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戸田覚がiPadOSのビジネス活用術を伝授

戸田覚がiPadOSのビジネス活用術を伝授

2020年02月25日更新

iPadOSでタブレットがPCに

テーマ:iPadを仕事にバリバリ活用する

2019年の秋に、iPadのOSが新しくなった。その名も「iPadOS」。バージョンとしては、iPhoneと同じiOS 13だが、iPadでより利便性を増した機能を多数搭載している。「iPadをPC代わりにモバイルで使いたい」という方にもおすすめだ。今回は、iPadを仕事に使う上で鍵になる機能をいくつか紹介しよう。

データ共有にはOneDrive

 iPadを仕事で使う上で最も気になるのが、ファイルの管理だ。せっかく書類を作成しても、ファイルをPCで読み込んだり同僚や顧客に送信するのが面倒だと使う気になれない。

 iPadのアプリのファイルは、それぞれで管理するのが一般的だった。しかし、「ファイル」アプリが登場してPCのように管理できるようになり、さらにiPadOSで外付けストレージに対応したことで、いっそうPC風に使えるように進化している。もっとズバリ解説するなら、Windowsユーザーにとっては、ようやく「普通の感覚で使える」ようになったということだ。

 iPadで仕事のファイルを快適に扱いたいなら、クラウドストレージを使った方が良いだろう。Microsoft Officeのファイルを使うなら、OneDriveがおすすめだ。PCのExcelやWordで編集したファイルをOneDriveに保存しておけば、iPadのExcelやWordを開くだけで、すぐさま編集できる。最近使ったファイルが自動で表示されるので作業性がいいのだ。ファイルアプリからOneDriveを直接開けるから、Excelを起動する前に先にファイルを探して開いても良い。

標準アプリの「ファイル」からOneDriveのファイルが開けるようになった。
iPad版のExcelからもOneDriveのファイルが開ける。最近使った順に並んでいるので探しやすい。
ファイルを開いた。

外付けドライブにも対応

 外付けドライブへのファイルのコピーなどもiPadOSでは対応している。メニューからファイルをコピーして貼り付けても良いし、「Slide Over」や「Split View」で2画面を表示させて、ドラッグ&ドロップしても構わない。この際の作業は、ほとんどPCと同じ感覚なので使いやすい。例えば、OneDriveに保存してあるファイルをUSBメモリーにコピーする――こんな作業もiPadだけで実行できる。

 ただし、USBメモリーなどを使うには、アダプターが必要だ。iPad Proなら、USB Type-C端子を搭載しているので、市販のさまざまなアダプターが利用できる。また、Lightning端子を採用している製品では、アップル製の「USBカメラアダプタ」を利用すると良いだろう。ただし、こちらはアダプターにUSBメモリーと同時にLightningケーブルを差し込んで給電しながらでなければ使えない可能性が高い。手元にあったUSBメモリーは利用可能だったが、全て使えるとは限らないのでこれから買うなら対応品を選んで欲しい。

 iPadOSでは外付けストレージへの対応がアナウンスされているが、消費電力が見合わないと使えないようだ。手元にあったUSB接続のポータブルハードディスクなどは利用できなかった。こちらも、これから買うならストレージメーカーが対応をうたっているポータブルSSDなどがおすすめだ。

外付けストレージにも対応。アダプターを介すればUSBメモリーのファイルも読み込める。

情報のコピーが簡単

 iPadOSは、マルチタスクがより使いやすくなった。複数のウィンドウを開いて同時に利用できるのは、まさにPCに近づいたと言っても過言ではないだろう。まあ、マルチタスクは以前からできていたので、分かりやすく言うなら、マルチウィンドウが使いやすくなったということだ。

 ただし、残念ながら全てのアプリが対応しているわけではない。どんなアプリでどのような機能が使えるかは試してみるしかないだろう。

 標準アプリのメモに記録した情報をWordやExcelに貼り付けるのも朝飯前だ。さらに、ExcelのテキストをWordに貼り付けることもできる。こちらの作業も、従来のようにコピー&ペーストする必要はない。ダブルタップやトリプルタップで文字列を選択したら、少し長押しする感じで指を保持すると、ポップアップ表示に切り替わる。そこで、貼り付け先のアプリにドラッグする感覚だ。

 そもそも、文字列の選択がずいぶんしやすくなった。タップ2回で一つの単語、3回で文章、4回で段落を選択できる。さらに、テキスト上でドラッグすると範囲も指定できる。ただし、こちらもアプリによって多少動作が違うようだ。標準のメモではこのように作業できるが、Wordではうまくいかない。それでも、タップ2回で単語、3回で段落を選択できているので、1度試していただきたい。もちろん、記事執筆後にアップデートされて、作法が変わる可能性はある。

 さて、これで何が便利になったかというと、移動先での情報収集だ。例えば、Webサイトを閲覧していて、興味のあるページを見つけたら、文字列や写真を選択して貼り付ければ良い。貼り付ける先は何でもいいのだが、おすすめはメモだ。とりあえずメモにため込んでいき、その上で必要があるならWordやExcel、メールなどに貼り付けても良いだろう。

 例えば、自社のWebページで見つけた写真やテキストなどが参考になるなら、直接メールに貼り付けて顧客に送ったり、Wordに貼り付けてリポートを作ることができる。こんな作業は、これまでは腰を据えてPCを使い、じっくりと進めていくしかなかった。会社のデスクや移動中でもカフェなどに座ってしっかり作業したかったわけだ。ところが、iPadを利用すれば、電車の待ち時間にベンチに座っていても簡単に作業できる。

マルチタスクで、メモ帳などにExcelやWordのオブジェクトを貼り付けられるようになった。
Webページのオブジェクトをメモ帳やWordなどにコピーしてレポートを作るなど、簡単に作業できる。

純正キーボードを使いこなす

 2019年秋のラインアップでは、iPad mini以外はApple純正キーボードのSmart Keyboardに対応している。Bluetoothのペアリングを必要とせず、iPad本体にくっつけるだけで使える便利な専用キーボードだ。

 Smart Keyboardを取り付けた状態で、Commandキーを長押しするとショートカットが表示される。よく利用するアプリでは、なるべくショートカットを使うことで作業が効率化できるわけだ。ちょっと高価だが、ぜひ使いこなして欲しい。ショートカットはたくさん用意されているので、ネットサーフィンも素早くこなせる。

 標準のスクリーンキーボードは位置を自由に動かせるようになった。ピンチ操作するとサイズが小さくなり、画面で邪魔にならずに入力できる。好きな位置に配置すれば、片手でiPhoneのようなフリック入力も可能だ。

 iPadOSは、さまざまな機能の進化で素晴らしい使い勝手に成長している。ただし、Windowsを使い慣れているユーザーは、機能を理解していないと、「操作しづらい」「よく分からない」と思うだろう。当然だが、作法は基本的に違うのだ。違いを理解してぜひ使いこなして欲しい。

標準のスクリーンキーボードはピンチ操作でサイズを小さくできる。
画面上の邪魔にならない場所に動かすことができ、iPhoneのような入力も可能だ。

Profile
Toda Satoru
1963年生まれのビジネス書作家。株式会社アバンギャルド/戸田覚事務所代表取締役。著書累計100冊以上。企画やプレゼンに関する著書も多数。連載もついに40本を超えてさらに活躍中。

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