
ロジクール、Jabra、ヤマハ、シスコ製品でWeb会議を快適に
声が聞きづらい、映像が暗い…
Web会議のストレスから開放してくれる
ヘッドセット、スピーカーフォン、カメラ
ヘッドセットやカメラが音声と映像を最適化
ここ数年、クラウドをベースとしたWeb会議ソリューションが普及してきていたが、実際に仕事で使うようになって、気付く課題は少なくない。ロジクール 法人事業本部 マーケティング部 部長の横山大介氏は、次のように指摘する。
「Web会議において重要なのは、お互いの顔を確認しながら、音声も明瞭に聞こえることです。表情は感情を伝える重要な要素であり、声だけでは会議が無機質なものになってしまいます。在宅勤務などのテレワークでは、疎外感によって仕事の効率が低下してしまうケースもあるでしょう。そうした疎外感も、お互いの顔をしっかりと見ながらコミュニケーションできる環境を整備することで、解消可能です」
例えば、PCのマイクとスピーカーでは、スピーカーの音をマイクが拾ってしまったり雑音が入ったりして、音声が非常に聞きづらくなるケースがある。そうした場合、ヘッドセットなどを利用すれば手軽に音声環境を改善できる。
製品の選定においては、例えば音声以外の音をノイズとしてカットしてくれる機能が搭載されていると、よりWeb会議時のやりとりがしやすくなる。
「在宅勤務では、家の状況によってさまざまなノイズが生じます。そうしたノイズをカットすることでストレスのないコミュニケーションが可能になります。ロジクール製品では、自分が話している声も認識しながら話せるようなヘッドセットも用意しています」(横山氏)
カメラで起こりがちなのは、室内の状況などで顔が暗くなって表情が見えづらくなってしまうケースだ。表情が見えないと、映像を使ったコミュニケーションの意味が大きく損なわれる。その場合は、画面の明るさのバランスを制御してくれるカメラなどを利用すると快適になる。「ロジクールでは、音声や映像を最適化するRightSenseテクノロジーを会議ソリューションに搭載させています。自社開発しているカメラも含めて、ヘッドセットからビデオ会議システムまでトータルで提供できる強みを持っています」(横山氏)
Web会議ソリューションの認定デバイスかどうかも指標に
Web会議ソリューションは多様なメーカーから提供されており、ヘッドセットやスピーカーフォンもまた、多くのメーカーが発売している。そのため、Web会議ソリューションとヘッドセットやスピーカーフォンの相性も生まれてくる。そうした中で製品選定の一つの指標となるのが「認定モデル」だ。Microsoft TeamsやZoomなどを利用する際、それらに最適化された(Microsoft TeamsやZoomに認定された)ヘッドセットやスピーカーフォンであれば、操作性や音質などにおいてより良い結果が得られるからだ。
Microsoft Teamsの認定を得ているJabraの製品について、GNオーディオジャパン 代表取締役社長の安藤 靖氏はこう話す。「4月に受注が開始されたビジネス向けヘッドセットの『Evolve2 85』などは、Microsoft Teams向けに調整・最適化されています。マイクロソフトと双方で検証しており、Microsoft Teamsを利用したWeb会議において、質の高いコミュニケーションを実現します」
例えば、従来から提供されていたヘッドセットEvolveシリーズの次世代バージョンとなるEvolve2シリーズでは、テレワークにより集中できるように、ハイブリッドアクティブノイズキャンセルと特殊なイヤークッションによってノイズキャンセルを50%向上させている。また40㎜のスピーカーと10個のマイクの搭載で、相手の声もクリアに聞こえ、自分の声もクリアに届けることができる。Web会議で問題になりがちな「声の聞こえづらさ」を解消できるのだ。
「Jabraの製品は、数万人規模のビジネスパーソンへのインタビューをもとに改善されてきています。Web会議ソリューションが当たり前のように使用される状況下で、よりよい環境でコミュニケーションをとりたいというニーズが高まっています。そうした声に応えられるのがJabraのヘッドセットやスピーカーフォンであり、カメラなのです」(GNオーディオジャパン マーケティング部 マーケティング スペシャリスト 粟野美咲氏)
ヘッドセットだと耳が痛くなる…
そんなときはスピーカーフォン
YVC-200をテレワークのデファクトに
在宅勤務でのWeb会議では、ヘッドセットやイヤフォンなどを利用するケースは少なくない。しかし、機器を耳や頭に装着するため、どうしても体に負担がかかる。1時間程度の会議でも耳が痛くなってしまう場合があるだろう。そんなときには、自宅でもスピーカーフォンを利用してみたい。耳に直接音声が伝わってくるヘッドセットやイヤフォンと異なり、身体へのストレスを軽減できるはずだ。
