ホーム > PC-Webzineアーカイブ > 戸田覚がExcelの新機能の使い方を伝授

戸田覚がExcelの新機能の使い方を伝授

戸田覚がExcelの新機能の使い方を伝授

2019年12月19日更新

情報を伝える力が向上している

テーマ:Excelの新機能を使いこなす

前回のPowerPointに続いて、今回はExcelの新機能を紹介する。Excelを普通に使っているだけなら、10年前のバージョンでもほぼ満足できているだろう。とはいえ、せっかくの新機能を使わずに見逃すのももったいない。情報を伝える力は、以前のバージョンよりも確実に向上しているのだ。今回もMicrosoft Office 365をベースに執筆するが、Excel 2019でもほとんどの機能が利用できるはずだ。

追加されたじょうごやマップグラフ

 まず注目したいのが、新しく追加された「じょうごグラフ」だ。じょうごとは、醤油などを瓶に注ぐときに使う、漏斗(ろうと)のことだ。このグラフは、ろうとを横から見たときに似た三角形の形になりやすいのでそのように呼ばれている。

 どちらかというと、集計表よりも企画書に向いているグラフで、細かな数字を比較したり、推移をチェックするためのグラフではない。さほど数の多くないデータの全貌や割合を比較するのにこそ役立つ。

 僕なら、予算や費用の大小を見分けるために使う。それも多くの項目ではなく、ある程度数が絞り込めた項目で利用したい。「総額に対して印刷代がかかりすぎだな……」といった、傾向が把握できればこのグラフの役目に見合っているだろう。

 じょうごグラフの作成は簡単で、表を範囲指定して挿入するだけだ。そもそもがシンプルなグラフなので、データソースもシンプルに数字が並んだものを使えば良いだろう。

じょうごグラフはシンプルなデータを利用して作成する。グラフは、横から見たじょうごのような形になる。
マップグラフを作るには、データソースが地域になっている必要がある。作成手順は他のグラフと同じで、範囲を指定したら「塗り分けマップ」を挿入すれば良い。

 もう一つ、最近追加されたのが「マップ」グラフだ。こちらも、マーケティングや販促などでよく利用するグラフと言えるだろう。特に、地域性のあるデータを見せたいときには役に立つ。ただし、使いこなすのにはちょっとコツが必要だ。まず、データソースに地域の情報が含まれなければならない。僕のテストでは、国や都道府県のデータならうまくグラフ化できたが、どうやら23区は対応していないようだ。データを作成したら範囲指定してグラフを挿入すれば良い。

 ただし、普通に作業しただけだと、突然世界地図が表示されて面食らうだろう。もちろん、国ごとのデータを見せたいならこれで良いのだが、都道府県のグラフを作ろうとすると、意味がよく分からない。そこで、表示をカスタマイズする。完成したグラフをダブルクリックして「データ系列の書式設定」で、「マップ投影」で「メルカトル」を選び、「マップ領域」を「データが含まれる地域のみ」に絞り込もう。これで、都道府県を色分けしたグラフが完成するはずだ。島まで含まれるのでかなり大きな日本地図になるが、これで正しい。もし、見た目が気に入らなければスクリーンショットを撮影してトリミングすれば良いだろう。

 マップグラフは使えれば便利なのだが、そもそも希望のエリアが対応範囲に含まれていないためにガッカリする方も多いはずだ。そんなときには、「アドイン」で「Bingマップ」を使ってみても良いだろう。こちらは、白地図の塗りつぶしはできないが、Bingの地図上に丸などで、データの大小を視覚的に表示できる。23区などのエリアにも対応しているので、1度試してみて欲しい。

最初は世界地図が表示されて面食らうだろう。系列の書式設定で目的の地域が表示されるようにカスタマイズしよう。

参考データはリンクで

 作成した書類は印刷して紙で渡すのが従来の作法だった。ところが、最近は一気に状況が変わってきている。印刷することなく、ファイルのままで提出する機会が増えているのだ。データのまま書類を渡せるとなると、紙とはまた違った使い方ができる。その一つの例として紹介したいのがリンクの活用だ。

 以前なら、何らかのデータを提出する際に、参考情報があれば印刷して添付するのが普通だった。相手が見るかどうかは分からないが、参考のために用意するのだ。結果、紙の枚数が多くなってかなりヘビーな書類になってしまうことがあった。また、見るかどうか判断できない書類を印刷するのでは、紙ももったいない。

 ところが、データでファイルを受け渡すなら、参考資料を印刷する必要がない。とはいえ、ファイルを大量に渡しても、「何が何だか分からない」とクレームが来るだろう。おすすめは、メインのファイルを提出して、そこにリンクを貼り付けておく方法だ。リンクで、OneDriveなどにアップロードしたファイルを開けるようにするわけだ。Excelの新機能では、最近使ったリンクが貼り付けやすくなっている。OneDriveで取得したリンクも一覧に表示されるので、そのまま素早く貼り付けられる。

OneDriveでファイルのリンクを取得する。
リンクをコピーするだけでOKだ。
Excelでは、「挿入」―「リンク」で先ほどコピーしたリンクが即利用できる。
リンクを挿入した。
リンクをクリックするだけで、誰でも関連書類が開けるわけだ。

 あとは、受け取った人が、必要に応じてクリックして参考ファイルを開けば良い。最初は慣れないので、使いこなせない人もいるかもしれないが、そこはあなたが努力して啓蒙するしかない。

 必要に応じてファイルを開いて欲しいこと、さらに、このようなリンクで提供したファイルは、「共有ファイル」なので、編集してはいけないことをしっかり伝えよう。もし、編集したいならリネームして、自分のローカルファイルとして編集するのがルールだと伝えないとトラブルになる。

 書類をファイルで提出する時代になって、リテラシーの差が大きいことは承知してうまく使っていこう。

Excelに手書きも便利

 Excelを含むMicrosoft Officeは、手書きの「インク」機能も順次充実するようになっている。Excelでは、手書きを使うケースなどあまりないだろう。確かに、これまでのように書類を印刷して渡すならあまり使う機会はなかった。だが、ファイルを渡したり共有すると、結構出番があるものだ。

 特に役立つのが注釈や赤入れだ。書類の不明点や重要な部分を伝える際には、手書きが見やすい。元々、Excelにはコメント機能も搭載されているが、残念ながらあまり使いやすいとは言えず、見逃されてしまうことも少なくなかった。

 手書きなら非常に目立つ上に、どのセルでも自由に指し示すことができる。とにかく、分かりやすいのだ。ペンに対応した2in1 PCなどでぜひ使いこなして欲しい。

手書きで注釈を入れるととにかく分かりやすい。ペン先の種類なども幅広く選べる。

キーワードから記事を探す