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Red Hat Forum Tokyo 2019 リポート! テーマは「Expand Your Possibilities」

Red Hat Forum Tokyo 2019 リポート! テーマは「Expand Your Possibilities」

2020年01月20日更新

Report
Red Hat Forum Tokyo 2019

2019 年11月15日、ANA インターコンチネンタルホテル東京において、「Red Hat Forum Tokyo 2019」が開催された。今回で11回目になるレッドハットで最大規模のイベント。熱のこもったゼネラルセッションの模様をお届けしよう。

多様なものを結ぶ「&」の場

 Red Hat Forum Tokyo 2019の開会宣言は、レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏によって告げられた。今年のテーマは「Expand Your Possibilities 世界を変えるデジタル変革を、すべての人へ」。「デジタル変革が進行する中で重要なのは、テクノロジーやカルチャー、個人を結ぶこと。Red Hat Forum Tokyo 2019では、さまざまなものを結ぶ『&』の場を提供し、Expand Your Possibilities の実現につなげます」(望月氏)

 開会宣言の後には、「Changing the way we work 組織や業界を変えるための働き方改革」と題したビジネスキーノートが、ダーク-ピーター・ヴァン・ルーウェン氏とニック・ホップマン氏によって行われた。

 まずルーウェン氏は次のように指摘する。「イノベーションを実現するには働き方や組織の在り方を根本的に変える必要があります。現在は、従来のようなトップダウン方式の組織ではなく、アジャイルの手法を採用した組織によって“ディスラプション(破壊)”が起こされているからです」

 そうした変革に着手する企業が重視しているのがオープンソースの採用だ。「イノベーション、セキュリティ、TCOなどの視点から、自社の戦略にとってオープンソースが重要だと世界中の企業が認識しています」とルーウェン氏は話す。もちろん、レッドハット自身もまた、オープンソースを使用して業界にイノベーションを起こしてきた。

 ホップマン氏は、働き方において協力することの重要性を解説した。「インクルーシブなチームは、意思決定において優れた成果を発揮することが調査によっても明らかになっています。意思決定の速度も速くなり、ミーティングの回数も減るのです」

 レッドハットはそうした働き方を実践するためのコンサルサービスである「Red Hat Open Innovation Labs」の提供で、顧客のイノベーションを支援している。その事例としてホップマン氏は、「Red Hat OpenShift」をサービス基盤に採用して開発プロセスも変えた、ふくおかフィナンシャルグループなどの例を挙げた。

望月弘一氏
レッドハット 代表取締役社長
ダーク- ピーター・ヴァン・ルーウェン氏
レッドハット アジア太平洋地域担当 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー
ニック・ホップマン氏
レッドハット Red Hat コンサルティング グローバルプロフェッショナルサービス プラクティス、ソリューション および オファリング バイスプレジデント
クリス・ライト氏
レッドハット シニアバイスプレジデント兼CTO

国内シンクタンク2 社が登壇

 ホップマン氏の話を受けて行われたエグゼクティブ対談では、野村総合研究所 執行役員DX 生産革新本部長の大元成和氏が登壇した。「2016年ごろからデジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が日本に上陸し、実際にDX案件が増えていきました。お客さまの要望に応えるために、レッドハットと共同でアジャイル開発の研修コースを作っています」と同社の状況を明かす。

 レッドハットをパートナーとして選んだ理由については、「ボストンでOpen Innovation Labsを見学した際に、技術だけでなく文化を変える必要があると言われて感銘を受けました。レッドハットにはイノベーションを実現する企業文化、プロセス、そして技術がそろっており魅力的に感じたのです」と説明する。そして、2025年の崖を前に「コンテナやKubernetesの技術習得、アジャイル開発などの文化を全社に広げていきます」と話す。

 この後、日本総合研究所 取締役 副社長執行役員の井上宗武氏が「SMBCグループのデジタライゼーションをけん引するITケイパビリティ」と題する特別講演を行った。日本総合研究所は、SMBCグループ全体のITリテラシーの向上やDXの推進を支援している。「SMBCグループにおけるDX人材の育成やデータ・テクノロジーの活用、IT・インフラの整備を担っています。IT・インフラの整備においてレッドハットに協力していただいているのが、『バイモーダル開発』『コンテナ基盤』『API管理基盤』です」と井上氏は説明する。

 SMBCグループでは、スピードと効率性を重視した攻めのITを実現する上で、Red Hat OpenShiftを活用したコンテナ基盤を採用。モノシリックな環境から脱却し、アジリティを創出できるクラウドネイティブアプイケーションへのシフトを目指している。また、「Red Hat 3scale API Management」などを利用したAPI内部システム間連携の評価なども開始していると井上氏は語る。

ホップマン氏と対談する野村総合研究所の大元成和氏(左)と、特別講演を行った日本総合研究所の井上宗武氏(右)。

Red Hat とオープンソースを全世界に

 特別講演の後には、「Innovation Awards APAC 2019」の授賞発表が行われた。オープンソースを戦略的に活用したITの課題解決やモダナイゼーションによるイノベーションの促進、アジリティの向上などを達成した顧客を表彰するセレモニーだ。

 今回の発表では、Digital Transformation, Modern Application Development(デジタルトランスフォーメーション、先進的アプリケーション開発)のカテゴリーでNECが、Digital Transformation, Cloud Infrastructure(デジタルトランスフォーメーション、クラウド・インフラストラクチャ)のカテゴリーで楽天が表彰された。

 ゼネラルセッションの最後を締めたのは、レッドハット シニアバイスプレジデント兼CTOのクリス・ライト氏によるテクニカルキーノート「Red Hat's bold goals レッドハットが掲げる大胆な目標」だ。トランジスターから宇宙ステーションへの進化とLinux からオープンハイブリッドクラウドへの道程を引き合いに出し、Linuxのスタンダード化、オープンハイブリッドの普及、データセンターのEdgeまでの拡張を実現する同社のソリューションを紹介。さらに、今後の野心的な目標として「Red Hatとオープンソースを全世界に広める」ことを宣言し、Red Hat Forum Tokyo 2019のゼネラルセッションの幕を閉じた。

Red Hat Innovation Awards APAC 2019 の表彰を受けたNEC フェロー 宮澤 忠氏(左)と、楽天 副社長執行役員 平井康文氏(右)。

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