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2019年の国内ITサービス市場は5兆8,558億円

2019年の国内ITサービス市場は5兆8,558億円

2020年04月03日更新

2019年国内ITサービス市場は5兆8,558億円

IT Service

 IDC Japanは、国内ITサービス市場予測を発表した。本調査によると、国内ITサービス市場は2020年以降も堅調な成長を継続し、2024年には6兆4,262億円になる見通しだ。

 2019年の国内ITサービス市場は、前年比成長率3.2%の5兆8,558億円を見込んでいる。

 同市場は、2016~2018年までの3年間、前年比1~2%台前半の低成長に留まっていた。こうした傾向から4年ぶりに3%台の水準に上昇した背景には、2019年に入ってからの既存システムの刷新/更新需要の拡大に加えて、消費税増税前の駆け込み、Windows 7のサポート終了に伴う買い替えや元号改正対応、消費税率変更対応などの特需があったことが挙げられる。

 ITサービスを活用するユーザー企業の大企業や中小企業の動向についても変化してきているとIDC Japanは指摘している。ユーザー企業の間では、社内に残存するレガシーシステムはデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を阻害する技術的負債であり、その刷新は不可欠であるという認識が広がりつつある。また、レガシーシステムを含め、情報システムの刷新や構築を行う際にクラウドサービスの利用を最優先する「クラウドファースト」の考え方も急速に浸透してきているという。

 2019年の特需の反動によって2020年の同市場が減少すると考えられるため、国内ITサービス市場の成長率は鈍化することが見込まれる。

 しかし、前述したような企業内の老朽化したレガシーシステムの刷新やクラウド環境への移行、ITを活用した働き方改革や業務プロセス効率化の需要が、2020年以降の同市場の成長を支えるという。

 2019~2024年の国内ITサービス市場の年間平均成長率は、1.9%で推移するとIDC Japanは予測している。

ITサービス事業者は人材戦略強化が重要

 企業のDXを支援するためのデジタル人材の育成と獲得、市場価値に基づく報酬制度の導入など、人材戦略をITによって強化するITサービス事業者の取り組みが加速してきている。

 ITサービス事業者は、自社の従業員との接点をあらゆる角度から見直し、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高めることが重要だとIDC Japanは指摘する。

 IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの木村聡宏氏は「DXを推進するうえで、人材戦略の強化は不可欠であり、ITサービス事業者は、従業員体験の向上に取り組むべきである」と自社の従業員に向けてITサービス活用を実践することの重要性を説いた。

5G対応や文教需要の拡大が進む

Tablet

 MM総研は、国内タブレット端末出荷概況の調査結果を発表した。国内タブレット端末の総出荷台数は前年比9.2%減の739万台となり、暦年出荷として2年連続で減少した。同市場が減少している要因としては、3G/LTEネットワーク通信が利用可能な携帯キャリアの「セルラータブレット」が2018年に引き続き大幅減となったことが挙げられた。一方で、無線LAN通信のみを可能とする「Wi-Fiタブレット」においては2年連続の増加となった。

 2019年の同市場のメーカー別出荷台数シェアでは、Appleが53.2%で首位を獲得した。Appleは、日本でタブレット端末を販売開始した2010年から10年連続で首位を維持している。さらに、2019年3月にAppleは「iPad Air」(第3世代)や「iPad mini」(第5世代)といったiPadの最新機種を数年ぶりに出荷している。

  同市場の内訳では、後にファーウェイ、NECレノボ、富士通、マイクロソフトが続く結果となった。4位を獲得した富士通製タブレットは、富士通クライアントコンピューティングおよび富士通コネクテッドテクノロジーズが提供しているタブレット端末が対象となっている。

 2020年のセルラータブレットの訴求ポイントとしては、5G対応端末の登場が挙げられるという。5G対応製品の販売戦略は、最初に携帯キャリアによってスマートフォンを中心に展開されていくと予測する。ただし、5G対応iPadなどが登場すれば、減少傾向にあるセルラータブレットがプラスに転じる可能性もあると指摘している。

 Wi-Fiタブレットにおける使用用途としては、相対的に存在感が高まっているWindowsのさらなる拡大と、小学校でのプログラミング教育必修化に伴う需要拡大が期待される。

IDaaSは中小企業で成長の見込み

Identity as a Service

 アイ・ティ・アールは、クラウドベースのID管理サービスである「Identity as a Service」(以下、IDaaS)の国内市場の規模推移および予測を発表した。

 2018年度の国内IDaaS市場の売上金額は21億円となり、前年度比で43.8%拡大した。市場拡大の背景には、企業においてクラウドシフトが加速していることや、IDaaSに参入しているベンダーがクラウドアプリケーションと組み合わせた提案を行っていることなどが挙げられた。

 また、これまでID管理「Identity Management」やID・アクセス管理「Identity and Access Management」を行うパッケージ製品を提供していたベンダーが、IDaaSの提供にシフトする傾向が強まっているという。

 クラウドベースであるIDaaSは中堅・中小企業においても導入が容易なため、同市場は今後も高成長する見込みだ。2019年度の同市場は、前年比38.6%増の29億円となると予測している。

 アイ・ティ・アールのシニア・アナリストである藤 俊満氏は、IDaaS市場動向について以下のように述べている。

「社内システムのクラウドサービス化が進んでいることから、利用するクラウドサービスごとのIDをクラウド上でまとめて管理できるIDaaSのニーズが高まっています。特に年度初めなど期初に発生する人事異動では、膨大な異動者のIDと所属組織情報、アクセス権のメンテナンスが必要となりますが、IDaaSが提供するIDプロビジョニング機能やIDフェデレーション機能を利用することで、大幅な効率化が期待できます」

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