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日本MSが目指す

日本MSが目指す"世界標準の教育変革"

2020年03月18日更新

WindowsとOffice 365が実現する
世界標準の教育変革への第一歩

マイクロソフト教育サミットリポート

2020年2月4日に、日本マイクロソフトが教育サミットを開催した。テーマは「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」だ。2019年12月13日に閣議決定された2019年度補正予算案において、児童生徒1人に対して1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれた例が紹介された。今回はその内容をリポートする。

遊びから学びのツールへの意識転換を

 教育サミットでは、GIGAスクールパッケージの前提となったGIGAスクール構想について、文部科学省 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長 髙谷浩樹氏が登壇し講演を行った。その中で指摘されたのが、日本の子供たちはICTに対して親和性が高いというデータだ。

「2018年のPISA調査で学校外での平日のデジタル機器利用状況を調査した結果、面白い特徴がありました。子供たちがコンピューターを使って宿題をする割合はOECD平均22.2%と比較して低い3.0%でしたが、ネット上でチャットをする割合はOECD平均の67.3%よりも高い87.4%、1人用ゲームで遊ぶ割合もOECD平均26.7%よりも高い47.7%でした」と髙谷氏。

 これらの調査から、子供たちはICT機器への親和性は非常に高いものの、ICT機器はチャットやゲームをする道具であるという認識になっており、この認識が保護者をはじめとした日本社会全体に広がっていることが、教育現場へのICT導入の妨げになっていると指摘した。

 しかし、第四次産業革命の中で、これからの時代を生きる子供たちにとってICTを使う力を育むことは急務だ。ICT機器は学びを深めるツールであると、子供たちを含めた社会全体の意識を変革する必要がある。教育サミットではこれまで発表されていたGIGAスクール構想のパッケージに加え、新たに補助対象となる範囲を「学習者用コンピューターと一体不可分な範囲」と定義した。「例えば端末管理ツール、キーボード、OS、メーカー無償保証付きの端末本体に加え、運搬搬入や設置、備え付けも補助対象となります。導入した端末を学校で使うために必要な設計をトータルで支援していきます」と髙谷氏。

文部科学省の髙谷氏は「教科書のQRコードで動画を見てもらうような、先生が使いやすいやり方を足がかりに、ICTを文房具のように使える環境を整えていきたい」と語った。
「今後デジタル教科書が授業で活用される中で、タッチパネルは不可欠。インカメラとアウトカメラも重要で、文部科学省の指針に準拠したデバイスをパッケージに盛り込んだ」と日本MSの太田氏。

個別最適化と校務効率向上を両立

 髙谷氏の講演を受けて登壇した日本マイクロソフト 文教営業統括本部 文教営業本部 ソリューションスペシャリストの太田泉氏は「補助対象の詳細について、これは今回初めて公開された情報で驚きました。当社ではGIGAスクール構想に基づくGIGAスクールパッケージの提供を本日よりスタートし、『先生方の働き方改革』『授業での教え方改革』『子供たちの学び方改革』の三つにおいて、一貫した改革を当社の教育クラウドで提供していきます」と語る。GIGAスクールパッケージの詳細については右記の記者会見詳報を参照のこと。

 WindowsとOffice 365プラットフォームにおける学びにおいて、特に強調されたのがTeamsの活用だ。例えば足立学園中学校高等学校では、Teamsをコミュニケーションのメインツールとして、学級ごとの情報共有や課題提出を実施している。シドニーの大学では、OneNoteやTeamsを活用した授業を実施するほか、Teams上でチャットボットを開発し、一人の生徒からの質問を教員が解答すると、その内容をAIが学習して、同様の質問が他の生徒から来た場合にAIが代わりに回答することで、教員の負担を軽減しているという。また、質問した生徒同士をつなぎ合わせてコミュニティを構築し、生徒が互いに学び合うことで個別最適化された学びを実現している。ICTの導入は、生徒の学びを深めるだけでなく、教員の校務負担軽減にもつながる。

 教育サミットではマイクロソフトで教育分野に長く携わっているSean Tierney氏とJason Wilmot氏が登壇。グローバルの視点からの成功事例と失敗事例を語った。失敗事例として、安価なChromebookを導入したシカゴの公立学校を例に挙げ、デバイスを導入するだけでなく卒業後のキャリアを意識したソリューションを含めた整備が重要であると指摘。デバイスを導入するだけでなく、そもそもの目的を意識したICT環境整備を強調した。

グローバルでマイクロソフトのエデュケーション分野を牽引しているJason Wilmot氏(左)とSean Tierney氏(右)。Tierney氏は「子供たちにとってPCは友達のような存在。未来にとっての投資であると考え予算を確保し、長期的に使えるデバイスを選んでほしい」と強調した。

記者会見詳報
教育変革を支援するGIGAスクールパッケージ


 教育サミットと同日、日本マイクロソフトは報道関係者向けに「GIGAスクールパッケージ」提供開始についての記者発表会を実施した。

 GIGAスクールパッケージは文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」に基づき、日本マイクロソフトが日本市場に向けて提供する教育ソリューションだ。ハードウェアから設定運用、研修までをトータルで提供する。

 GIGAスクール構想対応PCについては、8メーカーのデバイスパートナーと連携し、Wi-Fiモデル11機種、LTEモデル6機種の計17機種提供する。これらのデバイスには特別なWindows低価格ライセンスを提供しており、教育現場で幅広く導入されているWindowsとOffice 365をGIGAスクール構想に対応した低価格なライセンスで、日本の初等中等教育機関に提供する。

 教育現場で1人1台の端末を展開するに伴い、機器設置や運用管理、アカウント運用が課題となる。日本マイクロソフトは同社のMDMツール「Microsoft Intune」でModern Desktop Deploymentを行うことで現場作業を介さない端末展開や、児童生徒アカウントの効率的な運用を実現するという。また、GIGAスクール端末設定ガイドブックも提供し、教育現場でのWindows 10の導入・展開をしやすくする。

 GIGAスクール構想の予算に組み込まれない教員研修に関しては、日本マイクロソフトが都道府県や政令都市、教育センター向けの研修プログラムおよび、GIGAスクール向けの研修をオンライン研修コースにメニュー化することで、Teamsを中心とした授業での活用や、日常の運用に必要な研修を無償で提供する。クラウド環境も同社のクラウドサービスを利用することで、文部科学省の指針に準拠した環境を構築できるとした。

 WindowsやOffice 365プラットフォームの強みとして同社 中井陽子氏は「日本語教育に重要な縦書きやふりがななど、当社のOffice 365プラットフォームは完全対応しています。昨今注目を集めているUDデジタル教科書体※も標準搭載しており、日本の教育現場を支援するプラットフォームとして最適です。1人1台のPC環境はコストではなく投資であり、子供たちが毎日使う環境を整えることで学びを変えていくことが重要です」と語った。

※モリサワが提供するICT教育現場に効果的な弱視や読み書き障害に配慮したユニバーサルデザイン書体。

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