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モバイルシンクラ「FUTRO MU937」が好調 富士通

モバイルシンクラ「FUTRO MU937」が好調 富士通

2019年12月05日更新

CLOUD NATIVE DEVICE
セキュアモビリティニーズで脚光
クラウド・ネイティブ・デバイス

社外での仕事を前提としたデバイスやシステムの導入が加速している。その中でも、モビリティ性に加えてセキュリティ性を重視したシンクライアントやクラウドを主体としたシステムに注目が高まっている。本特集では、シンクライアントのようなネットワーク接続を前提にしたデバイスに着目し、クラウド・ネイティブ・デバイスと名付け、その商機を追った。

THIN CLIENT

FUJITSU

モバイルが絶好調

FUTRO series

セキュリティニーズの高まりで、シンクライアント関連のビジネスが伸びている。引っ張っているのはモバイルデバイスだ。

「シンクライアントソリューションは、TCOの観点で選択されるケースが多かったのですが、働き方改革などもありノートPCの持ち出し制限が緩和される中、セキュリティの側面でもシンクライアントの導入が増えています。特にここ1、2年は好調になってきました」

 現在のシンクライアントソリューション市場の状況をこう話すのは、富士通 システムプラットフォームビジネス本部 プロダクト企画統括部の山嶋雅樹氏だ。モバイルワークの普及によって、デバイスの持ち出しによる盗難や紛失のリスクは高まっている。そうした懸念に対して、デバイスにデータが残らないシンクライアントの訴求力が高まっているというのだ。

 シンクライアント市場の盛り上がりの中で、富士通は国内のシンクライアント専用デバイスのシェアにおいて1位を獲得している(出所:IDC Japan「国内シンクライアント専用端末市場 ベンダー別 出荷台数/売上額 2018年」)。

「デスクトップを中心とした従来のシンクライアントデバイスのラインアップでは差異化が難しかったのですが、軽量が持ち味の当社のモバイルデバイスをシンクライアントデバイスにしてはどうかという意見からラインアップに加えたところ、非常に多くの引き合いを得られるようになりました」(山嶋氏)

FUJITSU LIMITED Masaki Yamashima 富士通/山嶋雅樹氏

ログイン時のセキュリティを強固に

 現在、富士通は「FUTRO」(ヒューロー)というブランドでシンクライアントデバイスを提供している。ラインアップは、デスクトップタイプの「FUTRO S740」「FUTRO L420/L」、15.6インチノートタイプの「FUTRO MA576」、13.3インチノートタイプの「FUTRO MU937」だ。FUTRO S740、MA576、MU937はOSにWindows 10 IoT Enterpriseを採用している。FUTRO L420/LはOSを搭載していないゼロクライアントモデルだ。

「中でも13.3インチノートのMU937の販売が好調です。以前からFUTROのモバイルタイプとして提供していた製品は重量が約1.2kgあったのですが、MU937は重量が約799gと非常に軽量で、モバイルニーズにおいて高い評価を得ているのです。当社の営業部門がお客さま先に所持していくと、『なにこれ』という反応から商談につながったりしています」(山嶋氏)

 FUTROは、富士通が提供している通常のPC製品をシンクライアント向きに仕立てた製品だ。そのため、法人PCの開発で培った機能や性能がシンクライアントデバイスであるFUTROにもそのまま反映されている。山嶋氏は次のように説明する。

「Windows環境にこだわってPC開発を行ってきました。そのベースの部分をシンクライアントデバイスであるFUTROは備えています。例えば、通常のWindows PCとシンクライアントデバイスが混在するような環境でも同様に運用できたりするのです」

 富士通が法人向けPCで強みを発揮しているのはセキュリティだ。静脈認証などがその最たる例だ。「PC本体にデータを残さないシンクライアントデバイスであっても、システムのログイン時のセキュリティが甘ければ、不正操作を許してしまいます。当社のシンクライアントデバイスであるノートタイプのFUTRO MU937やMA576は、手のひら静脈センサーや指紋センサーの内蔵が可能なので、生体認証によるログイン時の強固なセキュリティを確保できるのです。外付けの静脈センサーや指紋センサーも用意しており、デスクトップタイプのFUTRO S740などでも活用できます」(山嶋氏)

シンクラの管理をどうするか

 シンクライアントの提案において、ユーザーからよく相談されるのはデバイスなどの管理面だという。「シンクライアントデバイスは、データが保存されない点がメリットですが、VDIのクライアントソフトウェアや管理ソフトウェアなどはインストールされるケースがあります。そうしたソフトウェアのアップデートなどを効率的に行える仕組みも整備する必要があるのです」と山嶋氏は解説する。

 富士通が用意しているのは、統合運用管理ソフトウェア「FUJITSU Software Systemwalker Desktop Patrol」だ。「Systemwalker Desktop Patrolを利用すれば、シンクライアントデバイスであるFUTROにインストールされたソフトウェアアップデートや機能制限の管理までを一元的に実施できます。シンクライアントデバイスに備えられた書き込み保護機能を管理者が遠隔で解除できるのです。また、当社が提供する情報漏えい対策ソフト『Portshutter Premium V2』で、出荷時からUSBポートなどの各種I/Oインターフェースの利用を制御することも可能です」(山嶋氏)

 このようなシンクライアントソリューションを提供する富士通の強みは、デバイスからVDIまでの構築を一手に担える点にある。「オンプレでの仮想PC方式やSBC方式によるVDI環境の構築だけでなく、当社の仮想デスクトップサービスである『V-DaaS』との組み合わせ提案も行えます。実際、V-DaaSを利用するお客さまも増えてきています。こうした強みを背景に、シンクライアントデバイス市場でのシェア1位を継続していきたいですね」と山嶋氏は話す。

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