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2本のアームで業務を代行するMira Robotics「ugo」

2本のアームで業務を代行するMira Robotics「ugo」

2020年06月12日更新

人の代わりにビルメンテナンス—ugo

労働人口減少問題を解決するアバターロボット「ugo」。Mira Roboticsが開発を手がける本製品は、ビルメンテナンスをはじめとしたビジネスシーンでの実証研究が進んでいる。


家事支援からビル警備へ“転身”

Mira Robotics
松井 健 氏

 ugoを開発した経緯について同社の代表取締役CEOを務める松井 健氏は「少子高齢化に伴い、労働力不足の減少が社会的な課題となっています。この課題に対してテクノロジーでどう解決できるかと考えたときに、アバターロボットによるサービス提供を思いつきました」と語る。

 当初は家事支援サービスとしてugoの開発に取り組んでいたMira Robotics。ロボットを人が遠隔操作することで、従来家事支援サービス普及の障壁となっていた「他人を家に入れる」という心理的な障壁や、人的コストによる負担の解決を図ることが狙いだった。そのため、洗濯物を干したり、整理整頓したりといった細かな動きがしやすいよう、2本のアームを搭載した。また家の中でも移動しやすいように足部にホイールを内蔵し、本体の高さ調節にも対応した。

 しかし、ugoの改良を進めていく中で、アバターロボットの需要はビルメンテナンスをはじめとしたビジネスシーンで非常に高いことが分かってきた。実際にMira Roboticsでは、ugoを活用したビル警備実証実験を総合ビルメンテナンスの大成と品川シーズンテラスと3社合同で2019年11月18日から12月15日の期間実施した。

「実証実験では、フロアの巡回警備と立哨警備を遠隔操作と半自動モードで行いました。ugoはアームによってエレベーターのボタンも押せるので、階をまたいだ移動も可能です。ugoにはカメラを搭載しているので、巡視ポイントを撮影して記録できます。従来であれば警備員が10〜20名必要な館内警備を、ugoを3〜4台導入すれば防災センターで人が操作しながら同時に巡視でき、業務やコスト負担の軽減が可能になります」と松井氏。大成とMira Roboticsは2020年2月に資本提携を結び、アバターロボットを活用した警備ソリューション開発を進めている。

品川シーズンテラスで実施されたビル警備実証実験。フロアの巡回警備と立哨警備をugoが行った。オペレーターによる操作が可能であるため、従来型の単一動作型ロボットでは難しい、柔軟な作業が実現できる。

一部定型業務の自動化を実現

 ugoによる業務代行の最大の特長は、人が遠隔で操作することによる業務と、AIによる学習機能により一部の業務を定型動作として自動化できる二つの操作が可能な点にある。例えば、初めて行う業務はVRコントローラーでugoに動作を学習させ、次の業務からはゲームコントローラーで移動した場所で、学習した業務を自動的に行うというような活用が可能になる。こうした定型業務の自動化により、トイレの清掃業務の一部をugoが行うという実証実験も大分県で実施されている。

「ビルメンテナンス業界では、従来人が手作業で対応していた業務が、今後の労働人口減少で大きな影響を受ける危機感があります。それを解決するテクノロジーとして、ugoは最適です。また、人手不足の中で新たに清掃スタッフや警備員を採用するのは難しいという課題もあります。しかし、ロボットを操作して業務を行う“アバター操縦士”のような職種を新たに創出することで、若い人が警備や清掃の業務に、アバターを通して従事してもらえるきっかけになるのではないかと考えています」(松井氏)

 Mira Roboticsでは2020年10月にビルメンテナンス警備ソリューションのリリースを予定している。2021年春にはugoの量産を目指しており、今後のビル警備の風景が大きく変わっていきそうだ。

2本のアームを操作し、エレベーターでの階層移動も可能だ。オフィスフロアの巡視ポイントは、内蔵されたカメラで撮影した。左の画像のugoは実証実験などを経てよりコンパクトに改良されたニューモデル。

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