテルなどでデジタルサイネージの導入が進んだことがある。地方においても道の駅や観光地などを中心にデジタルサイネージの導入が拡大したことが、デジタルサイネージ市場の拡大を後押しした。

 デジタルサイネージの利用用途をみていくと、商業施設や観光スポットでのインフォメーションの役割としての活用とともに、防災・災害情報の配信利用が増えているという。防災・災害情報の配信においては、訪日外国人客の増加に伴って多言語対応も求められている。日本語や英語・中国語・韓国語などのほか、タイ語やインドネシア語にも対応しているデジタルサイネージが増えていると分析した。

 デジタルサイネージは、顧客体験の向上を目的として、流通・小売業などでオンラインとオフラインをシームレスにつなぐサービスにも活用されている。例えば、スーパーの野菜売り場に設置したデジタルサイネージをレシピ動画サイトなどと連携させ、野菜に関連するレシピ動画を流したり、小売店の店頭に設置したデジタルサイネージにQRコードを表示することでオンラインサイトへの導線を作ったりした事例がある。

 上記を踏まえ、顧客とのコミュニケーションにつなげられるデジタルサイネージは、オンラインコンテンツとオフライン環境を融合する社会構造である「Online Merges with Offline」(OMO)の視点で改めて価値が見直されていると指摘した。

5G普及や大阪万博を背景に微増

 デジタルサイネージ市場の将来展望としては、2020年に都市の再開発需要が落ち着くとともに成長が鈍化すると矢野経済研究所では見込んでいる。

 しかし、5Gの普及や2025年に開催予定の大阪万博に加えて都市の開発需要の積み残しがあることから、同市場は微増傾向で推移していく見通しだ。また、4K・8Kの解像度の映像が瞬時に配信できるようになれば、デジタルサイネージで配信可能なコンテンツの幅は広がるという。

 同市場は今後も拡大が続き、2024年度のデジタルサイネージ市場規模は4,180億円にまで成長すると予測している。

※2019年度は見込値、2020年度以降は予測値。
※ネットワーク型デジタルサイネージを対象とするが、スマートフォン、タブレット端末サイズ以上の大型デジタルサイネージについてはスタンドアロン型(USBなどを差し込んで決まった動画や静止画を流すもの)も含む。
※デジタルサイネージ市場規模は、広告市場(広告主による広告出稿額ベース)、コンテンツ制作市場(制作事業者売上高ベース)、システム販売/構築市場(ハードウェアを含むシステム販売/構築事業者売上高ベース)を合算し、算出した。

2019年の国内IoT支出額は7兆1,537億円

Internet of Things

 IDC Japanは、国内IoT市場産業分野別予測とユースケース別の事例考察を発表した。

 2019年の国内IoT市場におけるユーザー支出額は、7兆1,537億円と予測している。同市場は2019~2024年の間に年間平均成長率12.1%で成長し、2024年には12兆6,363億円に達する見込みだ。

 主要産業分野別のIoT市場のうち、2019年時点で支出額が多い産業に組立製造業、プロセス製造業、官公庁、公共/公益団体、小売業、運輸業が挙げられた。製造業の支出額が大きい理由には、国内のGDPに占める製造業の割合が大きいことや、国策として製造業でIT/IoTの活用を推進していることなどが関係していると分析している。

 IDC Japan コミュニケーションズのシニアマーケットアナリストである鳥巣悠太氏は、国内のIoT市場の現状を以下のように解説する。「企業のビジネス競争の構図は『同一産業の企業同士』の競争から『さまざまな産業の企業が形成するエコシステム同士』の競争へと変化している。複数社間で社内業務の合理化などを協調的に進めることで、産業全体として各企業の競争力の底上げを図り、外部エコシステムに対抗することが肝心である」

2020年に屋内位置情報サービス市場は約2,500億円に

Location Information

 シード・プランニングは、屋内位置情報サービス市場に関する調査を実施した。

 屋内位置情報サービスは、ナビゲーションや人・モノの動線解析、特定位置に来訪する顧客などへのプロモーション配信などに活用されている。都市圏での人々の行動は80%以上が屋内空間で行われるといわれているが、屋内における位置情報の活用は屋外位置情報システムに比べて大きく遅れているという。理由としては、屋内で利用できる測位ポジショニングシステムのゴールデンスタンダードがまだ定着していないことが挙げられる。上記を踏まえ、屋内位置情報サービスにおけるインフラ整備コストや受信端末の価格は高止まりになっていると指摘した。

 今後は、国内の働き方改革において最重要課題である担い手不足への対応と労働生産性の向上に向け、ICT/IoTを活用したソリューションのニーズが広がると予測する。その中でも屋内位置情報サービスは、設備機器・従業者の所在確認や、 マーケティング活用・防災・従業員管理といった人流管理、コミュニケーションサービス、位置情報・施設内イベント情報の提供、災害発生時の避難誘導など施設利用者への利便性向上を目的として、ホテルや病院、工場・倉庫、鉄道駅ターミナルや空港などで普及が進むと期待される。同市場は、2020年に約2,500億円、2035年には1兆1,700億円に成長する予測だ。

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