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これからの法人向けノートPC市場をIDC Japanとレノボが見通す

これからの法人向けノートPC市場をIDC Japanとレノボが見通す

2020年01月14日更新

モビリティへの移行が進んでいる

法人向けノートPC市場の行方

Windows 7 EOS需要で好景気に沸いた2019年の法人PC市場。2020年はどのような展望が開けるのか。IDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏が予測する。

市川氏_2019年はWindows 7のEOS需要で、国内の法人PC市場は歴史的な出荷台数を記録しています。例年、法人のPC市場は第1四半期(1〜3月)が最も出荷台数が高くなるのですが、2019年は第3四半期(7〜9月)が第1四半期を上回り、前年同期比83.4%増の361万台になりました。361万台という数字は、2014年第1四半期の357万台を上回って、IDCがトラッキングを開始して以来の最高の出荷数になっています。PCメーカーは作れば売れる状況ですね。

この波は2020年の第1四半期まで続くと予測されます。大企業の多くはWindows 10への移行がほぼ終了しているようですが、中堅・中小企業の移行は継続すると推測されるからです。

デスクトップPCとノートPCの出荷台数の内訳では、ノートPCのほうが倍程度になっています。市場の大きな流れとして、モビリティへの移行が進んでいるからです。使用期間が5年ほど経過してリプレースの対象にもなる2013年から14年ごろに導入されたPCはデスクトップPCが多かったのですが、それらをノートPCに置き換える動きも現在は加速しています。

背景にはやはり働き方改革があります。ワークライフバランスを考慮し、いつでも仕事ができるテレワーク環境を用意すべきであるという認識が醸成されつつあるのです。そうした中で、持ち出しもできるノートPCの導入が推進されています。

グラフはグローバルの調査データだ。従来型のトラディショナルノートPCはシェアを落とし、コンバーチブルタイプや厚さが18mm未満の製品が伸びていくと予測されている。

セキュリティは引き続きポイントに

ノートPCの出荷傾向としては13.3インチなど14インチ未満の製品が伸びています。やはり働き方改革の影響が強いですね。本体の重量や薄さが重視される傾向にもあります。ただし、デザインは各メーカーによって特色が出る部分です。堅牢性にこだわって薄さはそれほどアピールしていないケースや、汎用的なデザインを採用しているケースもあり、ターゲットユーザーに応じて提案内容を変えられます。

もちろんセキュリティも重要な要素です。持ち出した際の安全性だけではありません。多様な雇用形態が生み出す多彩な仕事環境や、関係企業とのコラボレーションなどにおいても、安全で円滑に仕事ができる状況を作り出していく必要があります。そうした視点での機能が搭載されたノートPCが求められるようになるでしょう。

指紋認証や顔認証など、プライベートで使用するスマートフォンですでに活用されている生体認証機能をより使いやすくするなど、コンシューマライゼーションを進めていく必要もありますね。

IDC Japan
市川和子氏

デバイスの選び方が変わっていく

これからのノートPC

Project Athena準拠製品のラインアップに入っているThinkPad X1 Carbon。提供するレノボは、これからのノートPCの在り方についてどのような展望を持っているのか。

LTE対応、リッチなコミュニケーション

「インテルが中心となって進められているProject Athenaは、ノートPCの方向性を指し示すものです。瞬時の起動や優れた応答性、パフォーマンス、接続性など、常時つながって常時使えるノートPCの実現が目的と言えるでしょう。Wi-Fi 6への対応なども、これからのユーザーニーズに即しています」(レノボ・ジャパン コマーシャル製品事業部 プロダクトマネージャー 元嶋亮太氏)

 ノートPCの形状の変遷においては、これまでUltrabookや2in1といったムーブメントが生じてきた。そして、現在はProject Athenaというユーザー体験を基準にした新たなノートPCの開発が進行している。
「以前に拡販されたUltrabookによって、可搬性を重視したノートPCへの注目度が高まりました。さらに現在の働き方改革によって、ノートPCは持ち歩くもので、それには薄さなどの要素が快適性につながるというメッセージにもつながってきています」(元嶋氏)

