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中小企業の

中小企業の"攻め"のクラウド実践でatsumelが総務大臣賞を受賞

2020年03月02日更新

中小企業の“攻め”のクラウド実践で
atsumelが総務大臣賞を受賞

クラウドサービス

 地域の中小規模事業者におけるクラウドサービスなどのICT利活用を促進・加速させ、地方創生に資することを目的に設立されたクラウド活用・地域ICT投資促進協議会(略称:CLOUDIL)。CLOUDILでは中小企業のクラウド活用を促進させるため、クラウドサービス利活用を実践して収益力向上・経営効率化を実現した取り組みを評価する「全国中小企業クラウド実践大賞」を開催している。コンテストの中でより優れた取り組みに対しては、総務大臣賞、日本商工会議所会頭賞が贈られる。

 この全国中小企業クラウド実践大賞の全国大会が、2月12日に開催された。2019年10月から11月にかけて、和歌山、金沢、盛岡、長野、福岡の5都市で開催された「クラウド実践コンテスト」の地方大会から選抜された10社が登壇、クラウドサービスを活用した経営効率化や製品・サービスの開発強化など、先進的な“攻め”のクラウドサービス実践事例についてプレゼンテーションを行い、受賞者を決定した。

認知と継続が活用のカギ

 授賞式に先立ち、中小企業庁 経営支援部 技術・経営革新課 課長補佐の髙谷慎也氏が登壇。人手不足や消費税率引き上げの対応、残業時間の上限規制や同一労働同一賃金、社会保険の運用拡大など相次ぐ制度変更を例示し「中小企業にとって厳しい状況で、生産性の向上が急務」と指摘した。

 その中でも、高い生産性を上げている中小企業はIT活用に大きく投資していると指摘。また、直近10年の中小企業のIT利活用実態を見てみると、クラウドサービスが急速に普及しているという。また2015年からはクラウドファンディング、シェアリングエコノミーやIoT、ビッグデータ、AIといった先進的ITの活用も一桁台ながら始まっている。

 しかし、依然として中小企業では電子メールや財務会計などのレベルに、クラウドサービスの普及は進んでいない。その背景には、IT導入の課題として費用対効果が不透明である点や、コスト負担の大きさ、従業員のスキル不足が挙げられた。また、AIやIoTなど先進的ITツールは、リテラシーの問題が指摘され、導入後の活用イメージが想像できない、ノウハウが不足しているなどの課題も指摘された。

 そこで重要になるのが、意志決定プロセスに基づいた中小企業向けの施策だという。①認知、②評価、③計画、④実行、⑤継続のフローに基づき、中小企業庁では特に計画、実行に注力して取り組みを進めている。例えばIT経営力診断事業やIT導入補助金、ものづくり補助金などだ。しかし、成功事例の周知・広報などの認知や、継続的な民間サービスの育成といった継続の部分は今後強化するべき部分として、特に今回のクラウド実践大賞などコンテスト形式のイベントなどを用いて、身近な成功事例を広報していきたいとした。

中小企業のデジタル化について、経済産業省 中小企業庁の髙谷慎也氏から講演があった。
総務大臣賞を受賞したatsumelの伊勢隼人氏(右)と総務副大臣の寺田 稔氏。
受賞企業とCLOUDILをはじめとした関係者一同。日本商工会議所会頭賞はダイヤ精機が受賞した。

自社活用から生まれるビジネス

 全国大会でプレゼンテーションを行った10社のうち、総務大臣賞を受賞したのは集客や売上につながるWebマーケティング支援を不動産業界に特化して行っているatsumel。同社のマーケティング統括責任者 執行役員の伊勢隼人氏はグループ企業の不動産会社でSalesforceのCRM、SFA、MAを導入し、アナログな情報管理の撤廃や、営業プロセスの見直しを実施。商談の設定数を2014年度の129件から2018度は575件に増やすなど大きな成果を上げた。

 また、これらのノウハウをもとにクラウドシステムを利用したインサイドセールス代行事業やSalesforce導入支援を行うatsumelを2015年4月に設立したという。

 受賞した伊勢氏は「自分自身の経験を踏まえた提案が評価されたのではないかと思う。今後もクラウドサービスの定着支援を進めていきたい」と感想を述べた。

CLOUDILの理事長を務める三友仁志氏は「今回受賞された企業の事例は、他の中小企業にとってモデルとなる非常に優れたもの。今後も世界に向けたスケーラビリティを持った取り組みを紹介していきたい」と語った。

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