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戸田覚が伝授する大画面モバイルの使い方

戸田覚が伝授する大画面モバイルの使い方

2020年04月21日更新

ノートPCをメインマシンに

テーマ:大画面モバイルを使いこなす

いわゆるA4ノートと言えば、15.6インチのノートPCを指していた。日本では最も売れているサイズで、「スタンダードノート」と称されている。安価で使い勝手が良いことが求められていたが、最近はちょっと変わってきた。超軽量の大画面モデルが登場しているのだ。

15.6インチで1.4kg程度

 最近は、モバイルノートにより多くの注目が集まっている。特にビジネスパーソンは、テレワークやモバイルワークを考える方が多く、軽量のPCに魅力的を感じるのは当然と言えるだろう。

 これまでは、2.5~3kg程度のA4ノート、1kg前後のモバイルノートという区分けができており、用途に応じて明確に選択できたわけだ。ところが、最近は大画面で軽量のモデルが登場している。例えば、今回レビューする「dynabook Z8」は、15.6インチという従来のA4ノートと同様の画面サイズながら、1.4kg程度の軽さで、約17.6mmと薄い。実物を手にすると、驚くほど軽く、薄い。これは、サイズが大きいからこそ余計に感じられるのだ。

 ボディは、モバイルノートであるdynabook Gシリーズのノウハウを生かして設計されたことは、ひと目見れば分かる。マグネシウム製で軽量ながら強度を保っており、ペコペコした印象はない。dynabookのモバイルノートが得意とする「ハニカムリブ構造」で軽さを実現しているのだ。この構造は、蜂の巣のような六角形のリブを立てることで、ボディの強度と堅牢性を増すことを指している。

 26方向からの76cm落下にも耐える堅牢性も特徴の一つで、要するにサイズこそA4ノートだが、それ以外はほぼ全てモバイルノートと同様なわけだ。

 ただし、設計上はかなり難しい部分が多い。特に剛性感は、サイズが大きいほど厳しくなってくる。三角定規はかなり固く感じるが、下敷きは結構曲がりやすいのと同じで、同じ厚さなら面が大きいほどたわみが大きくなる。また、重量が増すほどに落下の影響は増える。だから、小型軽量のモバイルノートほど剛性が高く、落下にも強いものだ。

dynabook Z8はモバイルノートのように見えるが、15.6インチのA4ノートだ。
17mm台という薄さなので、書類と一緒に持ち歩くときにも負担にならない。

持ち出せるメインマシン

 従来から、14インチのディスプレイを搭載するセミモバイルノートと呼ばれるジャンルの製品はあった。これらの製品は、どちらかというとモバイルに軸足を置いていた。

 ところが、dynabook Z8はあくまでメインマシンと考えた方が良いだろう。一般的なA4ノートと違うのは、キーストロークが1.5mmとやや浅いことと、テンキーを搭載しないことくらいだ。大画面で快適に作業でき、日常的な作業にも適している。その上で、軽くスリムなのだ。セミモバイルノートは、持ち歩きには向いていたが、机上での作業には、ちょっと画面が狭く入力性もいま一歩だった。ところが、dynabook Z8なら、机上の作業は、A4ノートと同様にこなせる。

 しかも、第8世代インテル Core i7プロセッサーを搭載し、SSDにはインテル Optane メモリーも採用されている。この構成によって、アプリの繰り返しの起動などが高速になる。つまり、性能はメインマシンと考えても全くストレスを感じないのだ。毎日机上でガンガン作業をし、必要に応じて軽快に持ち出せるわけだ。

 ただし、本体サイズはB4用紙程度はあるので、かばんに入れて毎日持ち出すには向かない。例えば、社内の会議やプレゼンに利用したり、テレワークで週に数回自宅と会社の往き来に持って出るような使い方がいいだろう。日常的なモバイルではなく、ちょっとした移動なら余裕でこなせるというわけだ。

 拡張性の高さも見逃せない。USB-C端子が二つに、USB-A端子も二つ搭載している。都合、四つのUSB端子が使えるのだ。その中で一つは、USB PDの充電にも利用するので、充電中は三つ使えることになる。最近は「そこまで拡張しない」という方もいらっしゃるだろうが、スマホやイヤホンなどを接続して、多ポートの充電器代わりに利用できるのは便利だ。

 さらに、HDMI端子を搭載しているので、プレゼンの際には、モニターやプロジェクターに簡単に接続できる。超軽量のモバイルノートは、HDMI端子を搭載しない製品もあり、プロジェクターと接続する度にアダプターが必要になる。これは、ちょっと面倒だ。

 また、自宅や会社で外付けモニターにつなぎやすいのも見逃せないポイントだ。21~24インチ程度のモニターはとても安く買えるし、最近は、27~28インチクラスでも4万円程度から購入できる。

 15.6インチのノートPCに27インチのモニターを接続すれば、一昔前のデスクトップよりも快適に作業がこなせる。特に、パンフレットなどの資料を作成する際には、A4用紙見開きが原寸表示できる27インチ以上のモニターは心強い。

 テレワークでは、テレビ会議も頻繁に行われるだろう。そこで役立つのが、Webカメラを隠す機能だ。指先でスライドさせるだけでカメラをオフにできる。自宅で作業中には、見せたくないものを隠せるわけだ。

テンキーが付かないのがA4ノートとの違い。キーストロークは1.5mmとやや浅い。
USB端子は、合計で四つ搭載する。USB-C端子の一つは充電に使う。

顔と指紋で認証が行える

 ここまで軽くできるようになったのは、狭額縁のディスプレイが一般化したことも理由の一つだ。実は、こちらも堅牢性にはマイナスに働いている。額縁が細いほど、ぶつけたり落とした際にディスプレイに影響が及ぶ可能性が高いのだ。この辺りも、超軽量モバイルノートを作り続けてきたノウハウを生かして、安全な設計を心がけている。

 さて、もう一つ注目したいのが、セキュリティだ。PCを持ち出す機会が増えてきたり、自宅でも作業をするとなると、不正に使われないことを重視したいところだ。しかし、長いパスワードを入力するなど、面倒な作業を強いられると生産性が落ちてしまう。そこで役立つのが、指紋センサーと顔認証の搭載だ。

 どちらか一つでもいいのだが、両方搭載したモデルを実際に使っていると、「絶対二つ欲しい」と思うようになるはずだ。僕自身もそう感じている。

 指紋センサーは、指先が乾燥しきっていたり、湿っているとうまく認識しないことがある。そんなときでも顔認証でログインできるる。逆に、マスクをしていて顔認証ができないときには、指紋センサーを使える。屋外で直射日光が当たっている場合も、顔認証がうまく使えないことがあるが、こちらも同様に指を使えば良い。

 両方を搭載していると、間違いなく便利で素早い。だからこそ、操作していないときには短時間でロック画面に移行するモードで作業をする気になる。ちょっと席を外したときでも、画面をのぞき込まれる心配が少なくなるわけだ。

 なお、バッテリー駆動はカタログ値で約19時間と長く、十分に満足できる。さらに、標準のACアダプターがコンパクトなので、移動の際も持ち運びが楽。充電はUSB PDに対応するので、自宅では、安価な市販の充電器を使うこともできる。

 これまでになかった、持ち歩けるA4ノートという選択も、働き方が変わる時代には見合っているのだ。

コンパクトなACアダプターは、トータルでの荷物を減らす。
顔認証と指紋センサーを両方搭載する。

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