
APIの公開して他社サービスとの連携にも対応「LINE WORKS」
ITツールのプラットフォームにもなる
国内トップシェアのビジネスチャット
ワークスモバイルジャパン「LINE WORKS」
働き方改革の推進や災害時の事業継続の強化に取り組む企業の拡大を受けて、ビジネスチャット市場が盛り上がりを見せている。国内でトップシェア(※)を誇るLINEのビジネス向けサービス「LINE WORKS」は約1年前の2018年11月に公表した利用社数が2万7,000社であったのに対して、2019年末には10万社を超える勢いで急成長している。LINE WORKSを提供するワークスモバイルジャパンで執行役員 法人ビジネス事業部長を務める福山耕介氏に、ビジネスチャット市場の展望と成長へ向けた施策を聞いた。
※出所:富士キメラ総研(2017 年度と2018 年度の数量(ID)・金額ベースの実績)/アイ・ティ・アール(ビジネスチャット市場におけるベンダー別売上金額シェア・2018 ー2019 年度予測)
LINEと同様のトーク機能を中心に
チームワークを支える機能を充実
働き方改革の進展によりメンバーがどこにいても意思疎通ができ、あらゆる情報がスムーズに共有できるコミュニケーションツールの重要性が高まっている。その中で注目を集めているのがビジネスチャットだ。
国内のビジネスチャット市場でトップシェアを誇る「LINE WORKS」の強みについてワークスモバイルジャパンの福山耕介氏は「メールは誰とでもやりとりできますが、チャットサービスはお互いが同じサービスのアカウントを持っていないとやりとりできません。その点、LINE WORKSは国内で10万社以上に導入されており、しかもLINEユーザーともやりとりできるという規模のメリットがあります」とアピールする。
ちなみに2019年末の発表ではLINEの月間アクティブユーザー数は8,200万人以上と公表されており、237万のLINEユーザーがLINE WORKSにつながっている。
LINE WORKSはLINEと同様のユーザーインターフェースを備えていることも有利な点だ。福山氏は「LINEと同様の操作環境ですので導入して誰もがすぐに使いこなせます。教育にかかる時間やコストを削減できる上に、IT担当者がいないお客さまでも容易に導入、活用できます」と強調する。
LINEと同様の操作環境ではあるがLINE WORKSで利用できる機能は大きく異なる。LINEと同様に「トーク」と呼ばれるチャット機能が中心となるが、「カレンダー」によるスケジュールの管理や共有、「アドレス帳」による連絡先の管理や共有、「ホーム」と呼ばれる掲示板機能、メンバーとトピック単位でアイデアなどの情報をリアルタイムで議論できる「ノート」、そして「アンケート」など、チームワークを支える機能が豊富にそろっている。
APIを公開して他社サービスと連携
トーク画面で全ての仕事を完結する
LINE WORKSには業務の効率化やユーザーの生産性向上に役立つ仕組みも用意されている。それはLINE WORKSのトーク画面から他社のクラウドサービスがシームレスに利用できる機能だ。
福山氏は「日本はITツールの導入数が世界で二番目に多いのですが、労働生産性はG7で最下位です。この問題の原因としてツールの利用環境がばらばらで使いづらいことが挙げられます」と指摘する。そこでLINE WORKSはAPIを公開し、他社のさまざまなサービスとシームレスに連携することでITツールを効率よく効果的に利用できる環境を実現している。
福山氏は「LINE WORKSではトーク画面から業務に必要なツールを呼び出してシームレスに利用できるようになっており、業務の効率化や生産性向上に役立ちます。今後はLINE WORKSのトーク画面で全ての業務が完結できる環境を目指します」と説明する。
現在、LINE WORKSはバックオフィスサービスや顧客管理、シングルサインオン、AI、チャットボットなど約60種類のツールと連携している。例えばWeb電話帳アプリの「連絡とれるくん」(Phone Appli)に登録されている連絡先一覧から直接アイコンをクリックすることで、LINE WORKSのトーク画面でスピーディーにコミュニケーションすることができる。
また勤怠管理の「KING OF TIME」(ヒューマンテクノロジーズ)との連携により、LINE WORKSのトーク画面で「おはよう」「おつかれさま」などのスタンプを入力することで出勤、退勤の打刻ができる。このほかサイボウズのkintoneやSalesforceとも連携している。
有償サービスの提案に工夫
連携サービスでビジネスを拡大
LINE WORKSはテレワークに不可欠なコミュニケーションツールとして、さまざまなITツールを効率よく効果的に利用するプラットフォームとして有用なサービスだ。しかもサービス名に含まれるLINEの知名度は非常に高く、提案しやすいというメリットがある。
しかしLINE WORKSはユーザー当たり月額300円からという低コストとは言え、無料のチャットサービスを利用している顧客に有償のサービスは提案しづらいという場合もあるだろう。
福山氏は「例えばスマートフォンに契約しているけれど使っていないサービスを入れているお客さまも多くいらっしゃいますが、毎月数百円を支払っているにもかかわらず、ほとんど利用しないのが実情です。たまにしか使わないサービスに支払うコストと、業務で常に利用するLINE WORKSに支払うコストを比較すれば、いかにコストパフォーマンスが高いかを理解していただけると思います」と強調する。
またLINE WORKSは活用範囲が広くビジネスを拡大しやすい魅力もある。例えば美容室では従業員同士のコミュニケーションには困っていないが、顧客とのコミュニケーションに課題がある。美容師は業務中に顧客に電話をかける時間もなく、顧客に迷惑がかかる恐れもある。そこでLINE WORKSから顧客のLINEにメッセージを送ることでリピート率を高めた成功事例があるという。
また住宅販売会社ではLINE WORKSから見込み客のLINEに物件の案内を送るとともに、トークのメンバーに配偶者を加えることで来店率が数倍に向上したという成功事例もある。このようにLINE WORKSはオフィスでの業務の効率化や生産性向上だけではなく、顧客とつながることで新たな事業機会を創造することにも役立つ。
さらにLINE WORKSはさまざまなサービスと連携でき、ビジネスを拡大できる魅力もある。福山氏は「LINE WORKSを販売いただければ、その後に連携するサービスを追加で提案できますので、パートナーさまはLINE WORKSを入り口にサブスクリプションビジネスを拡大することができます。またLINE WORKSは解約率が非常に低く、長期にわたり安定したビジネスが継続できます」とアピールする。
そして「さまざまなサブスクリプションのライセンスをワンストップで管理できるダイワボウ情報システム(DIS)さまの「iKAZUCHI(雷)」を利用することで、パートナーさまはLINE WORKSと連携サービスを効率よく販売、管理することができます。今後はDISさまのパートナーさまを通じて全国のお客さまにアプローチし、日本の生産性向上に貢献したいと考えています」と意気込みを語った。
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