 Windows 7 EOS後のPC提案の展望も踏まえて、これからのノートPCについてレノボ・ジャパンはどのように考えているのか。元嶋氏は次のように説明する。

「東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ間近に迫る中、テレワークの環境構築が本格化しています。そうした中で、デバイスの選び方も変わってきています。例えばLTE対応モデルが標準で選択されるケースが増えているのです。現状でもThinkPadが導入される際、約2割はLTE搭載モデルが選択されています。また、テレワーク環境でもリッチなコミュニケーションを可能にする製品も求められていくでしょう」

ThinkShieldについて説明するレノボ・ジャパン 元嶋亮太氏。

ノートPCのセキュリティをどうするか

 持ち運びを前提にしたノートPCの導入が加速する中で、レノボはセキュリティをノートPC開発の一つの核にしている。「ノートPCのセキュリティをどのように考えていくべきか。それを示したのが、『ThinkShield』というコンセプトです」と元嶋氏は話す。

―ThinkShieldについて(ThinkShieldの資料から抜粋)
情報漏えい対策、すなわち“データ”保護の観点では、従来からのエンドポイントセキュリティはもちろんのこと、ハードウェア、そしてファームウェアの観点でも対策の検討が必要になってきています。
レノボのThinkShieldソリューションはハードウェアを製造しているメーカーならではの観点でお客さまのセキュリティ対策に貢献します。

 このようなコンセプトの下、レノボは、「ファームウェア以下のレイヤーでの脅威」「インターネット接続時に発生する脅威」「ソーシャルハッキング」「盗難紛失時に発生する脅威」「開発〜製造〜納品段階で混入する潜在的な脅威」の観点で、ハードウェアメーカーならではのセキュリティを実現させている。以下は、用意されているセキュリティ機能の一部だ。

ファームウェア
・自己回復BIOS、クリーンなプリロードイメージ、RTPプリロードイメージ、Thunderboltセキュリティ、System Update、脆弱性対応

ネットワーク
・Lenovo WiFi セキュリティ、FIDO、ThinkShutter

ソーシャルハッキング
・ThinkPad Privacy Guard、ThinkPad Privacy Alert、プライバシーフィルター、Tamper Detection

盗難紛失
・セキュアドッキング、アセットタグ、自己暗号化ドライブ、ドライブ暗号化サービス、セキュアハードドライブ

開発製造
・Trusted Supplier プログラム、信頼されたサプライチェーン、パッケージングセキュリティ、独立したセキュリティオフィス

のぞき見をAIで自動検知して保護

 例えば、ソーシャルハッキング対策として用意されているThinkPad Privacy GuardやThinkPad Privacy Alertは、画面ののぞき見を防ぐ効果がある。

 ThinkPad Privacy Guardは設定されたホットキーを押すだけでプライバシーフィルターを利用したような画面を作り出せる。フィルターを付けたり外したりする必要がない。輝度の調整も可能で、スタイラスペンとも一緒に使える。

 ThinkPad Privacy Alertは、のぞき見をWebカメラで自動的に検出してアラートを画面に表示し、同時にThinkPad Privacy Guardをオンにできる機能。のぞき見の検出にはAIが活用されており、顔や視線の検出技術と誤認識を低減するアルゴリズムの実装によって、複数ののぞき見の検出を可能にしている。

「指紋情報を指紋チップ内だけにどどめる『Match on Chip 指紋認証』機能や、信用できないネットワークからユーザーを保護するLenovo WiFi セキュリティ、IRカメラにも対応したThinkShutter(Webカメラ用の物理的なシャッター)、さらに、PC本体の裏蓋の不正な開閉も検知するTamper Detectionなど、多様なセキュリティ機能の搭載で、時間と場所を問わない働き方においても高いセキュリティを実現します」(元嶋氏)

 さまざまな働き方で利用されるノートPCにとって、あらゆる状況でのセキュリティ確保は最重要事項の一つとなる。そうしたニーズに対して、ThinkShieldというコンセプトを創出してハードウェアメーカーならではのセキュリティソリューションを搭載させているレノボのノートPCは、これから求められるノートPCの一つのモデルとなりそうだ。

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