例えばヤマハでは、在宅勤務やサテライトオフィスでの利用も想定したポータブルサイズのスピーカーフォン「YVC-200」を提供している。双方向のスムーズな会話を実現する「適応型エコーキャンセラー」や、人の声と周囲の雑音を聞き分ける「Human Voice Activity Detection(HVAD)」機能などを搭載し、快適なWeb会議を可能にする製品だ。
「Web会議におけるトラブルやストレスはテレワークの大敵です。それらの課題を音声の面から解決できるのがYVC-200などの当社のスピーカーフォンです」(ヤマハ 音響事業本部 コミュニケーション事業部 マーケティング&セールス部 マーケティンググループ 西 和子氏)
もちろん、スピーカーフォンは周囲に音声が広がるため、状況によっては在宅環境や会社のオープンスペースでは使いにくい場合もある。機密性の高い内容でWeb会議の音声を周囲に聞かせたくない場合は、ヘッドセットなどを利用したほうが良いだろう。スピーカーフォンとヘッドセットなどは適材適所で使い分けるべきなのだ。
いずれにしても、Web会議の急激な利用増とともに、スピーカーフォンやヘッドセットなどのニーズもまた大きく伸びている。その際、Web会議で生じがちな音の問題については、音を専門にビジネスを営んできた専門メーカーと一緒に解決していくのが適切な選択と言えよう。「当社は、長年にわたって日本のユーザーのニーズを聞きながら製品を提供してきました。“音のヤマハ”が、お客さまのビジネスを支えていきます」(西氏)
各メーカーでは貸出機をそろえている。エンドユーザーには実際の使用感や効果を確かめてもらうことが、商機獲得への一番の近道だ。
「適材適所の提案でビジネスを拡大」
Web会議ソリューションの選定ポイントは?
テレワークが一気に広がったことで、Web会議ソリューションの活用も大幅に拡大している。シスコシステムズが提供するWebexなどは、フリートライアルの申し込み数が1日1万件にも上る日が出ているようだ。新規需要だけでなく、既存ユーザーによるライセンス数の拡大も増えているという。
自社内の利用に加えて、他社との会議でもWeb会議ソリューションを使用する機会が増えると、複数の製品を使い分ける状況になるケースもあるだろう。そうした中では、各Web会議ソリューションの特長が見えてくるはずだ。
Web会議ソリューションの選定ポイントはいくつかあるが、オフィス以外でも利用されるケースが多いソリューションの共通項目として挙げられるのは、やはりセキュリティだ。Web会議ソリューションは、ノートPCなどのように紛失による情報漏えいの心配はないが、会議自体に不正に参加されたり、会議内容が漏えいしてしまうリスクはある。シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏は、次のように見解を語る。
「Web会議ソリューションの選定において現在注目されているのはセキュリティ面ですね。セキュアな仕事環境を構築する上で欠かせない要素だからです。例えば、セキュリティポリシーが厳しく設けられている政府関連にも導入されているWebexでは、高い基準のセキュリティを備えています。シスコシステムズ自体がセキュリティベンダーである点も強みと言えるでしょう」
セキュリティの観点以外にも、取引先などの社外のユーザーとの会議のしやすさやスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでの使いやすさ、管理のしやすさなども企業利用におけるポイントになるだろう。シスコシステムズのWebexでは、シンプルなオンライン会議を実現する「Cisco Webex Meetings」や共同作業を可能にする「Cisco Webex Teams」などが利用できるが、いずれも連携していて、同じようにWeb会議が行える。また、1対Nの講演などに利用できる「Cisco Webex Events」も用意している。
「在宅勤務などのテレワークも進み、働き方改革の流れが元に戻ることはありません。こうした環境の中でWebexのようなWeb会議ソリューションは、リモートワーク時の充実したコミュニケーションの実現に貢献します。事業継続の観点からも、ぜひ提案を推進していただきたいですね」とシスコシステムズ ネクストジェネレーションミーティングセールスマネージャー 谷内健治氏は促す。Webexでは近々、自動翻訳などの機能も実装されていく。
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