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戸田覚がOSを搭載したモバイルプロジェクターの仕事術を伝授

戸田覚がOSを搭載したモバイルプロジェクターの仕事術を伝授

2020年05月25日更新

OSの搭載で自由度が高い

テーマ:単体でも使えるモバイルプロジェクター

本連載でも何回かモバイルプロジェクターを取り上げた。また、モバイル用のモニターも紹介しており、出先でのプレゼンも随分しやすくなっている。だが、ここへ来てちょっと変わったのは、モバイルプロジェクターにOSが搭載され始めていることだ。仕事での使い方がどう変化していくのか考えてみたい。

コンビニ弁当の半分

 まず、モバイルプロジェクターについておさらいしておこう。そもそも、「モバイル」という名前が抽象的ではある。今回取り上げる製品は、キヤノンマーケティングジャパンの「C-13W」というモデルで、メーカーは「ミニプロジェクター」と命名している。

 そもそも、コンパクトなプロジェクターはかなり以前から登場していた。2kgを切る軽さで3,000lm程度の明るさがあるモデルが一般的だ。一昔前までは、このクラスをモバイルプロジェクターと呼んでいた。広めの部屋で、10~20名程度の会議などにも十分に使える小型プロジェクターというわけだ。

 ところが、最近ではかばんに簡単に収まるコンパクトなモデルが登場し、注目を集めている。C-13Wは、120mmの正方形で、高さが33mmだ。分かりやすく言うなら、コンビニ弁当の半分くらいのサイズだ。重量は410gと、モバイルノートの半分以下だ。

キヤノンマーケティングジャパンのモバイルプロジェクター「C-13W」。
本体サイズは12 センチ角の正方形だ。

 この小ささならかばんにやすやすと収まる。1kg程度のPCと一緒に持ち歩いても、1.5kg以内に収まるだろう。日常的に持ち歩いても苦にならないはずだ。

 気になる明るさは130lm。ただしこれは、電源に接続しているときで、バッテリーで使うと半分、つまり、最大65lmとなる。1~2kgのモバイルプロジェクターが1,000~3,000lmであることを考えると、あまりにも暗い。だが、使い方を考えると十分でもあるのだ。

 最新のプロジェクターといえども、原理は懐中電灯と同じだ。例えば壁に光を当てる場合、離れるほどに広い面を照らせるが暗くなる。近づけば明るくなるが、光が当たる面は小さくなる。プロジェクターも同様で、壁に近づくほど明るくなるが投映サイズは小さくなる。

 C-13Wの場合、16.1~97インチを推奨している。97インチの場合、壁から3m離れる必要がある。このサイズだとさすがに暗くなるので、部屋の明かりを落とさなければならない。僕の印象としては、40~60インチくらいなら普通の明るさの部屋でも実用的だ。

 簡単に言ってしまうなら、テレビ程度のサイズの投映に向くわけだ。この程度の大きさだと、2~5名程度で見るのに適している。つまり、一般的な会議などにお薦めの製品というわけだ。もちろん、この評価はACアダプターに接続した状態で、バッテリー駆動なら、さらに半分だと考えた方がいいだろう。

 プロジェクターを設置していない部屋でも、プレゼンができてしまうのはとても便利だ。営業なら客先でも投映できる。

天板にはタッチパッドを搭載し、さまざまな操作が可能。ホームボタンなども用意。
HDMI 端子でPC とも接続できる。USB メモリーも使える。
持ち歩きも非常に楽だ。

OSを搭載する便利さ

 これまでのプロジェクターは、PCと接続して使うのが一般的だった。最近のモバイルプロジェクターは、スマホとも接続できるので、コンパクトに利用することも可能だ。スマホは縦で使うのが基本だが、プロジェクターは横長の投映なので、アプリによっては表示が小さくなり過ぎるケースはある。

 C-13Wが優れているのは、OSを内蔵していることだ。これによって、PCやスマホと接続しなくても使えるようになっている。C-13Wは、Android OSを内蔵しており、単体でスマホやタブレットのような感覚で利用できる。プロジェクターの天板にはタッチパッドが搭載されており、マウスポインターを動かして、メニューを選んで作業していけるのだ。

 専用のブラウザーを利用できるだけでも、さまざまな作業に役立つはずだ。打ち合わせの際に、自社やライバル企業のWebページを見ながら話をすることは少なくない。そんなときにも簡単に使える。また、「ギャラリー」アプリで写真を表示できる。顧客に建築や住宅、車などの商品写真を見せたい場合にも役に立つ。

 動画を利用したいなら、YouTubeにアップロードしておくことをお薦めする。C-13WのブラウザーでYouTubeを開けば、簡単に再生できるし、容量の心配もない。ちなみに、本体にはビデオや音楽の再生アプリを内蔵している。メモリーは8GB(ユーザー利用可能領域は4GB)を搭載するが、さすがにちょっと物足りない。USBメモリーやMicroSDカードにも対応するが、動画の場合には時間もかかるので、いちいち書き出すのが面倒だ。時間があるときに、利用したい動画をYouTubeにアップロードしておけば、PCなどでも簡単に使える。顧客にリンクを伝えて、見てもらうこともできるわけだ。

 本体には、出力2.5Wのモノラルスピーカーが搭載されているので、動画の音声も再生可能だ。ただし、音質は高くはない。映画などを投映したいのなら、Bluetoothで外付けのスピーカーにつなぐのがお薦めだが、若干音が遅れるケースが多くなるだろう。また、プロジェクターは、どうしても冷却のためのファンの音が気になるものだ。多少の画質の悪さ、音質の悪さは気にせずに、単体でシンプルに使うといいだろう。

 なお、単体で便利に使うためには、インターネットの接続がマストだ。C-13Wは、Wi-Fiが利用できるので、会社なら社内の無線LANに接続し、出先では、モバイルルーターやスマホのテザリングなどを利用すればいい。本番の前に、接続の仕方を確認しておきたい。

メニューはシンプルで分かりやすい。
Office のファイルを開けるアプリも搭載。

情報を見せる時代に

 これまでは、主にプレゼンのスライドを見せるためにプロジェクターが使われてきた。ところが、最近では写真や映像も利用されるようになってきている。例えば、複数名で同じ映像を見ながら話を進めていくと、理解度が高まる。「東京駅の駅舎のようなイメージ」と伝えて話を進めるより、目の前でその写真を提示した方が、はるかに理解度が高まるものだ。ストーリーの組み立てに力を入れて、話力を磨いても、1枚の写真や1本の動画にはかなわない場面ばかりなのだ。

 理解度を高めて、会議や商談を短時間で終わらせつつ、さらに成果を生み出すためにも、情報を見せるのはとても大事なことだ。そして、その方法は増えており、モバイルプロジェクターも有力な方法の一つと言える。

 ちなみに、C-13Wは5万円程度で購入できる。スマホ並の価格で買えてしまうわけだ。他社からも、OSを内蔵したプロジェクターは増えており、価格もこなれてきている。少し前には、プロジェクターを内蔵したタブレットも登場しているが、考え方は同じだ。ただ、プロジェクターはやはり単体で利用できた方が便利だ。

 C-13Wも、言うまでもなくPCなどと接続できる。HDMI端子でつなぐだけでOKだ。いわゆる従来のプロジェクターと同じ使い方もできるのだ。

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