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ARを活用して設備保全を行うコネクシオのIoTソリューション

ARを活用して設備保全を行うコネクシオのIoTソリューション

2020年01月28日更新

タブレットをかざして設備点検
AR設備保全ソリューション

機械の異常やトラブルを未然に防ぐ設備保全業務は重要な役割を担う。この設備保全業務をARとIoT技術を用いて効率的に行えるようにしたのがコネクシオの「Smart Ready IoT AR設備保全ソリューション」だ。

熟練者との経験差をなくす

 多くの生産設備が稼働する製造現場は、日々の機械点検が欠かせない。万が一、トラブルが発生して製造ラインが停止すれば利益損失につながる恐れもある。そこで重要となるのが設備保全だが、点検業務にはさまざまな課題も伴う。

「製造現場では記録や機器マニュアルなどは紙で管理されています。作業者は機器ごとに異なるマニュアルを何冊も持ち運びながら現場を回るため、手間や負担がかかります。作業者により点検にかかる時間や結果にばらつきも生じやすくなります」とコネクシオ ソリューション推進部 長山 豊氏は製造現場の現状を説明する。ほかにも、設備を熟知した熟練者であれば機器の異常を早期発見できるが、経験の浅い技術者は見逃してしまうといった技術者による“経験の差”も課題の一つだという。

 こうした課題解決のために提供されたのが、コネクシオの「Smart Ready IoT AR設備保全ソリューション」だ。タブレット端末を活用するシュナイダーエレクトリックホールディングスのARソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」にコネクシオ独自のIoTデータ連携機能を組み合わせたサービスだ。タブレットを設備にかざすと、設備の状態が数値で分かるだけではなく、機器のマニュアル、図面の表示、動画で復旧手順の確認もできる。

 同社 ソリューション推進部 北 満彦氏は「設備状況のデータ取得はAR技術だけではできません。振動センサーやメーターの数値を読み取る当社のIoTソリューションと連携させたことで、閾値を超えたらアラートを通知するといった実際の業務をより効率的に行える機能を活用できるのです」とARとIoTを組み合わせるメリットについて説明する。

アラート表示により異常を早期発見

 Smart Ready IoT AR設備保全ソリューションは、タブレット、AR用コンテンツがセットアップされたARサーバー、IoTゲートウェイで構成される。タブレットはLTEやWi-Fi経由でARサーバーに接続するEcoStruxure Augmented Operator Advisorの仕組みと振動センサーやメーターから取得したデータをIoTゲートウェイを介してARサーバーに送るコネクシオの技術を組み合わせている。

 Smart Ready IoT AR設備保全ソリューションは、タブレットのカメラを設備機器にかざして使用する。対象となる設備機器を映したカメラ映像にIoTで取得した設備状況の詳細なデータ情報が加えられて表示される。視覚的な情報により、経験の浅い技術者でも機器状態を把握しやすい。また、取得データによる設備の予兆保全が可能となり、設備保全業務における効率化も図れる効果もあるという。

 異常を検知すれば、アラートで通知する機能も備えており、速やかに復旧作業に取りかかれる。作業方法が分からなければ、機器のマニュアルや復旧手順を動画で参照することも可能だ。「今まで熟練者でなければ発見できなかった異常もアラート機能により誰でも早期発見できます。見逃しを防止し、素早い対応につながります」と長山氏は説明する。マニュアルの作成などはSmart Ready IoT AR設備保全ソリューションのプランに含まれている。

 Smart Ready IoT AR設備保全ソリューションは多言語への対応もしている。「英語、中国語、フランス語、スペイン語など8言語に切り替えられます。昨今、増えている外国人労働者に対する言語の問題も心配いりません」(北氏)

2020年度100社の導入を目指す

 2019年8月から提供が開始されたSmart Ready IoT AR設備保全ソリューションだが、製造業だけではなく、製鉄所や交通、上下水道、自治体など設備点検が必要となる幅広い分野から引き合いがあるという。

「実際に導入した企業からは、設備保全業務を平準化できたという声や熟練者の技術を若い技術者にも伝授できているといった声が寄せられています」と長山氏は導入効果を話す。

 Smart Ready IoT AR設備保全ソリューションは2020年度までに100社の導入を目標にしている。「設備点検の用途に加え、タブレットをかざして危険エリアを知らせ、事故を未然に防ぐといった使い方もできます。働き方改革につながる業務改善だけではなく、事故防止などの安全面も考慮したソリューションとして幅広い分野や事業で活用できるでしょう」北氏は今後の展望を語った。

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