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マイクロソフトプラットフォームを学びのインフラに――足立学園

マイクロソフトプラットフォームを学びのインフラに――足立学園

2020年01月27日更新

Office 365とSurface Goで実現する
コミュニケーションを主体とした学び

ビジネスシーンのメインプラットフォームとなっているWindows OSとOffice 365。これらの組み合わせは教育現場でも有効だ。Office 365と2in1 Windows PCを活用して学校生活の幅を広げている足立学園を取材した。

社会で役立つスキルを育てる2in1端末

 足立学園中学校・高等学校は、中高一貫の男子校だ。建学の精神として、質実剛健、有為敢闘を掲げている。有為敢闘は同校の造語であり、世の中のためになり、強い意志を持ち貫き通すことを意味している。

 そんな同校が力を入れているのがICT教育だ。Microsoft Schoolに認定されており、教育機関向けOffice 365である「Office 365 Education」を学びのインフラとして活用している。学習用端末はSurface GoやSurface 3などの2in1 Windows PCを指定している。

 2in1 Windows PCを学習用端末に選定した経緯について、同校の技術科・技術家庭科主任を務め、Microsoft認定教育イノベーターでもある高田昌輝氏は次のように語る。「人や世の中の役に立つ生徒を育成するためには、学校から社会にスムーズにトランジション(移行)できる学びの環境が重要だと考えました。社会に出てから使われている端末の多くはWindows OSであること、またキーボード操作などは学んで身に付ける技能であることから、iPadなどのタブレット単体よりもキーボードが付いた2in1 Windows端末が学習用端末には適していると判断しました」

 2in1端末を導入したのは2015年度のこと。当時の中学校2年生の一部のクラスに試験導入した。当時はSurfaceシリーズではなく別のメーカーの2in1端末を選定したが「サポートが不十分であったり、初期不良が多かったりと課題も多くありました」と高田氏は振り返る。

 そこで次の年から選択したのがSurface 3だった。サポート対応が充実しており、学習用端末として申し分のない性能だった。その後、他メーカーの端末を導入しつつも2019年度の中学2年生から全クラスSurface Goの導入を決めた。

「Surface Goは非常に評判がよいです。小型軽量で持ち運びがしやすく、バランスのよい性能で学習用端末にマッチしていました」と同校の学年主任を務める冨岡 雅氏は語る。

Surface Go に使用するケースなどのアクセサリー類はそれぞれの生徒の好みに応じてカスタマイズされている。
中2 の数学の授業では、小テストの誤答を題材に、なぜ誤りなのかを生徒に考えさせる。生徒たちは話し合いながらそれぞれ理由を書き込んでいた。

効率化された授業でより深く学ぶ

 足立学園では中学校2年生から学習用2in1端末を家庭で購入してもらい、学校に持ってきて授業で活用するBYODスタイルを採用している。中学校入学と同時に学習用2in1端末を購入しない背景を高田氏は「中学校1年生の段階ではまず通常の授業スタイルや学校生活に慣れてもらうことが重要です。三学期の技術の授業で、何のために学習用2in1端末を持つのか、情報モラルを含めて学んで導入の準備を行います」と語る。

 教室には電子黒板が配備されており、授業支援ソフトウェア「xSync Classroom」を活用して、電子黒板からの資料一斉配信や、生徒から提出された課題を電子黒板に表示している。板書をする機会が少なくなったことで、グループワークの時間や、一つの問題に深く取り組むといった時間が増えたという。

 高田氏は「授業の効率が確実によくなりました。私は技術科を担当していますが、事前に配信した動画を自宅などで視聴した上で授業に臨めば、工具を使う作業のやり方の理解度が上がります。また、動画で手順を確認しながら作業に取り組むことも可能になります」と語る。電子黒板で表示している内容と手元の学習用2in1端末の表示を同期させておくことで、ノートに転記する際のミスが少なくなる点もメリットだという。

授業で主に使うのは電子黒板だ。xSyncを活用して資料を提示したり書き込みをしたりして生徒の理解を促す。
資料配信もxSync上で完結するため、スムーズで効率的な授業が実現できる。

Teamsが学校生活のインフラに

 xSync Classroomに加え、授業も含めた学校生活のインフラとして活用されているのがOffice 365だ。特に活発に利用されているのがコミュニケーションツール「Microsoft Teams」で、クラスや教科ごとにチームを作成し、課題や資料の配付、伝達事項の共有などを行っている。

「以前はOffice 365のSharePointを活用してクラスごとのサイトを構築していましたが、クラス替えがあった時の作り替えや設計が負担になっていました。そのため2018年からはTeamsに移行し、クラスや教科ごとに気軽にコミュニケーションが取れるようにしています」と冨岡氏。

 チャット感覚でコミュニケーションが取れるTeamsは教員からも好評だ。SharePointは使いにくいと感じていた教員も「ビジネス版のLINEのようなツール」と紹介されたことで抵抗感なく使い始められたようだ。

 アンケートフォームを簡単に作成できる「Microsoft Forms」で、アンケートや小テストの作成も行っている。「いじめのアンケートなどもこれで実施できます。以前であれば紙のアンケートに回答してもらっていましたが、その場合“何か書いている”ことを周囲に知られることを恐れて正しい回答ができない生徒も居ました。学習用2in1端末を通して回答できるFormsであれば、自宅からでも回答できるため、より正確なアンケートが実施できるようになったと感じています」と冨岡氏は語る。

 Office 365を学びのインフラとしたことで、コミュニケーションを中心とした使い方が定着してきたと語る高田氏。「教員に気軽に質問できる生徒ばかりではありませんが、学習用2in1端末を使うようになったことでそうした生徒からの質問や相談が届くようになったことが大きいです」と授業以外での活用メリットを話す。

 ほかにも、PowerPointを活用し、部活紹介をプレゼンテーションさせたケースや、面談にOneNoteを用いた事例、Skypeで海外とつなぎ、英会話を行った授業など、Office 365をフルに活用することで学校生活の幅を広げている。「教室の枠を飛び越えて、デジタルだからこそできる学校の可能性を見いだしています」と冨岡氏。

「実は以前、ICTを使うための授業に陥ったことがあります。しかしICTはあくまでツールです。生徒や教員の負担にならないように、今あるツールをしっかりと使いつつ、リアルなコミュニケーションを取る時間を創出していきたいですね」と高田氏は語った。

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