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「あらゆる場所で需要がある」――ソースネクスト 取締役 専務執行役員 藤本浩佐氏がポケトークの商機を語る

「あらゆる場所で需要がある」――ソースネクスト 取締役 専務執行役員 藤本浩佐氏がポケトークの商機を語る

2020年03月06日更新

2020年内に100万台を目指す

雫石プリンスホテルでも活用されているポケトークシリーズは、国内で最も利用されている音声翻訳機だ。今後、提案の機会があらゆる場所で生じるとソースネクスト 取締役 専務執行役員の藤本浩佐氏は力強く話す。

世界規模で成長が見込まれる音声翻訳機

 ホテル業界のみならず、鉄道やタクシー、バスなどの交通機関や小売業、医療機関、自治体など、さまざまな場所で導入が拡大しているソースネクストのポケトークシリーズだが、実際、BCNの「BCNランキング・データ」における2020年1月の「音声翻訳機」カテゴリーでは、国内の販売台数シェアが94.8%、金額シェアで97.4%という結果が出ている。

 MM総研による「音声翻訳専用機の世界累計出荷台数シェア(2019年11月末時点)」でも、ソースネクストが31.1%で1位を獲得した。MM総研によると、2019年12月末時点の音声翻訳専用機の世界累計出荷台数は前年同期時点の実績の約2倍となる230万台の見込みで、これは2017年12月末時点の25.8万台から9倍。今後も海外旅行者の増加が見込まれることから、2020年12月末の音声翻訳専用機の世界での累計出荷台数は365万台、2021年12月末には520万台に到達すると予測している。

 こうした状況下において、ソースネクスト 取締役 専務執行役員の藤本浩佐氏は、ポケトークシリーズの販売状況について次のように明かす。

「ポケトークシリーズは、2017年12月の発売から累計の出荷台数が2019年12月時点で60万台を突破しました。東京オリンピック・パラリンピックを控える中で、ポケトークシリーズの販売は加速しており、新規導入や追加導入が増えています。今年中に累計の出荷台数を100万台にまで伸ばすのが目標です」

 ポケトークシリーズの直近の導入例では、がん研究会有明病院、西武鉄道の91駅、東京メトロの東京駅や銀座駅、東武鉄道の全駅、日産レンタカー350店舗、富山県内の公共施設への採用などが挙げられる。外国人観光客の交通の要となる鉄道の駅では、窓口や駅のホーム、旅客案内所、係員や乗務員の接客ツールとして採用が進んでいる。病院のような医療機関でも外国人の患者やその家族関係者の対応のためにポケトークのような音声翻訳機の導入が増えているという。

「現在、ポケトークは3,000社以上に導入されており、全都道府県で使用されています。観光施設、小売店、交通機関、医療施設、自治体などで利用されていて、外国人のお客さまへの接客スピードが上がるだけでなく、売上なども増加させられている点が、高く評価されています」(藤本氏)

累計出荷台数100万台を今年中に達成したいと話すソースネクスト 取締役 専務執行役員の藤本浩佐氏。

持った瞬間からTOEIC900点レベルに

 ポケトークは現在、「ポケトーク S」と「ポケトーク W」がラインアップされている。いずれも音声翻訳の対応言語数は74。その中で、55言語は音声とテキスト、19言語はテキスト翻訳に対応している。nano-SIMとWi-Fi対応で、翻訳時には逐次通信を活用するが(そのため、ソースネクストではポケトークをIoT機器とも呼んでいる)、133カ国で利用できるグローバル通信のサービスが2年分付属しているため(グローバル通信サービスなしの販売もあり)、Wi-Fiが利用できない環境でもいつでも使用できるのが特長だ。最大で30秒間話した内容を翻訳でき、本体には翻訳履歴を最大10,000件分保存可能。いつでも参照・再生できる。また、ブラウザーベースで利用できる「ポケトークセンター」と連携させると、翻訳履歴は無制限に保存できるようになる。

「両製品ともボタン一つで操作できる手軽さがウリです。研修やトレーニングが不要なのです。複数の翻訳エンジンを組み合わせて、非常に高い翻訳精度を実現しているので、ポケトークを持った瞬間に、例えばTOEIC900点レベルのようになります」と藤本氏はその性能をアピールする。

 ソースネクストでは従来から翻訳ソフトの開発も手掛けてきており、そうしたノウハウの結晶がポケトークシリーズの高い翻訳精度につながっている。ノイズキャンセル機能の搭載で、騒音に囲まれた状況でも会話の高い聞き取り精度を実現している点が、使用感の良さにつながっているという。

 ポケトーク Sとポケトーク Wの違いは機能と本体のサイズなどにある。ポケトーク Sは2.8インチの画面で重量は75g、ポケトーク Wは2.4インチの画面で重量は100g。ポケトーク Wのほうが重いがその分バッテリー容量が多い。ポケトーク Sは連続翻訳時間が約4時間30分、ポケトーク Wは約7時間だ。機能面では、ポケトーク Sの方にはカメラが搭載されている点が大きな違いとなる。そのカメラを使うことで、看板やメニューなどに書かれた文字の翻訳を可能にしている。

「文字をポケトーク Sのカメラで撮影すると、55の言語を自動で認識して翻訳し、その結果を画面に表示します。複数の言語が一緒に表示されている場合でも、それぞれの言語を認識して翻訳できます。カメラ翻訳でも高度な文字認識精度を実現させているのです」(藤本氏)

写真はポケトーク S。11.5mmと薄く、重量も75gなので持ち運びが楽。客の話し声が高くなりがちな居酒屋などでも、正確に会話を聞き取って翻訳してくれる。翻訳はインターネット上のAIが行う。

個人向けと法人向けの価格は同じ

 音声翻訳機の分野での販売台数と金額のシェアがいずれも90%を超えるポケトークシリーズは、これからも多くの商機を創造していけると藤本氏は話す。「コミュニケーションに関わる製品なので、あらゆる場所で需要があると考えています。ポケトークのチラシをユーザー企業のもとに置いてきていただくだけでもビジネスが生まれていくでしょう。販売パートナーの皆さまがポケトークを扱っていることを、ユーザー企業に知っていただくだけでいいのです。専用のシステム構築などの手間も不要で手離れもいいので、提案がしやすいというメリットもあります。以前までは、個人向けと法人向けでポケトークの価格が異なっていましたが、現在は、個人向けと法人向けで同じ価格設定になっているので、提案がしやすくなっています」

 ユーザー企業が興味を持ったら、実機の貸し出しへと進められる。ソースネクストは、DISの販売パートナー向けに10日間無償でポケトークを貸し出している。その仕組みを利用してユーザー企業に使ってもらうといいのだ。ポケトークシリーズはすでに3,000社以上で導入されているため、提案ターゲットなどと同業種の事例紹介などもソースネクストがしてくれる。

 ポケトークは自治体が一括で購入して、地域内の事業者に貸し出すような例もあるという。外国人観光客とコミュニケーションが生ずる場所では一様に需要があると考えていいだろう。最初は一つの部門で数個単位で導入され、その効果の体感後に、さらにまとまった台数が追加で導入されるケースも多い。一度提案できれば、継続した販売につながる見込みが高いのだ。

 政府主導で訪日外国人観光客4,000万人が目標とされる中、ポケトークのような音声翻訳機の需要は今後も確実に増えていくだろう。

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