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日本アイ・ビー・エムの東根作成英氏が「デジタルワークプレイス」の本質を語る

日本アイ・ビー・エムの東根作成英氏が「デジタルワークプレイス」の本質を語る

2020年05月11日更新

DIGITAL WORK PLACE
テレワークの決め手はワークフォースを引き出す施策
デジタルワークプレイス

新たな感染症への対応が世界規模で取り組まれている。企業活動においてはテレワークの推進が図られているが、感染症への対策も含め、働き方改革や生産性の向上など、さまざまな企業課題の解決には、さまざまな状況、働き方に対応できる仕事やオフィスの在り方が問われている。その一つの解決策として注目を浴びているのが、デジタルワークプレイスという考え方だ。

DIGITAL WORK PLACEとは

職場環境をデジタル化

「職場環境をデジタルに持っていくこと」――。日本アイ・ビー・エムの東根作成英氏は、デジタルワークプレイスをこのように表現する。デジタルワークプレイスの本質とは何か。

最も働きやすい環境を自由に選択

日本アイ・ビー・エム
グローバル・テクノロジー・サービス事業本部
テクノロジー・コンサルティング事業部
ビジネス開発担当部長
東根作成英 氏

東根作氏_現在、新型コロナウイルスによって企業の事業継続に大きな影響が生じています。こうした危機的な状況下では、真のデジタル化、デジタルトランスフォーメーションの必要性が明らかになります。そして、職場環境をデジタルに移行させる「デジタルワークプレイス」という考え方が、重要な方向性になるのです。

ITを活用して時間や場所の有効活用を目的とするテレワークは、子育てや介護などと仕事の両立を可能にする働き方を実現します。高齢化と労働力人口の減少、働き方改革、ワークライフバランスへの配慮、そしてグローバル化に伴って、企業環境が大きく変化しており、働き方と働きやすさに対するニーズが多様化しているのが現在です。これまでの働き方の常識が通用しない世界になっているのです。こうした中で、オフィスのような従来までの物理的な職場環境には限界が来ていると言っていいでしょう。重要なのは、従業員が最も働きやすい環境を「選択できる」ようにすることです。働く場所の自由度と使うデバイスの自由度が確保されるべきなのです。

その際に留意すべきは、オフィスのデスク環境だけでなく、入館管理や交流・休息場所など、働く場所そのものをデジタルで網羅することです。それらをデジタル上で実現させて、さらにオフィスで働くよりも生産性を高められる環境を構築することが、デジタルワークプレイスの目的となります。

もちろん、セキュリティの側面でも見方を新たにしなければなりません。これまでのITシステムでは、基本的には社内ネットワーク経由でのアプリケーション利用などがメインであり、社内と社外で信頼と非信頼の境界を分けていました。しかし、デジタルワークプレイスという側面ではインターネットが中核となるため、社内と社外で信頼、非信頼の境界を分けることが難しくなります。合わせて、ビジネス現場では社外で手軽に利用できるスマートデバイスが浸透し、WindowsデバイスだけでなくmacOSを搭載したMacBookなどの利用も広がっています。それらのデバイスの管理面も充足させなければならないのです。

このような中で、「ゼロトラスト」というセキュリティの概念が企業システムの構築において、意識されるようになってきました。何も信頼しないというスタンスですね。ゼロトラストは、NIST(米国国立標準技術研究所)によっても定義され、拡張IDガバナンスやマイクロセグメンテーションなどのリファレンスアーキテクチャが公開されていますが、現実的にはゼロトラストアーキテクチャと既存の境界型セキュリティ環境の共存が必要でしょう。

デジタルワークプレイスの技術要素

これらの観点から導き出されるのは、これからの企業システムに求められるのは、利便性とセキュリティを兼ね備えたデジタルワークプレイスであるということです。それは、全てのアプリケーションやデータに対するアクセスコントロールと、全てのエンドポイントの可視化とコンプライアンスを実現する環境です。

IBMもお客さまのデジタルワークプレイス構築のサポートをしています。当社が考えるデジタルワークプレイスの技術要素は以下になります。

・Smart Devices / PC Technology
・Endpoint Security
・Unified Endpoint Management
・Cloud IAM /AuthN / AuthZ
・Next Gen DaaS
・Application Services
・Cloud Security
・Enterprise Network&Internet

中心に位置するのは、クラウドで統合アクセス管理やID管理などを実現するCloud Identity and Access Management(Cloud IAM)ですね。さまざまなサービスへのID連携やパスワードレス認証、さらに生体認証などを組み合わせたアクセス管理、ID管理を可能にします。クラウドサービスやスマートデバイスの利用が当たり前となるデジタルワークプレイスにおいて、必須の技術要素です。また、Windows PCやMac、スマートデバイスなどを統合的に管理できるUnified Endpoint Managementも必要ですね。

クラウド上に展開された仮想PC経由でアプリケーションやデータにアクセスできるようにするDaaS(Desktop as a Service)では、データが重力を持つと考える“Data Gravity”という概念が重視されるようになります。データはアプリケーションとサービスを引きつけるのです。そのため、これから広がるマルチクラウド環境下では、デスクトップをデータの近くに配置すべきです。そうすれば、パフォーマンスとセキュリティを高度化しつつ、レイテンシーとネットワークコストを抑えたDaaS環境の構築が実現します。

今、業務のデジタル化の必要性に改めて注目が集まっています。まさに変わるべきときであり、デジタル化の提案を促進すべきときでもあります。従業員がどこでも働けて、どんなデバイスでも利用できる仕事環境=デジタルワークプレイスをいかに作れるかが問われているのです。当社も、各技術要素に関連したソリューションやコンサルティング、アセスメントサービスの提供で企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートしていきます。

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